祐さんの散歩路 Ⅱ

日々の目についたことを、気ままに書いています。散歩路に咲く木々や花などの写真もフォトチャンネルに載せました。

・ 日記平成27年4月20日~

2015-05-26 21:31:23 | 日記
インゲン植え付け
インゲン

5月26日。
自宅のプラグトレイで育苗していたインゲンが、子葉の他に本葉が出てきたので畑に植えつけしました。前日の夕方に水を十分あげておくことを忘れていました。しかし、畝はマルチをかけているので水分はあるでしょう・・・・午前中に植え付けして3時ころは元気そうだったので何とかなるでしょう。明日は早めに行って根が付いたかどうかを確認しなければ・・・・・

植え付けしようとしたときに、マルチに穴をあける道具を買い忘れていることに気づきました・・・・・しかたないのでカッターで適当に穴をあけてみましたが、これでも十分・・・。今日は根を伸ばしてもらうために、わざと水はかけないで置きました。明日からは午前中に水をあげねばなりませんね。

その後、九条ネギの種まきです。畑で育苗してから、違う場所に植え付けしなければならないで、余っている畝を活用しようと、ねぎ用に2条蒔きをしてみました。これはたっぷり水をかけておきました。その後お昼になったので、おにぎりを食べてひと休憩・・・・・ネギの事を考えていると、何かおかしなことに気づきました。先ほど開けた種の袋には「白首大根」の写真があったような気がします・・・・・あわてて、畑に戻り確認すると・・・・・間違っていました。ねぎのつもりで大根を蒔いています・・・・・

防風ネット
防風ネット

5月23日。
昨日、防風ネットを張るために支柱を畑の周りに立てておきました。1メーター50センチの支柱を30~40センチ埋めるのですが、下の方に結構固い心土があり、鍬を使ってたたきながら埋め込みました。今日は、少ししか時間が取れず、半分ほどを囲うことができましたが、残りは明日に持越し・・・・・

早めに帰って、シャワーを浴び初めてのレストランへ行きました。家族の誕生日がありイタリアンのお店を選んでいます。小さな子供がいるので個室をお願いしておきました。そのお店は全面禁煙なので安心です。コースをお願いしてきましたが、しっかりと仕事をしているお店です。使っている食材も、契約農家さんから手に入れたり、自分で作ったりとほとんどを北海道の食材を使っているので安心・・・・。ただ一つ問題は、ワインを3本頼んでいるけれど、赤で1万円を超えるワインをそのまま提供されたことでしたね。デカンタをしてくれれば、澱が出ないのでしょうに・・・・・

昔、東京の赤坂見附にビストロサンノーとういうお店があり、そこのサービスが好きでした。当時のフランス料理界では知られたお店でしたが、サービスを奥さまがなさっており、その気遣いの高さが気に入っていました。お客様の食事のタイミングやワインの進み方など、細かく気づかいをしてくれて食事を楽しませてくれます。食事は料理とサービス、そしてその店の雰囲気が揃って価値を高めますね。









発芽
発芽

5月21日。
プラグトレイに種まきをしてから、土の温度を30℃になるよう気をつけました。最近は札幌の夜も寒いため、セントラルヒーティングを入れプラグトレイの置いてある部屋だけに暖房が行くようにしました。その結果4日目で胡瓜とインゲンが発芽しました・・・・ミニトマトと茄子はまだこれからのようです。

種をまいた時から発芽まで、土の温度を下げないために水は一滴も上げていません。それでも発芽するんですね。発芽した胡瓜とインゲンには午前中に水をあげ、プラグトレイのカバーを外しました。徒長しないように湿度を下げることと、土の温度25℃に下げるためです。

発芽したので、移し替えるポットに土を入れるため畑に出かけました。出かけたのが昼食を終えてからのため、持って行ったポット全てに土を入れることができず、ビニール袋に土を入れ自宅に持ち帰り・・・40個ほどのポットを用意しなければなりません。その他に畑に防風ネットを回し、いくつかの畝にはトンネルを掛ける作業があります。毎日することが山積み・・・・それでも無肥料・無農薬で作物が作られればうれしいですね。

マルチがけ
マルチ

5月20日。
今朝の4時半に目が覚め外を見ると快晴です・・・・・天気予報では「曇り・雨」になっていましたが、すごく良い天気です。昨日は雨が降ったので、畑には水が吸い込まれているはずです。晴れて畑の土が乾いたら困るので、支度をし朝食をとって6時前に自宅を出ました。昨日買っておいた90cm×50mの透明マルチがあるので、それを畝にかけて9時になったら近くのホームセンターで、135cm×50mのマルチを買って残りを掛けようと出かけました。幅90cmのマルチは畝幅が50~60cmで、高さが低い畝用に買っておきましたが、最後の畝のところで不足してかけることができませんでした。

9時になったので近くのホームセンターに行き、135cm×50mを買ってきました。これは高畝用のマルチで、全ての高畝にかけても余ったので、先ほど不足した低い畝に端を丸めてかけ、全てが終了。これで2週間ほどほっておいて畝の土温度が上がるのを待たねばなりません。その間に自宅のプラグトレイの発芽したものをポットに移し替えておかねばなりませんね。その後、畝の温度が上昇したころに、畑に移し替えて育てる予定です。どこまでできるか楽しみです。

ロマン
橋本市長

5月19日。
大阪都構想の選挙で橋本市長が破れましたね。有効票数のうち賛成は49・62%、反対派50・38%で僅差・・・・僅差とはいえ破れた以上は大阪市長を今期いっぱいで終え、政界から引退すると云っています。彼のような論理的に物事を進められる政治家は、かなり数が少ないでしょう。しかも、本気で大阪市の問題をつぶしにかかっていた。良いことをたくさん実施・改善し結果も出すことのできる政治家は、利権にしがみつく者たちにとっては恐怖だったんでしょうね。それは地方だけではなく、国レベルでも・・・・・

一番気になったのは民主党の石井紘基氏のように暗殺される可能性がある事でしたね。本格的に悪と立ち向かうにはそれなりの覚悟が必要でしょう。大阪府知事を降りて大阪市長選に出て圧勝したころに彼を見ていて、その覚悟があることを知りました。それは、彼の周りにいる身辺警護の数が多いことです。当時の首相周辺よりも多くの人数が警護していました。相当な覚悟をもって挑んでいました。当然国の官僚クラスは、あの手この手で引きずり落とすことをしていました。それに乗ったバカなマスゴミは、本質的な問題点は無視しておいて、くだらない言葉の端々を突いていた・・・・・

橋本徹氏の大阪維新の会での政策をみて、自分の都合のよいように解釈し実行しているのがアベシ・・・・本質的な問題点は理解できずに、表面上の言葉のみを真似している。橋本大阪市長が提案している「首相はもっと海外に行くべきである」は、日本国の経済をけん引するにあたって、日本の首相が各国に行ってトップセールスをすべきである・・・・ところを、アベシは原発を売り歩いて世界からは常識を疑われていても、日本の原発企業を儲けさせようとしたり、各国には円借款・無償援助等で1年3か月で52兆5400億円もの税金を垂れ流したりと本質論とは無関係な行動・・・・。数を上げればキリがない程、真似事ばかりのアベシ・・・・・

橋本大阪市長が素晴らしいところはいろいろあるけれど、私が驚いたのは彼のマネジメント能力ですね。あの大阪市役所の組合組織が好き放題している中に入って、それを一人で改善し続けたことですね。周りから、いろいろな批判を浴びていますが、わずか一人であの組織に飛び込み、その組織を動かし、なおかつ改善の方向に導いていく・・・・・これは常人では絶対にできないことです。いろいろな企業に部長職や取締役などがいますが、ほとんどの人はただの駒・・・・・出来上がった組織の中で、当たり障りなく動いているのは出来ても、その人間が全く企業風土の違う組織に行って、それを動かせるかというと、99%の人は出来ないでしょう・・・・

その「マネジメント能力」と弁護士という「法律を勉強」した経験と、男としての「ロマン」を持っていたことが、現状の日本で稀なる政治家を生み出しましたね。日本を変えることができるとすれば、彼しかいないかと期待していましたが残念ですね。また、橋本市長が政界を離れることを発表した後で、ほとんど同時に江田幹事長も代表を降りると云っていますが、彼も橋本市長のロマンを理解できた男ですね。彼が代表を降りても、代れるレベルは維新にはいない・・・・・これも日本の政治にとっては大きな痛手ですね。

選挙の結果を見ていて、20歳代、30歳代、40歳代、50歳代、60歳代までは、賛成が多いのですが、70歳代以降に反対が多い・・・・何にも勉強もせず、ただ感情だけで反対に投票した数が多いようです。このクラスや自民党・民主党などの不勉強な輩が、大阪の未来を考えずに反対票を入れたのでしょうね・・・・・結局は自分たちがしっぺがえしを食らうことになることに気づかずに・・・・



種まき
種まき

5月17日。
最近の天気予報は全く当たりません。畑を始めて気づいたのですが、畑仕事は天気によって行動が決まります。少し先を予測して準備するのですが、こうも予報が外れると予定の変更ばかり・・・・・
昨日は発芽のためにプラグトレイに土を入れました。プラグトレイは200穴と128穴と72穴を使います。ふるいに土を入れ、トレイの上から振ってある程度埋まると指で軽く押さえます。また、ふるいをかける・・・という事を繰り返していくのですが、トレイに均等に振るが出来ないため、土が早く埋まるところとなかなか埋まらない所が出てきます。それを均等にばらしてから指で押さえます。同じ作業を5回ほど繰り返してぼ全体に土がうめられました。

今日の昼近くになって、青空が見えてきたので早速種まきをしました。200穴にはミニトマトとナス、128穴にはきゅうり、72穴にはいんげんを撒きました。種の袋を開封して、初めて種とご対面・・・・・トレイのサイズがいろいろある意味が分かりました。種の大きさでトレイの大きさも決まってくるようです。この後は、水をあげないようにして4-5日後には芽が出始める予定です。その頃までには移し替えるポットに土を入れておかねばならないし、畝が雨で水分を含んだ後にはマルチをかけて土の温度あげておかねばなりません。その後、トンネルを作ったり防風ネットを建てたりと作業が続きそう・・・・・・

プラグトレイ
プラグトレイ

5月15日。
種が届いたので発芽させるための道具を探しましたが、きちんと揃っているホームセンターがありません。昨日行ったホームセンターでは、物がないのでメーカーに問合せをしてくれました。今日その返事が来ましたが、プラグトレイ(種を発芽させるもの)の受け皿は取り寄せができても、上から保温のためのカバーは見つからない・・と云います。そこで今日はいろいろなホームセンターに、道具探しに出かけましたが、4件目の最後のお店で見つけました。プラグトレーを入れる受け皿とそれのカバーがピッタリ収まります・・・・・

土は畑から持ってきているので、あとは振いとスコップ・土温度計を購入。初め予定では、畑に1坪タイプのビニールハウスを建てて、そこにプラグトレイを置き、上にビニールトンネルを作って発芽をさせようと考えていましたが、畑を貸してくれた農家さんが「素人にはビニールハウスは難しいよ」と言われ、自宅の室内で発芽させることにしました。しかし、札幌はまだ寒い日が続きます。今日などは14度が最高温度です。本によれば土の温度を30℃にするように書かれていますので、どうしてもカバーが無ければ30℃の温度を確保できません。これで、明日から種まきの準備に入れそうです。

固定種
固定種

5月13日。
先日発注しておいた固定種の種が届きました。種には大きく分けて「固定種」「F1種」「遺伝子組換え種」があります。一般のスーパーや八百屋さんで売られている野菜の大半は「F1種」です。これは交配種で人為的に作り出されています。販売や流通の便利さを考えて作られています。例えばきゅうりであれば、スーパーに並んでいるきゅうりは曲がったものは無く、大きさも同じでできています。その方が箱詰めして、数量を簡単に把握できるし、トラックに並べても運びやすい・・・・その代り味はイマイチ・・・・・

この種は1代限りのもので、その種から栽培しようとしてできません。即ち毎年、種を買い続けることになります。農家にとっては、栽培期間が短くて大量に作ることが出来るので、お金になる・・・・ただこの種を使うには、化学肥料を撒いたり、病気をさせないためや、雑草を寄せ付けないために農薬を使ったりしなければなりません。スーパーが求める同じ大きさ、色合い、大量生産などの条件にはピッタリです。これをもっと、簡単に作れるようにしたのが遺伝子組換え作物。

遺伝子組み換え作物は、その作物の上から農薬をかけても枯れず、雑草だけが死んでくれます。通常は作物を植える前に農薬で雑草を生えないようにしておいてから、作物の植えて、農薬が直接かからないようにします。しかし、遺伝子組換えは、そんな面倒な事はせずとも畑全体の上に一斉に農薬をまくだけで、雑草だけを枯らし、作物のみが成長するようにできています。農家にとっては簡単に作物ができ、大量に販売できるので良さそうですが、これを一度使うと毎年、種と農薬と肥料を買い続ける事になります。これによって、ブラジルやアルゼンチンなどでは多くの農民が破産しています。

遺伝子組換え作物は健康的にも悪影響があることは、いろいろな機関から発表されています。世界最大のモンサントは遺伝子組換えで世界制覇を考えているようです。これの日本代理店が住友化学。

私が今回取り寄せたのは固定種で、自分で作物を作った後、その作物から種を取り、翌年撒いて作物を作るものです。当然のこととして「無農薬」で作りますし、更に「無肥料」で作ることが可能になります。ただ、植物の力と大地の力などを最大限に引き出すためには、時間と努力が必要そうです。今まで、肥料を使っていた土地を改良する(土に残っている肥料を抜き取る)まで数年かかり、それまで、毎年作物から種とり続けて、土地に合った種を選別していかねばなりません。

この農法の初めは1930年代に福岡正信さんが始めた自然農法がスタートですが、今はそれに人間の手を加えた自然栽培が実践されています。日本のみならず世界中に彼の理論を伝え、インドの最高栄誉賞であるデーシコッタム賞、アジアのノーベル賞とも称されるフィリピンのラモン・マグサイサイ賞、1997年には、世界の持続可能な開発に貢献した政治家、企業経営者、学者、NGO等に授与されるアース・カウンシル賞などを受賞しています。

私もなんとか、自分で種を取れるようになりたいものですね。

施錠
鍵

5月11日。
仕事場の所に会社専用のゴミ箱があります。しかし、近隣の住民が勝手にゴミを捨てていきます。それも分別されないままの状態で置いていきます。ゴミの種類によって市の回収日が決まっていますが、全く関係なしに捨てていきます。当然のこととして分別されていないゴミは、回収されないまま置いて行かれます・・・・

そこでゴミ箱に施錠することにして鍵を探しにホームセンターへ・・・・・。いろいろ比べてみましたが、ダイヤル式の鍵を選びました。番号は4桁で、自由に設定できます。ただ、購入した鍵は少し特徴があります。万が一ダイヤルの設定数字が変更になって開かなくなっても、専用のキーで開錠できることです。アメリカに旅行に行くとロックされている旅行バッグでも、空港の検査では開錠してバッグの中をチェックされますね。あれと同じようなものです。いろいろなアイデアが商品になってくるんですね。

畝つくり
景色

景色

5月10日。
午前中から畑に行ってみました。畑近くからは札幌の西側にある手稲山や藻岩山など素晴らしい景色が見えました。また、サイロがある景色の奥にもまだ雪の残っている山々が見えます・・・・・この景色がこれからいるも見られるのは、山が好きな私にとって素晴らしいことですね。

畑について早速畝つくり。太陽の動きを考えて北の奥に「とうもろこし」の畝を作り、その手前に「ミニトマト」、次に「きゅうり」のために2畝を作りました。他に畝は40-50センチにしましたが、きゅうりは70-90センチが必要なので広めにし、なおかつ2つの畝の間も60センチと広くしました。これは2つをまたいでネットをかけて、そこに誘導する予定です。そして、「にんじん」「ねぎ」「大根」と続き、すこし横にずれて「キャベツ」「インゲン」「枝豆」「大豆」と全部で12本の畝を作りました。次は、マルチををかけて、トンネルを作り土の温度を上げなければなりません。種を植えるまでにしなければならない準備が結構ありそうです。

固定種
鍬

5月9日。
先日注文した固定種は9種類。大根・きゅうり・枝豆・にんじん・とうもろこし・キャベツ・インゲン・九条ネギ・ミニトマトです。初めての野菜つくりですが、こんなにたくさんできるのでしょうか?とりあえずトライしてみてから、考えるしかないですね。種が届く前に畝を作らねばならないので、鍬と剣先スコップ・麦わら帽子・手袋を購入してきました。明日は畝を作りに行かねば・・・・・

しかし、その野菜ごとに畝の高さや幅があり、まだそれを把握していません。これから調べたうえで、畑の配置を決めておかねば、明日の仕事ができないですね。また、発芽をビニールハウスでするものと、直播ができるものもあり、それもこれから調べないと・・・・・・当面はやりながら調べて調整するしかないですね。

TPP差止・違憲訴訟
TPP

5月7日。
昨年「TPP交渉の差止・違憲訴訟」に賛同して会に参加しました。それ以来何の音さたもなかったのですが、やっとTPP新聞なるものが送られてきました・・・・・本気で訴訟を起こすつもりなんでしょうかね? 交渉を差止するならサッサと訴訟を起こし政府側と争わなければいけないのに、今頃TPP新聞を送ってきても意味が無いですね・・・・会員は3182人、原告1027人と報告されています。

TPPはその交渉内容を国会にも公開せず、締結後4年間も秘密にすることになっています。
考えられないですね・・・・何を交渉しているかも誰にも知らせず、国の根幹にかかわることを国民が知らないまま確定してしまう。アメリカでも問題となり、先月、アメリカの国会議員には、全員が交渉内容を見ることが出来るようになりました。TPPを締結するためにはアメリカ議会の承認を得ない限り、オバマ大統領はTPP交渉を進めることが出来ません。あまりにも反対が多いため、事前に知らせる事で反対派を引き込もうとするものでしょう。アメリカが勝手に国会議員に知らせることを決めたので、ポチの日本政府もすぐ真似をして国会議員だけには知らせる準備に入りそうです。

「TPP交渉差止・違憲訴訟の会」の連絡先は下記の通りです。参加者を募集中。
東京都千代田区平河町2-14-13 中津川マンション201
Tel.03-5211-6880 Fax.03-5211-6886
代表 原中勝征

農地
農地

5月6日。
昨年以来「固定種野菜の種と作り方」の本を読んでおり、今年は野菜つくりにトライしようと何軒かに土地のレンタルをお願いしていましたが、なかなか良い返事がなく困っていました。ネット上で調べると意外と近くにレンタルする農地があることが分かりました。その中で2軒ほどに絞り込んで現地まで行ってみました。写真の場所は札幌の隣町で江別市の郊外です。広々とした畑の向こうに山々が見えます・・・・・山が好きな私としては、いっぺんにお気に入りです。レンタルできる土地も普通は15坪単位ですが、ここは40坪くらいあります。結構いろいろ作れそうです。

早速、固定種の種を選んで発注しました。一つの品目でも何種類ものがあり、さらに採取地もいろいろあるので放射能汚染されていない地域を選択しました。無肥料で無農薬で自然栽培がどの程度できるのか楽しみですね。今の土地を自然の土にかえるまで2~3年くらいでしょう。そしてその土地に会った固定種を作り上げるのに3~5年くらいかかるのでしょうかね・・・・自分の健康の事もありますが、孫たちの健康のために安心して食べられる野菜を作れることが一番の楽しみですね。

North Farm Stock
North Farm Stock

5月5日。
天気もいいので午後から岩見沢にある「North Farm Stock」に行ってみました。北海道の食材だけで作ったものを販売しているとのことなので行ってみました。札幌からは高速道路を使って30分くらい。岩見沢インターから5分くらいのところで分かりやすい場所でした。外観は白でまとめおしゃれなイメージです。店内には、ジャム・ジュース・ピクルス・ディップなど瓶詰のものが大半で、棚にきれいに並べられています。確かに北海道のものという意味では、放射能の汚染は気にすることはないものの、ラベルを見ると砂糖や香料・酸味料・調味料・マヨネーズなどが使われているので、買うことはやめました。せっかく北海道の食材のみを使っているなら、もう少し製造過程に気を使えば安心して買うことができるのに残念ですね・・・

スピーチ
カンペ

5月3日。
2日前に満開になった桜も、昨夜からの風に散り始め、葉っぱが出始めています・・・・・ほんとに桜の寿命は短いですね。咲くまでは、今か今かと待ちながら、満開になるとホッとして和み、あっという間に散り始める。また来年を楽しみに待つしかないですね・・・・

アメリカの議会で演説したことが自慢のアベシ。しかし、議会の8割の議員は、アベシが何を言っているか分からなかったようです。日米の首脳会談があったけれど、翌日の米国主要紙の一面にはボルチモアの黒人事件が掲載された。オバマ大統領との共同会見でも、記者の質問はボルチモア問題に集中・・・・・・ほとんど米国メディアのとって眼中にないアベシですね。

アメリカのメディアがアベシを笑いものにしているのは、あんちょこに書かれている内容が子供じみているからだ。大きな英語で書かれたあんちょこの途中に、日本語で書かれている内容を大きく報じたウォールストリートジャーナル。その内容は、原稿に日本語で「顔を上げ、拍手促す」(写真の下から4行目)「次を強く」などまるで中学の英語スピーチ大会のようだと笑っているそうです。

テールライト
テールライト

5月2日。
昨夜、用事があって自転車に乗りました。夜間のためライトを取りつけて、テールライトも取り付けてスウィッチを入れたところ、テールライトが電池切れのようです。考えてみれば、九州の大分に住んでいた頃に買った自転車なので、もうかれこれ10年は過ぎているはず・・・・・当時は、仕事が終わってから食事に行く際に自転車でいろいろな店に行っていました。その関係でライトもテールライトも必需品でした。夜はどうしても食事をしながらお酒を飲んでいたので、車はおいて出かけていました・・・・・・ライトのカバーを外してみると、なんと単5の乾電池が2個入っています。単5とは珍しいですね。早速ホームセンターに行き電池を購入し取り付けました。明るいですね。これで夜も安心かな・・・・・・

桜満開
桜

5月1日。
自宅近くの公園もやっと桜が満開になりました。今の札幌は、桜や梅・チューリップ・水仙・・・・いろいろな花が咲き始めています。気候も良くなり、自転車で動けるようになったので、しばらくは楽しみが続きますね・・・・もう少し暖かくなると、いろいろな所に撮影に行かなければ・・・・

仕事場の近くに住んでいる子供が、今年から小学1年生になっています。今日は一人で帰ってきましたが、マンションの入口で一人で立っています。どうしたのか聞くと鍵を忘れたと言っています。お父さんお母さんが戻るまで待つしかないねと話していると「お母さんが公園で待っているかもしれない」と言います。いつもの道を帰ってこなかったのかを聞くと「違う道を帰ってきた」と言っています。そして子供は公園に・・・・・
仕事が終わってから、気になるので公園に見に行きました。大勢の子供たちがいますが先ほどの子供は見つかりません。家にも戻ってきた様子はありません。少し気になるので、親の会社に電話をしました・・・・・・状況を話すと、父親から「公園で一人でいるところを学校の先生が見つけて保護してくれている」と説明されました。それを聞いて、ちょっと安心・・・・・小さな子供は周りで気を付けてあげねばならないですね。

オバマ大統領 共同記者会見
NHK訂正

4月30日。
アベシがアメリカに行っていますが、オバマ大統領との共同記者会見でその翻訳が話題になっています。
NHKは、オバマ大統領の会見の翻訳を間違ったとして修正しています。ミスとして流した内容は、「沖縄の普天間基地移転について、より柔軟に対応したいと思います・・・」ですが、アベシの希望する「普天間から辺野古へ移転」を匂わせての文言となっています。しかし、その後の修正テロップでは「沖縄に駐留する海兵隊のグアムへの移転を前進させることを確認した。」と訂正されました。

また、ロシアでは日本のマスゴミが報道しない正確な報道をしています。
記者会見


オバマ大統領 沖縄から海兵隊 基地撤去の用意を確認
© AP Photo/ Koji Sasahara
政治
2015年04月29日 16:39(アップデート 2015年04月29日 21:36) 短縮 URL
2607166

米国のオバマ大統領は、米政府が沖縄から海兵隊基地を撤去する用意のある事を確認した。大統領は28日、ホワイトハウスでの日米首脳会談を総括する安倍首相との共同記者会見で、このように述べた。

オバマ大統領は又「会談で合意された日米防衛協力の新しい指針は、地元住民の負担軽減のため、沖縄も含めた地域の米軍基地の移転に関する努力をさらに強めるものだ」と指摘し、さらに「私は、海兵隊員を沖縄からグァムに移転させる問題を前進させるという我々の義務をあらためて確認した」と述べた。

一方安倍首相は、この問題について「住宅や学校のある人口密集地区に位置する普天間基地の危険性を辺野古移設で一日も早く除去する。沖縄の基地負担の軽減を日米の強い信頼関係のもとで進めていく」と強調した。


アベシは世界中どこに行っても、息を吐くように嘘を流し続けますね・・・・・。


桜

4月26日。
札幌は朝から晴れており、近くの公園の桜も咲き始めました。3~4日後が満開でしょうかね・・・・毎年のことですが、桜を見るとなぜか心が和みますね。短い間しか咲きませんが、その色合いと青空を見ているだけで幸せになれます・・・・

夕方にグリーンピースの方から電話がありました。内容は3つあり、「ネオニコチノイド系農薬を使わない」キャンペーンに参加してたので、そのお礼とグリーンピースの活動の説明と最後に寄付のお願いがありました。もともと興味があるので、いろいろと聞いてみました。日本のグリーンピースは現場で活躍している人たちは30人もいないと言っていました。世界規模での活動は2つほどあり、これは世界各国共通で取り組んだいるとのことでした。日本国内では「農業に関する問題」「水産に関する問題」「エネルギーに関する問題」の3分野に取組んでいるようです。

組織的な事を聞くと、理事が二人いて、この二人が日本グリーンピースが取組む課題を決め、現場にいる30人弱の人々が実際に活動に動くようです。その結果を11人の委員の人たちが審査するとのことでした。かなり少ない人数で活動しているようですね。しかもその活動費用は全て寄付によるものだと言っていました。・・・・・政府からも企業からも、資金援助はもらわないとのことです。これが本当だとすると立派な組織ですね。日本の国会議員を10人くらい減らせば年間に20億円位出てくるので、この人たちに回してあげたいくらいですね。いや一人ぶんくらいでも十分に活動を広げられるでしょう。

寄付して応援するのは良いけれど、本当にまともに活動をしているかどうかですね。問題の一つは、効果のある活動かどうかが分からないことです。ロビー活動をしていると言っていましたが、政治屋は票と金が動かないと何にもしない奴らですので、それほど資金の無いグリーンピースの活動を本気でする奴らが出てくるかですね。問題のもう一つは、寄付金のほとんどが活動費に充てられていればいいのですが、一部の人間を豊かにするために使われていないかが分からない・・・・・日本政府でも国民から年金・保険料・各種税金の名目で金を集めておいて、その大半は官僚・政治家に戻る仕組みになっている・・・・・この辺が明確に分からなければ寄付はしにくいですね。でも、本質的にはまともな団体だと思っていますが、確証を得ることが難しいかもしれないですね。

TPPの毒素条項の意味
嘘つき写真

4月24日。
今、TPPの最終詰めに入っていると報道されています。アメリカ議会がまだオバマ大統領に一括承認を与えていない。その権限を与えられない限りアメリカ政府はTPPを確定させることが出来ないので、日本政府も大詰めで揉めている風な雰囲気を流して、さも困難な交渉をしているように見せかけている。ただ裏では全て確定しているのでしょう・・・・

日本のトップ企業のみの利益に執着しているアベシは、どうしてもTPP参加を決めるつもりでしょう。先回の経団連会長の米倉は住友化学の会長なので、モンサントの代理店である関係上、強引に進めたがっているのは分かっていたけれど、他の企業がどうしてそんなにTPPを推し進めるのかが分かりませんでした。でも考えてみるといたって単純でしたね。毒素条項と言われるISD条項は、一企業がその国で商売をするにあたって、その国の法律が邪魔をして利益が出せない場合に、その損害を相手国に対して訴訟を起こすことが出来ます。しかもその訴訟はその国の憲法を頭越しに通り越した別の裁判所で決められます。国内法は無視されます。

これは国民にとって重要な問題です。例えば、アメリカの遺伝子組換え大豆を使った納豆を売ろうとしていたアメリカ企業が、日本国内の納豆には「遺伝子組換え大豆を使っていません」と表示されているために販売不振であった場合、その表示をやめさせ、尚且つ予定の売上が確保できなかった分を日本国に請求できます。基本的に全てアメリカの企業が裁判で勝っています。この時国が払う賠償金は全て国民の税金・・・・

これを企業サイドで考えれば、日本企業が外国に商売に行きうまくいかなければ、相手の国を訴えて賠償金を取ればいい。しかし、自国が訴えられて負けても、企業にはなんら痛手は無く国民の税金で賠償金を払えば済む。こう考えると企業にとって、国民の健康も利益も何ら関係なく、自社の企業の利益のみの損得を考えるだけで済みます。東電が儲けるだけもうけて、いざ事故になると責任はとらず、その支払いは全て国民の税金で賄う・・・・似たような構図ですね・・・・

国民の健康も安全も全く無視のアベシは、企業が儲かるならばどんなこともするつもりのようです・・・・

友達
4月23日。
今月はなぜか4人の友達を探し出しています。最初は大学時代に仲良かった富山の友達を一人見つけたことがスタートでした。私が車好きになった原因は彼でしょう。学生時代のある日、彼が富山に帰るので一緒に来ないかと誘ってくれて、二人でドライブして帰りました。当時の彼はフェアレディのソフトトップに乗っており、その車で千葉からお茶の水を抜け、17号線を通って群馬あたりで18号線に針路を変えて上越に抜け、親不知海岸を通って富山に行きました。その彼の下宿先に遊びに行っていた時に「車って横に走るの知っているか?」という質問がありました。そんな馬鹿な事があるかと答えると、これを読んでみろと渡してくれた本がレースの本でした。その中にはドリフトのことが書かれており、彼が云いたかったことは、この事だなと分かりました。その後、私が購入したのがホンダN360という軽自動車。当時はまだFRの時代でしたが、ホンダが車を生産し始めてFF車を世に出し始めたころでした。FFの面白さ、スピンターンをする面白さ、そしてヒールアンドトウを使ってエンジンパワーを高めに維持しながらコーナーを走り抜ける面白さなど、車に夢中になっていきましたね・・・・・

6月下旬に関西に行く予定なので、そのついでに富山によって彼と会ってこようと思っています。彼とは大学卒業後初めて会うので楽しみですね。先日電話で話したかぎりにおいては、彼の声は昔のままで変わっていない・・・・私の声も変わっていないと言っていましたね。それでも会うと印象が随分と違うのでしょうね。楽しみですね。

大橋巨泉
4月20日。
昨年、アベシが大きなパネルを前に集団的自衛権の必要性を説明していた。パネルには紛争国から脱出のため、日本人を載せたアメリカの船が書かれており、その中でも子供を抱いたお母さんが大きく描かれていた。
「紛争国から逃れようとしているお父さんやお母さん、おじいさんやおばあさん、子どもたち。彼らが乗る米国の船を今私たちは、守ることが出来ないのです」・・・・感情に訴えた方法ですが、現実にはあり得ないことを国民に訴えています。

このことを大橋巨泉氏が週刊現代で、アベシのことに関して次の様に書いてあります。
5月15日、安倍首相は記者会見、集団的自衛権の説明。紙芝居のようなパネル、その内容たるや、「大ウソ」や「スリカエ」に満ち、見ていて気持ちが悪くなった。率直な感想は、「この人は本当に悪い人だな」である。

アベシは口から息を吐くように嘘言い続けている。後ろめたさも恥ずかしさも全くないようですね。しかし、最近の日本の流れを見ていると、まともな人たちが動き始めているような気がします。NHKのなかでもまともな人たちは、正しい情報を流そうと努力している人たちもいる。今は、テレビのマスゴミより週刊誌の方がより分かりやすい記事が多くなってきている。

集団的自衛権についてアメリカの国務省は、避難に関するサイトで次のようなQ&Aを明示しています。
Q:「米国市民でない私の家族や友人はどうなるのか。貴方方は脱出を助けるのか」
A:「危機に於いて我々の優先は米国市民を助けることである。貴方方は米国政府が雇いあげた非商業輸送手段に、米国市民でない友人や家族を連れ込むことを期待すべきではない

アメリカの国務省が明言しています。アベシのパネルは現実あり得ないことなのです。

・ 日本が自滅する日 第1章第3節 管制経済を支える”闇予算”財投

2015-05-16 00:37:41 | 石井紘基


官僚が国会の議決を得ずに使う闇予算・・・・・年金のスタートはもともと積立方式でスタートしており、世代間の人口構成がどのように代ろうとも、決して破たんしない仕組みであった。しかし、1970年代から好き放題に使い始め、最終的に支払いが出来なくなる時は賦課方式にしてしまえ・・・というのが元厚生省年金課長 花沢武夫が考え出した悪知恵ですね。そのことは「厚生年金保険制度回顧録」に書かれています。その後も、集め続けた年金も、「国債買い切りオペ」に使われ何にもなくなっているようです。これじゃ、積立金は無いので賦課方式と言わざるを得ない・・・・完全に詐欺の世界ですね・・・・
以下、阿修羅さんのブログより、刺殺された石井紘基氏の「日本が自滅する日」の第1章第3節を転載します。



第一章 利権財政の御三家―特別会計、財投、補助金


第三節 官制経済を支える“闇予算”財投

 「財投」は「特会」「特殊法人」と不離一体
「特別会計」が“裏予算”であり財政の黒幕であるとすれば、「財政投融資計画」はその裏予算を支える“闇予算〟である。国ぐるみの投資事業(=行政ビジネス)のために大量の資金を供給する“胴元”といってよい。先進諸国には例のない特異な制度であるとともに、日本の“歪み”の根元でもある。

財投は特別会計とともに多くの特殊法人などの官企業と相互に不離一体の関係にあって政官業の一大利権体制の主な資金源となっている。しかも、特別会計と財投は、国家予算であるにもかかわらず、省庁の裁量で動くのが特徴である。

財投の原資となるのは、国民の税金の一部のほか、郵便貯金簡易保険、さらには厚生・国民年金の積立金などである。それら「国民の積立金」はいったん大蔵省の資金運用部(会計上の名称で、そういう組織があるのではない。平成一三年度から財政融資資金に名称が変わった)に繰り入れられる。その資金を社会資本の整備などのために「投融資」するというのが、教科書的な財投の定義である。財投の貸出残高は四一七兆八〇〇〇億円で、年間予算額は約四三兆円(平成一二年度)にのぼる。

過去一〇年ごとの残高をみると、財投が本格的に動き出した昭和五五年度末に九三兆七〇〇〇億円あったものが、平成二年度末で二二八兆三〇〇〇億円、平成一二度未には四一七兆八〇〇〇億円となっている。対前年比で最近の五年間を見ても、平成八年が二一兆円、平成九年が一八兆円、平成一〇年が六兆円、平成二年が一三兆円、それぞれ増加している。この結果、昭和五五年度を一としたときの平成一二年度の指数は四四・六となる。驚異的な伸びである。

財投は、特会と同様に官僚たちにとって魅力的なカネである。一般会計よりも自由に使えるからだ。“有能”な官僚たちは、財務省が所管する一般会計でなく財投や特別会計を「有効利用」しようとする。

参考までに、平成一二年度財政投融資計画を見ると、財投や特殊法人は「郵便事業」「郵便貯金」「国民年金」「簡易保険」「産業投資」「資金運用部」などの特別会計と省庁の権限を介して連動しており、補助金関係団体につながっている。たとえば国有林野事業特会は森林開発公団、都市開発資金融通特会は都市基盤整備公団、空港整備特会は空港公団、電源開発促進対策特会は電源開発、石油・エネルギー特会は石油公団といった具合で、これに財投の資金がからんでいる。さらに一般会計を加えて複雑怪奇な予算操作が行われているのである。


 複雑で無定見なシステム

財政投融資計画」は平成一二年度までは国会にもかけられなかった。一三年度からはじめてその大枠が国会に提出され審議・議決を受けることになった。しかし、財投は投資・運用(公会計と国家財政法になじまない)であるために決して「予算」とはいわない。しかも、実際には長期の投資・運用計画であるにもかかわらず、(当然のことだが)当該年度分しか議決できないという矛盾した姿になっている。

「財投」はきわめて複雑で無定見なシステムである。平成一三年度から国会提出以外にも若干制度が変更されたが、新制度に触れる前に平成一一年度末現在の概要を見ると以下の通りである。「原資(=入り口)」は大きく分けて二つある。一つ目の資金の「入り口」は、政府の「資金運用部」から入るルートである。つまり国民が預けた郵便貯金(二五五兆円)や厚生年金・国民年金の保険料(一四〇兆円)、その他(四八兆円)が、政府の「資金運用部」へ預託される。その「資金運用部」は国債の引き受け等に二五兆円を使い、残りの三二八兆余円が「財投」に入ってくる。

もう一つのルートは、国民の簡易保険積立金(二二兆円)のうち六〇兆円、国民が銀行などに預けた預金等の中から政府保証債を発行するなどして調達した二二兆円、NTTや日本たばこ産業の政府保有株配当金等の資金を運用・管理する「産業投資特別会計」の三兆円、の合計八五兆余円だ。

こうして「財政投融資計画」は、四一四兆円(平成二年度)という、とてつもない国民の金が使える巨大なサイフとなるのである。一九六〇年代以降、ブレーキや安全装置を備えなかったこの制度の下に、国民の金が定期便トラックで運び込まれたのだった。

財政投融資


「使途(=出口)」、つまり「財投」資金の“貸し出し先〟は、「政策目的」の名分で社会資本整備住宅対策地域活性化中小企業対策国際協力などを行う機関である。こうした事業はすべて諸外国では税金でやるか、または民間企業がやっていることである。対象となる機関は地方公共団体、特殊会社、公共事業”関係の九つの特別会計、それに三三の特殊法人である。「財投」 の矛盾に満ちた〝闇会計”ぶりの一部を指摘してみよう。

各年度の財政投融資計画(「予算書」)は、各機関における具体的な金の使途が示されないきわめて抽象的かつ模糊(もこ)としたものである。莫大な国民の金を使う特殊法人特殊会社予算などの財務内容も出されなければ、それらの機関に例外なく巣喰う天下り役員の給与なども公表されない。この国では、それがまかり通っている。

「財投」資金は「政策目的」に使う、ということであるが、これは詭弁(きべん)である。「財投」の当初の目的はきわめて限られた、国民生活に欠かせない基本的社会資本整備としての鉄道や少数の港と空港、国道、電力基盤などでその財政規模もきわめて限定的なものであった。

ところが、とくに一九六〇年前後から「整備法」「開発法」等の他、特殊法人などの「設置法」、予算の「措置法」という具合に次々に新たな“事業〟 のための「政策」が法定化された。

しかも、「政策」は必ずしも国会の議決がなくてもできる。そのため、閣議決定や総理決定、政省令、通達などで無節操に増やし続けた。つまり「政策」も金も“叩けば出せる打ち出の小槌”という事情の下での「政策目的」である。そんな「政策目的」に客観性や正当性があるわけがない。「財投」は「民間でできない大規模で長期の資金調達を要する事業を行う」というタテマエも、無理矢理作られた屈理屈だ。そもそも政治・権力が経済活動に進出せず、市場経済を健全な姿にしていれば、世界一、二の水準にあった日本の企業に大規模な事業ができないわけはない。大規模な経済活動が企業にはできなくて行政ならできるという理屈は、社会主義国でも通用しない

また、大量資金の長期調達も全く同じことだ。市場を離れて行政で行えるビジネスは原理的にあり得ない。「市場に固有の剰余価値である利息をあてにした行政の“投資”活動」とは論理矛盾以外の何ものでもない。げんに年金、郵貯、簡保などのこうした手法での「運用」は無惨な〝失敗”を示していて、一億二七〇〇万国民を底知れぬ将来不安に陥れていることが何よりの証左である。大失敗は決して「バブル」のせいなどではない。「財投」は「民間と競合しない」「民業を圧迫しない」、というのも方便である。これについては「財投」と不離一体の制度である「特別会計」や“公共事業”、特殊法人などとともに別の項で説明しているので、ここでは省略するが、「民間と競合しない」「圧迫しない」というのは逆説的に言えば事実である。

つまり、民間を近づけず、民間につけ入らせることがないからである。はじめから民間の上に君臨し、ひいては“市場”そのものを絶やすことになるという意味では「競合」などあり得ないのである。

「財投」は「運用益で国民の年金や貯金の利息を有利に生み出す」 - これもまた「目的」とされてきた。その結果は「将来、年金は本当に受けられるのか」という懸念を国民に生み、「貯金の利息は一〇〇万円を一年間預けて二〇〇円」にしかならない現実になっている。

それどころか、年金も郵貯も基本的に不良債権化しているのである。このまま行けば、ごく近い将来にも悲劇的事態を迎えることが確実だ。年金や郵貯から「財投」への貸出残高は鰻登りに増えているが、それはすでに“使い込み総額”といっても決して過言ではない状態になっている。

というのも、特殊法人などは、返済相当額を毎年、新たに借り入れる“サラ金地獄”に陥っているからだ。「財投」 の“使い込み”が将来返済される見込みはきわめて薄い
請求書は必ず国民に回される。そのとき「知らなかった」では済まないツケなのである。



 「財投」は市場の“疫病神”

「財投」制度の矛盾が露呈するなかで完全に行き詰まった政府は、平成一三年度から「財投」制度の仕組みを少し変更した。しかしその基本的性格や役割は同じだ。つまり、「資金運用部」という名称がなくなり、かわりに「財政融資資金」となった。これは郵貯や年金が“自主運用”となり、「資金運用部」への義務委託制が廃止されて「財投債」の引き受けに替わったことに伴うものである。「財政融資資金」は郵貯や年金、簡保の資金を直接預かる代わりに、政府保証付きの「財投債」を郵貯、年金、簡保に引き受けさせることになっただけの話である。

政府の「財政融資資金」は従来通り郵貯、年金、簡保等から資金を調達して「財政融資資金特別会計」を運営し、「財政投融資計画」を実施している。郵貯、年金も“自主運用〟になってきたとはいえ、結局はそれぞれの特別会計や特殊法人の年金資金運用基金などで周債や「財投債」を引き受けているのである。

平成一三年度当初計画の財投貸付残高は四四〇兆円、財投計画予算額は三二兆五〇〇〇億円で、平成一二年度決算額の三八兆三〇〇〇億円の一五%減となっている。しかし、減ったのは郵貯、年金などに直接「財投債」を引き受けさせることにしたからに過ぎない。借金の保証人が替わっただけだ。また、特殊法人などの財投機関が“借金” の一部を「財投機関債」という、別のかたちで調達することになったからだ。いずれにしても国民に回されるツケという意味では同じことである。

各々の特殊法人による「財投機関債」の発行は矛盾そのもので、無責任極まりない。この制度導入に当たって政府は「市場原理に則した資金調達方式」などと喧伝してきた。いわんとするところは「ダメなものなら引き受け手がつかないから自然淘汰される」というのだ。これは笑えない話である。

そもそも「市場原理」という言葉はそのように使う言葉ではない。また、国の機関であり莫大な税金を注ぎ込んできて莫大な借金を負っているものを自然淘汰とはどういうことなのか。結局、一方に「財投債」を設けて、「機関債」の引き受け手がないところに対しては「財投債」で郵貯や年金の 「国民の金」を注ぎ込むことになるのではないか。「財投機関債」など現実に引き受け手があるのが、そもそもおかしい (平成一三年度に調達の目途がついたのは必要額の約四〇分の一の一兆円程度)。その理由は次章の 「特殊法人」 の項で述べる通りである。

郵貯、年金、簡保の「国民の金」は「財投債」でますます窮地に立たされ、その上「機関債」にまで手を出そうものなら、いよいよもって特殊法人とともに沈没が目に見えてくる。「財投」は市場にとっての“疫病神〟であり、国全体を抜け出すことのできない底なし沼にはめ込んだ“怪物”なのである。



 国債買い切りオペで長期金利を下げた旧大蔵省の離れ業

ところで、本来なら財投の健全な運用を目指さなければならない旧大蔵省自身が、特殊法人や公共事業への投資以外の面においても、郵貯や年金を破綻に導くような馬鹿げた運用を行ってきた。この間題はあまり追及されていないので、以下に指摘しておこう。

この旧大蔵省の行為は「国債買い切りオペ」と呼ばれるものだ。資金運用部資金を使って国債を買い切ってしまうのである。平成八年六月に開始し、一回一〇〇〇億円ずつ毎月二回、必ず買い切りオペを実施してきた。郵貯・簡保、年金資金を原資とする巨額の資金運用部資金を持っているからこそできる離れ業だった。

そのころすでに、政府が発行する大量の国債は、市場でだぶつき気味だった。国債買い切りオペは、だぶつき気味の国債を買い支え国債価格の下落を防ぐ意味があった。

他方で国の財政政策は、景気対策のかけ声の下で、国債乱発型になろうとしていた。だぶつき気味の国債が市場で売れず、価格が下落するというのは、いわば国の財政政策に対する「市場の批判」である。買い切りオペは、この市場の批判を封じる意味があった。

債券市場の取引の実勢を反映するものとされる長期金利は、指標銘柄の国債の金利で表示される。買い切りオペによって、国債価格は上昇し、長期金利は下がった。旧大蔵省は、資金運用部資金を運用することによって、長期金利の管理まで始めたのである。

旧大蔵省が国債買い切りオペを始めた平成八年六月、日銀は公定歩合を超低金利の〇・五%から引き上げようと動いていた。大蔵省が国債買い切りオペを始めたねらいは、この日銀の動きを「粉砕」することにあったとみられている。

周知の通り公定歩合操作について旧大蔵省は、大きな影響力を持っていた。しかしこのときは「超低金利の解消」が正論であり、それを論駁できない。このため旧大蔵省は「実力」で長期金利を引き下げ、日銀の利上げを阻むという行動に出たのである。

資金運用部資金には預託金利という制度がある。預託金利とは、旧郵政省、旧厚生省が郵貯・簡保や年金を資金運用部に預託するさいの金利だ。その預託金利は、長期金利に連動して決められてきた。大蔵省の主導で利率が決められ、金主であるはずの郵政・厚生両省は、それを了承するだけというのが実態である。

こうしてみると、国債買い切りオペを実施することによって長期金利を引き下げることは、郵貯・簡保、年金資金の運用利回りを下げることに直結している。国債買い切りオペの原資は資金運用部資金であり、つまるところ郵貯・筒保、年金資金である。それを使って郵貯・簡保、年金資金の運用利回りを下げるための操作を行っていたのが旧大蔵省なのである。

平成九年四月四日付『朝日新聞』朝刊経済面に「預託金利最低の二・七%郵貯・年金、統合運用の矛盾拡大」という見出しの記事が掲載されている。詳しくは原文に当たってほしいが、要するに、預託金利が引き下げられて、年利五・五%の運用利息を稼ぎ出さなければならない年金は大変だが、郵貯の場合は黒字になっている、というのがこの記事の主旨である。しかし、郵貯の黒字というのは、単に数字の操作にすぎない。

郵貯資金の中には、平成二、三両年度に呼び込んだ巨額の定額貯金がある。このときの定額貯金の利率は三年以上の場合、年五・八八%だった。半年複利方式で利息がつくため、一〇年間預ければ年平均利回りは、税引き前で七・八五二%になる。定額貯金はこのような高金利を売り物にしてきたのである。

この記事でいう郵貯の黒字というのは、そのときどきに支払った利息しか計上しないという計算方式だから出てくる数字でしかない。この計算方式では、定額貯金の金利は、満期のときに一括計上するのである。つまり、郵貯の主力である定額貯金は、満期を迎えるときまで利息はゼロという条件で計算されているのである。それでは黒字が出ないほうがおかしい。

こんな馬鹿げた計算方式はない。定額貯金の金利は、毎年膨らんでいる分を年ごとに計上しておかなければ、郵貯の運営が健全であるかどうかがわからない。つまり、平成二、三年度に預け入れた定額貯金については、毎年七・八五二%の利息を計上しておかなければ、実態を反映した収支計算にはならないのである。

いずれにせよ巨額の定額貯金が満期を迎えた平成一二、一三両年度には、郵貯は一挙に赤字に転落。つまり政府の国債買い切りオペは、郵貯・簡保、年金をともに犠牲にし、乱発した国債と官制経済の胴元である財投の潰減を回避するという“生けにえ政策”だったのだ。

郵貯・簡保といい、年金といってもいずれも国民のカネである。国民のカネがこんなデタラメな使い方をされている。当面問題になっているのは年金財政であり、支払いの水準がどんどん切り下げられようとしている。少子化の影響でやむをえないようないい方をする専門家もいるが、とんでもない。特殊法人による年金の使い込み運用とともに政府の国債買い切りオペが大きな原因となって年金財政が破綻している。


 郵貯も額面どおりに戻らなくなる日は遠くないだろう

旧大蔵官僚が国債買い切りオペをやった理由はわからないわけではない。すでに書いたように、当時は、国債の値崩れを防ぐことが至上命題であった。銀行業界に多数の天下りを引き受けさせている旧大蔵省は、銀行の守護者でなければならない。そして政府が銀行に大量の国債を引き受けさせていることは、政府と銀行が運命共同体であることを意味している。

最近の数字でいえば、民間の銀行に保有させている国債の総額は七三兆四〇〇〇億円(平成一三年三月現在)にのぼっている。ちなみに生保も二七兆五〇〇〇億円を保有している。平成八年六月の段階で超低金利施策が放棄されたなら(国債価格が急落して)、銀行の経営は大きな困難に直面するという見方があった。旧大蔵省は銀行を守ったともいえる。それは、国債の六割を保有している政府(機関)をも同時に守ったことになる。これも、もとはといえば無責任な借金によるバラ撒き政治の結果である。国債買い切りオペはそうした国を潰す政策と政府を守り、国民を犠牲にしたといえる。

しかし、低金利、金融債和という厳しさを欠いた金融政策が続くと、どの企業もそうした経済環境にどっぷり浸かってしまう。

旧大蔵省による国債買い切りオペは平成一〇年一二月を最後に打ち切られた。一〇年末に相次いで行われた一〇年度第三次補正予算、〓年度予算の編成で、政府は景気対策のため財投をフルに活用した。このため資金運用部資金に余裕がなくなり、打ち切らざるをえなかったのである。


 民間経済の“死”を裏づける超低金利政策

政府・自民党は橋本内閣時代「財政再建最優先」を掲げながらも、巨額の赤字国債を発行した。このため市場では国債価格が下落し、長期金利は上昇に転じた。この事態に直面して政府・自民党から起こったのが、日銀による国債買い切りオペの実施論だった。「長期金利が上がると経済に悪影響を及ぼす。そうした事態を未然に防止するのが日銀の役割だ」というわけである。

中央銀行の国債引き受けというのは、どの国でも戦時経済で行われたパターンであった。戦費調達のため、国は国債を発行する。それを買うのは中央銀行である。こういうことになれば、政府予算は制約がなくなり、糸の切れたタコのように財政の節度が失われ、円の価値が下落する。中央銀行は無限に紙幣を印刷、発行する。すさまじいインフレになり、経済は壊滅状態に陥る。

よく知られたケースが、第一次世界大戦後のドイツであり、第二次世界大戦前後の日本であった。日本ではそういう苦い経験があって、財政法(第五条)により国債の日銀引き受けは禁止されたのだ。

そのため、抜け道としてとられた手段は、いったん市中銀行を通して買うという手法だった。この方法は今でも続けられ、政府の“たれ流し財政”に貢献している。

脆弱(ぜいじゃく)になった日本経済に対して日銀が現実にとったのは「ゼロ金利政策」だった。日銀が自発的にとったというよりも、強いられたといったほうが適切だろう。平成二年二月、短期金利の誘導目標を〇・一五%とし、その後もいっそう低下を促していくと宣言したのである。銀行間取引のコール市場にどんどん資金を流し続けるから、そこからあふれ出た資金は債券市場にも流出する。だから長期金利上昇は防止されるという理屈だった。

この時期、日本の長期金利が上昇したといっても、最高が平成一〇年一二月末の二・〇一%であった。米金融市場は、ブラジル経済への不安とともに資金を安全な投資先とみられる米債券に移し替える動きが活発になって国債相場が急上昇(長期金利は急落)した二年一月二二日でも、五・一二%だった。

つまり日本経済は、二%の長期金利でもやっていけないほど、脆弱なものとなってしまった。その脆弱さは、公定歩合が指標となる短期金利も長期金利もともに低いという「双子の超低金利」が定着することによってもたらされたのである。

もちろん公定歩合の決定権をもつ日銀には責任がある。また、金融政策の全体をとり仕切ったのは旧大蔵省だ。私がいいたいのは(旧大蔵省の肩を持つ訳ではないが)個々の局面における政策判断もさることながら、深層深部の問題として、わが国には「市場」の機能そのものが失われており、またそのことに対する問題意識が決定的に欠落していることである。つまり、資本の拡大再生産がない官制経済の下では、「利息」が生まれるまでに経済は活性化しないのだ。

双子の超低金利政策はいかなる意味を持つだろうか。明白なのは、それがどういう結果をもたらすかわからない生体実験だということである。公定歩合〇・五%などという例は先進国を見渡しても皆無である。中央銀行制度を持っている国では、どんなに探しても見つからないだろう。それどころか、平成一三年九月一九日から、ついに〇・一%になってしまった。

長期金利の歴史的低水準の記録は、最近では第二次大戦中の昭和一六年のアメリカだった。財務省長期証券の金利が1.85%まで下がった。しかし、これは特異現象である。第二次大戦を前にルーズベルト大統領が非常事態を宣言していた時期に起きた例外的な記録である。世界大恐慌に見舞われていた一九三〇年代のアメリカでも、せいぜいのところ二%台後半までの下落だった。

国民経済は、躍動する生き物である。その生体の中を流れるのが金=マネーであり、人体の血液に相当する。そのマネーの流れは、金利によって左右される・・・・。こう考えると、前例のない金利政策をとる(とらざるを得ない)ということは、まさに生体実験なのである。

平成一三年暮れの時点で、公定歩合〇・五%となってから六年を経、国債買い切りオペが実施されてから五年半になる。その間に日本経済は、すっかり「双子の超低金利」というぬるま湯に浸かり切ってしまった。

長期金利、公定歩合とも五%前後という普通の経済環境に戻ることさえできない体質になってしまったのである。民間経済の活力が死んでしまった。これこそ、とどのつまり……官制経済ご臨終の姿である。



・ 日本が自滅する日 第1章第2節 究極の“裏帳簿”特別会計

2015-05-05 11:11:00 | 石井紘基


石井紘基氏が国会議員の持つ調査権を駆使して調べ著書にしたした中の「特別会計」について書かれているものです。国会で承認されるのは一般家計だけで、実態はその4倍ほどの裏帳簿があります。この裏帳簿は官僚が国会の承認なしに好き放題に使えるもので、一般会計の半分以上もこの特別会計に組み入れらています。
昨年、特定秘密保護法案を決め、各省庁が勝手に指定していますが、多くは国家の安全の守るものではなく、官僚・政治屋の都合の悪い実態を調べられないように隠すものでしょう・・・・・あくどいですね。
以下、阿修羅さんのブログより転載します。



日本が自滅する日 殺された石井 紘基 (著)
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第一章 利権財政の御三家―特別会計、財投、補助金

第二節 究極の“裏帳簿”特別会計


 闇の世界で三三〇兆円を動かす特別会計
現在ある特別会計を網羅したのが図表1-7である。特定の事業を行う「事業会計」が一〇、特殊な保険を管理する「保険会計」が十一、特定のものの管理や需給調整を行う「管理会計」が八、など合計三八もある。

このうち、とくに公共事業関係の特別会計に問題が多い。国営土地改良事業特別会計、港湾整備特別会計、空港整備特別会計、道路整備特別会計、治水特別会計の五つが代表的である。

特別会計一覧

これら三八ある特会の予算規模の合計額の推移を図表1-8に示した。いまや年間予算規模は三三六兆円で、一般会計のちょうど四倍である。しかも「一般会計」の過半は特別会計に入ってしまぅのだから、何といっても国の予算の黒幕はまさに「特別会計」なのだ。ということは、わが国の財政制度は国民の福祉のための財政ではなく、憲法に違反する政府の投資事業、すなわち官制経済のための会計が主体となっているといえるのである。

特別会計の予算額


「国の予算」というと一般会計と思われているのが通常で、特別会計(以下、特会と略称)といってもその存在すら意識しない人が大半かもしれない。しかし特会に投入される税は、国民誰もが支払っている。五一兆円を超える一般会計からの繰り入れを別にしても、クルマに乗る人は揮発油(ガソリン)税軽油引取税を、電気を使う人は電源開発促進税を、石油を使う人は石油税等を払う。

図表1-9に示したように、これらを含め九種類の税金は一般会計を素通りして (一部はいったんくぐつてから)特会に入れられる。また、会社に勤める人が納める雇用保険労災保険、さらには国民の年金保険料郵便貯金健康保険電信電話の株式売却益なども特会の財源となる。

特別会計に投入される特定財源


マスコミも特会や財投についてあまり報道しようとしない。政府は「知らしむべからず」で、詳細な内容を示したがらない。マスコミは調査に手間がかかるし、それぞれ複雑な仕組みなので、読者・視聴者に説明しにくい。マスコミが報道しないのにはじつは記者クラブ制も影響している。特別会計の実態を探ることは省庁の権益を傷つけることになり、官僚からの情報に依存している新聞社などにとっては自殺行為にもなりかねないからである。しかし実際には財投や特会、それに特殊法人予算など「隠された大きな財布」を見なければ、税金の使われ方はわからない。

特会が大規模なものになるのには理由がある。特会は財投と同様、基本的に各省庁が予算編成権を持っているので、省庁の自由裁量で事業予算を決めることができる。そのため、特会を持っている省庁は、お手盛りで予算を膨らまそうとするのである。

他方、政治的公共事業や官営ビジネスが増えすぎて、一般会計では到底合理性を貫くことができない規模になっている。そこで国民の監視の目が光っている一般会計については一見もっともらしくカムフラージュし、本体は特別会計に隠蔽(いんぺい)するという形になる。意外に知られていないことだが、国家公務員の五割以上は特会から給与をもらっている。これも一般会計をきれいに見せようというつまらない見栄か、あるいは官僚ビジネスの人件費を公然と一般会計から受け取りにくいので裏帳簿にしたのか。いずれにしても釈然としない。



 逆マネーロンダリング、一般会計予算の大半は特会へ
「マネーロンダリング」とは、麻薬売買など犯罪で儲けた汚いカネをきれいなものに見せかけるための「洗浄」行為をいう。日本の財政では、それと逆のような操作が行われている。税金や社会保険料として集めたお金が「きれいなカネ」であることはいうまでもない。それを使うにあたって、その大半を特別会計という裏帳簿に入れる。つまり税や保険料の大半を、見えない裏帳簿に入れ、「汚染」させて使うのである。

これを平成一一年度の予算でみると、なんと一般会計の七割を特別会計に繰り入れた。一般会計予算は八一兆八六〇〇億円であった。そのうち特別会計を通して使われた五八兆円の内訳は国債償還費二〇兆円、前年度不足分一兆六〇〇〇億円、地方交付金一三兆五〇〇〇億円、公共事業費九兆八〇〇〇億円、社会保障等の補助金一六兆円のうちの一三兆円、などとなっている。

いったん特会のトンネルをくぐった公共事業費、社会保障費などは、大部分が補助金の形で地方公共団体や特殊法人、公益法人などを通して業者へと流れていく。それらの経路はすべてにおいて政治家とつながっており、金の流れは本流から傍流へ、傍流から支流へと消え去っていく。

なお、特会を通らない補助金もあり、これは各省庁から直接に特殊法人、公益法人、業界団体へと配られる。一部は直接業者に行くが、いずれも政治献金と天下りがつきものであることに変わりはない。

以下、いくつかの特会について、実際の運用がどうなっているのかを詳しく見ることにする。特会がいかに利権の温床として重要な役割を果たしているかが明らかとなろう。



 利権の巣窟 - 道路特別会計
道路整備特別会計は、高規格道路と国道・県道など一般道路整備事業を扱うものとされている。財源の中心となるのはガソリン税(揮発油税)である。

道路特会をめぐるカネの流れをまとめたのが図表1-10である。ガソリン税、軽油引取税などの特定財源を四つのルートに分けて、また一つの所に集めるという奇妙な仕組みをとっていることがわかる。

ガソリン税収は年間三兆円弱で、その四分の一が直接、道路特会に入る。残りの四分の三はさらに二ルートに分かれる。いったん一般会計に入れ、そこから道路特会へ入るのが一つ。もう一つは交付税特会に入ってから一般会計経由で道路特会に入る。石油ガス税もガソリン税とは別に二分割で道路特会に入る。さらに軽油引取税、自動車取得税、自動車重量税が道路事業に使われる。NTT株売却益を使った産業投資特別会計からの無利子融資もこの特会に入る。

目的税としてのガソリン税などと道路特会がある限り、道路整備事業は自動的に、無限に続いていく仕組みになっているわけだ。道路特会の予算規模は四兆四七六〇億円だが、中には受託工事や附帯工事費、貸付け・償還といった「通り抜け」経費もあるから、実質規模は約四兆二〇〇〇億円である。この予算はどう使われているのか。

一部は特殊法人である日本道路公団等への出資金、利子補給金に当てられている。高速道路事業を中心とする道路公団とファミリー企業群は利権の巣窟といわれている。他は道路建設費などに支出されるが、地方公共団体を通して回っている金が建設地点でドッキングし、道路事業関係のゼネコンを中心とした業界団体から公益法人、第三セクター、政治団体へと連結している。道路予算全体は、この他に道路公団、地方事業分など併せて年間一三兆円の巨額にのぼる。これが、土建業界と政治家を潤わせる。

誰かが潤っているということは、誰かがその分を負担しているということだが、いうまでもなく、ガソリン税などを納めている国民全員の負担である。この負担は結局、運輸、流通、製造など多くの産業分野にかかってくる。すなわち、これらの産業で使うガソリン代や通行料などが、世界に類例のない高価格のものとして直接国民生活に跳ね返る。他方では、高いガソリンは生計費を押し上げるから、従業員の給与水準も引き上げなければならず、それが物価に反映されるという側面もある。

つまり、ガソリン税を道路の特定財源とするシステムによって、政治屋と官庁の天下りだけが潤い、政治系土木業者が喰いつなぎ、それ以外のすべての産業が犠牲をはらうという構図になっている。これが日本経済全体にとって大きなデメリットになっていることはいうまでもない。

日本が貧しかった時代、確かに基礎的社会資本は生産性の向上に役立った。しかしいまや社会資本も高い水準に達した。とりわけ日本的利権構造の下では、政府が行う社会資本整備はむしろ極端に経済的社会的コストを高進させてしまう。わが国の国土面積当たりの道路延長は、アメリカの一七倍、ドイツの一・七倍である。高規格道路のみで比較すると、ドイツに次いで第二位となっている。日本は国土の三分の二が山地なのだから実質ドイツ以上である。

わが国で道路整備に使われる予算額は、平成一二年度で約一三兆円というべらぼうな数字である。ちなみに一キロあたり建設費の単価は、首都高速道路で一〇〇〇億円、東京湾横断道で九五〇億円となっている。山の中の高速道路でも一〇〇億~二〇〇億である。日本の高速道路は、カネを敷きつめているベルトだといってもいい。



 税金をたれ流す ― 石油特別会計
石油特別会計の正式名称は「石炭並びに石油及びエネルギー需給構造高度化対策特別会計」である。通常石油特会と呼ばれるこの会計は、そもそも昭和四二年に原重油関税を特定財源とする「石炭対策特別会計」として発足した。「石炭対策の緊急性」を旗印に、炭鉱労働者の離職対策を目的とするという看板だったが、同時に石油開発公団(現・石油公団)も設立した。

その後、昭和四七年に「石炭及び石油特別会計」に名称変更し、平成五年の法改正で、現在の名称になった。この間、昭和五三年には財源として石油税を創設、昭和五五年には石油代替エネルギー開発を、平成五年には省エネ対策を、それぞれ目的に追加した。

 石油特会にからむカネの流れを描いたのが図表1-11である。
石油特会


石油税は年間約五〇〇〇億円で、一般会計を経て石油特会に入る。原油、灯油、重油、軽油、ガソリン等にかかる税も、他の特別会計に入る分を除いて石油特会に入る。特会の支出は年間約七五〇〇億円だが、ほとんどが補助金として、公益法人、企業などに流れていく。支出の半額の三六三〇億円が特殊法人である石油公団に与えられるのが、この特会の大きな特徴である。

石油特会と密接に連動する石油公団については第二章第三節で述べるが、石油特会は石油公団の乱脈経理を国民の目から遮蔽するための隠れ蓑(みの)であるだけではない。八〇年代以降、新たに広がった「エネルギー需給構造高度化」や「産業体制整備」などの名目で出している補助金二二五〇億円は四八の公益法人に配られている。大きいところでは、全国石油協会や日本アスファルト協会、日本エルピーガス連合会、日本ガス協会、セメント協会などの業界団体への調査委託費(石油協会は一八〇億円など) がある。

ここで税金を使う目的は、旧通産省と政治家による業界支配である。民間を隷属化させる行政であり、これでは民間産業の活力が死滅してしまう。民間産業は競争の世界であり、競争が活力の源泉なのである。同一業種の企業を集めて業界団体を作り、政官業の仲良しクラブとなって競争を止める。しかも「官」からの補助金に頼って、官に支配される。こんなことでは、日本経済の活力はどんどん失われていく。


 業界支配のための ― 港湾整備特別会計
港湾整備特別会計が扱っている事業額は平成一三年度予算で四五八八億円である。歳入の主なものは、一般会計からの受け入れが三四〇二億円、その他は港湾管理者(地方公共団体など)からの工事費負担金と受益者工事負担金、受託工事費納入金、償還金などとなっている。歳出の主なものは、建設事業費が四一〇四億円で、その他は受託工事費、工事諸費などだ。

国土交通省には港湾局と港湾技術研究所があり、全国に五つの港湾建設局四三の工事事務所開発建設部港湾建設事務所(二〇ヵ所)などが配置されている。港湾局が支配している系列公益法人は社団法人(以下、(社)と略す)日本港湾協会、(社)日本埋立浚渫(しゅんせつ)協会、(社)日本作業船協会など三二団体がある。

さらに、旧運輸省のウォーターフロント事業展開の中でも、関連営利事業のため、無数の行政系列の株式会社が作られてきた(第三章第二節参照)。これらの公益法人を含む行政企業群が政治家への“財布”として、また集票マシンとして重要な地位を占めていることはいうまでもない。

図表1・12 港湾整備特会をめぐるカネの流れ(平成13年度予算) (単位:億円)
港湾整備特会




 壮大なムダ ― 空港整備特別会計
図表1-13は空港整備特会をめぐるカネの動きを描いたものである。特会らしい収入は空港使用料と航空機燃料税の一部で、特会全体の三分の二程度にすぎない。一般会計と財投からのカネを受け入れるためのものという性格が強いのは、すでにみた道路、石油などの特会と共通している。平成三一年度の財政融資資金からの借り入れは五〇二億円で借入残高は九九〇〇億円に膨らんだ。新東京国際空港公団と関西国際空港会社に五一四億円の補助金などを出している。その他の支出は地方にある空港のための補助等である。

この特別会計の中で目立つのは、関西国際空港会社とともに新東京国際空港公団の壮大なムダである。もともと佐藤首相は、茨城県潮来町出身の佐藤派幹部、橋本登美三郎氏(運輸相、自民党幹事長など歴任、ロッキード事件で有罪判決を受ける)に「新しい国際空港を作るから、利根川沿いに候補地を検討しておいてくれ」といっていた。しかし、昭和四三年、佐藤三選の総裁選(当時は党大会で実施)で三木武夫、前尾繁三郎両氏と争うことになり、川島正次郎氏の支持が必要になった。このため新空港を川島氏の選挙区内とすることになったのである。

このことは石原慎太郎氏が著書『国家なる幻影―わが政治への反回想』(文藝春秋)で、橋本氏から直接聞いた話として明らかにしている。それだけでなく、川島氏の当初の構想は成田市の隣の富里町を候補地とするものだったが、それが不可能となったために成田市三里塚になったのである。要するに新空港を利権がらみでしかみない政治家の動きが、成田空港建設の混迷をもたらしたということだ。

成田空港を管理するのは新東京国際空港公団で、空港は昭和五三年に開港したが、いまだに第二滑走路もできず、世界一着陸料が高く都心から遠い空港として有名だ。建設費のうち収入で賄い切れない分の二割を政府が出資金として補助し、残りは借入金として積み上がっている。関西国際空港公団と合わせた二公団の現在の財投からの借入金残高は特会とは別に七三二五億円(平成一二年度末)となっている。

韓国・仁川、中国・上海、香港、タイ・第二バンコク、シンガポール・チャンギ、マレーシア・クアラルンプールなど次々に建設されるアジア諸国の国際ハブ空港化の中で、取り残されたわが国空港の国際的地位と役割を回復するためにも、航空政策の根本的見直しが求められる。



 二重三重の補助金をバラ撒く - 農業経営基盤強化措置特別会計
農業構造改善事業のためには特別会計が利用されている。その一つが農業経営基盤強化措置特別会計だ。これはもともと戦後の農地解放時に設けられたもので、農地解放によって多くの農家が小作人から脱皮し農地の所有者となったため、その経営基盤を強化するのが目的であった。

だから、その役割はとっくに消滅しているはずなのだが、その後は資金貸し付けなどの事業を増やし権益の拡大を行っている。一般会計から一八五億円を受け入れ、農地保有合理化促進対策、農地改良資金貸し付け、就農支援資金貸し付けなどの無利子融資や補助金交付などをやっている。

図表1-14で示すとおり、農地保有合理化促進のために国が出している補助額は平成三一年で一五五億円。都道府県を経由して「(社)農地保有合理化法人」という団体に渡っている。この法人は都道府県に一つずつある農業公社(四七)と市町村の外郭団体である農業公社(二一)をはじめ一部の市町村(七)などが構成員となり、約二六〇〇人の職員を抱えている。これは存在そのものが無駄な団体である。

農業基盤特会


農地改良資金貸し付けのための国の予算は二三三億円。この資金は「生産技術改良」などの名目で機械や設備の導入に貸し付けるもので、都道府県を通して農協系金融機関である「信連」に渡り、そこから個別農協を窓口に借り受け人に渡る。市町村でなく農協にやらせているところがミソだ。

また、地域農業改良普及センターなどという第三セクターも窓口として位置づけられている。無利子貸し付けであるから、この貸し付け業務では収益は生まれない。そのための農協や第三セクターの事務費や人件費として別途莫大な予算が組まれ、支出されている。二重払い三重払いである。このほか(特)農林漁業金融公庫を経由した融資事業(二六九億円)も扱っている。

この特別会計では農水省職員三二一一人分(平成一〇年度)の給与も支払っている。農水省の職員定員は四万二九九〇人であるから、全体の七%余を特別会計で負担していることになる。なぜ一般会計で全体の給与を払わないのか。農水省に説明を求めると、「工事の受益者負担分の中に人件費も組み込まれているので」という。理解不能な説明である。

就農支援資金貸し付けは、新たに農業に就きたいという人を支援するために国が二四億円を出すというふれ込みで始まった。これも都道府県、市町村や「合理化法人」、農協がやっている事業で、国がそれに便乗したかたちだ。国が直接無利子貸し付けを行うことにしたのだが、資金量がたった二四億円と、あまりに少額である。

しかも、その業務は外郭団体にやらせている。地方にある「青年農業者育成基金」や「農業公社」がそれである。これらの団体には別途補助金を出している。

これは、さまざまな名目で補助金を出すという口実の下で、市町村の役所で十分間に合うにもかかわらず、外郭団体にわざわざ仕事をやらせていることにはかならない。都道府県や農協、合理化法人は、これらの団体を「支援」する立場だと位置づけられている。そのための金は別途きちんと支出される。要するに、訳のわからない仕組みを作って、訳のわからないことをやっているのだ。それが利権と政党・政治家の集票・集金に結びついていくのである。




 「仕切り」の世界 - 国営土地改良事業特別会計

農業構造改善事業に関しては、国営土地改良事業特別会計というのもある。これは、一般会計から二七八〇億円を受け入れ、財投から五二五億円を借り入れて、主に国直轄の潅漑排水や干拓事業などの「公共事業」をやっている会計である。借入残高は一兆六七四億円に達している。そのカネの流れを図表1-15に示した。

ちなみに、公共事業には地方がやる公共事業と、国が予算の全額を出す公共事業(直轄事業)とがあるが、地方の公共事業もその内容はほとんど中央省庁が決めている。地方が単独で事業を行う力は自治体に残っていないので、地方もそれに従う。

事実上、地方負担分には国の裏補助もつく。だからすべての公共事業は事実上、国がやっているといっていい。直轄事業の予算は農水省の地方農政局(全国七ヵ所) を通して都道府県に渡る。この過程で、特定のコンサルタント会社に設計を委託し、施工会社も自動的に決まっていく。談合というより、「仕切り」 の世界だ。地域ごとの有力政治家が仕切るのである。当然のことながら、コンサルタント会社や業界・業者からの政治献金がつきものとなっている。

土地改良特会



第一章 第二節 ここまで
 

・ 日本が自滅する日 第1章第1節 誰も知らない日本国の予算

2015-05-03 23:27:37 | 石井紘基


昨年6月に刺殺された元民主党議員であった石井紘基氏の事を知りました。闇の世界から命を狙われるほどの事がなんであるのか興味を持ち、いろいろと情報を探している最中に、石井紘基氏の著書の一部がネット上に出ていることを知りました。
一部で利権のために動いている官僚や政治屋がいるとは感じていても、どのくらいの規模で利権の獲得に夢中になっているかは分かりません。そのことに、国会議員の調査権を活用し、鋭く切り込んでいったのが石井紘基氏ですね。ここまで調べ上げたのはすごい力です。その凄さに命を抹殺しようと影の力が働いたのでしょう・・・・・今回は第1章の第1節を掲載します。
以下、ブログ阿修羅さんより一部を転載します。


日本が自滅する日 殺された石井 紘基 (著)
  投稿者 たけしくん 日時 2009 年 8 月 17 日 11:35:50: IjE7a7tISZsr6
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4569614140/asyuracom-22



第一章 利権財政の御三家 ― 特別会計、財投、補助金

第一節 誰も知らない日本国の予算

 本当の予算額は二六〇兆円
われわれはこの章においては、わが国の政官一体の利権システムを台所で支える財政の仕組みについてみることにしよう。利権システムを財政の面から支えている財政制度は、特別会計と財政投融資計画、そして補助金である。

これを私は「利権財政の御三家」と呼んでいる。政官権力はこの 「御三家」を使って、財政的に特殊法人や認可法人、公益法人を支え、増殖し、天下り、巨大な権力ビジネスを展開する。これこそ経済・財政を根底から犠牲にする国をあげての利権システムの要である。

まず、図表1-1によって、この国の財政をめぐる資金の流れをみておこう。
財政の第一の枠組みは、表の顔である「一般会計」だ。平成一二年度でいえば、税金と借金(国債発行)を主な財源として八五兆円を集める。それを社会保障や公共事業、教育、防衛などに使う。その使い方を別の角度から分類してみると、図のように、特別会計への繰り入れが五一・六兆円で最も多い。補助金等も二一・二兆円に達している。

財政の仕組み

図表1-1 財政の仕組み(資金の流れを中心に:平成12年度) (単位:兆円)


通常、国の予算というと、この一般会計のことをいい、マスコミもこれしか報道しないが、じつは「特別会計」と呼ばれる裏の予算があり、こちらのほうが規模ははるかに大きいのである。特別会計については次節で詳しく説明するが、国が郵政とか道路整備とかといった特定の事業を営む場合や、厚生年金保険のような特定の資金を保有してその運用を行う場合につくることができる、一般会計とは別の会計のことだ。

その特別会計がいま三八もあって、それらの歳入を合計すると三三六・五兆円、歳出を合計すると三一八・七兆円にもなる。ここに入ってくるのは、揮発油(ガソリン)税のような税金もあれば、厚生年金の保険料もある。一般会計の四倍もの規模をもつ、この特別会計こそが”財政の横綱″なのである。

この国の財政にはもう一つ、他の先進国には見られない 「財政投融資」という大きな枠組みがある。詳しくは第三節で説明するが、私たちの郵便貯金や簡易生命保険の保険料、年金の積立金を集めて、それを特殊法人に融資したり、国債や地方債を引き受けたりしている。その規模が平成一二年度の計画段階では四三・七兆円だった。

これら三つについては通常、一般会計を第一の予算とみなし、財政投融資を「第二の予算」ということが多いが、それはことの本質をみていない。規模の点でも、実質的な意味でも、特別会計こそ第一の予算であり、財政投融資はそれに次ぐ第二の予算、一般会計は単なるたてまえ予算といっても過言ではないのだ。

また、これら三つの枠組みの問では、たとえば一般会計から特別会計に資金が繰り入れられたり、財政投融資で調達された資金が特別会計に繰り入れられたり、相互に複雑な資金のやり取りが行われている。そしてその財政資金がさまざまなルートを通って地方自治体に流れたり、特殊法人・公益法人に流れたりし、さらには関連企業に流れて、この国の”管制経済”体制の動脈を形成しているのである。

それではわが国の本当の予算はいくらなのか。これをはじき出すためには「一般会計」と「特別会計」から、複雑極まりない出入りや二重三重の重複部分を除いた数字を算出しなければならない(さらに正確には財政投融資会計との関連においても集計しなければならないが、それは不可能に近いほど複雑であるので、ここではこの関係を捨象する)。

まず平成一二年度の一般会計予算は八五兆円である。
次いで平成一二年度の特別会計の概要をみると、(歳入)の単純合計が三三六・五兆円であり、そのうちの重複分(一般会計、他の特別会計から入ってくる分)は一九二・三兆円である。つまり、重複分を差し引いた総計は一四四・二一兆円である。

これに対して(歳出)は単純合計が三一八・七兆円であり、その内の重複分(一般会計、他の特別会計へ出ていく分)は一四三・三兆円である。つまり、重複分を差し引いた総計は一七五・四兆円となるわけだ。

ここで重複分というのは、歳入であれば、国債整理基金特別会計に一般会計から入る二二兆円や、地方交付税として交付税及び譲与税配付金特別会計に入る一四・九兆円などを指す。歳出であれば、一般会計へ繰り入れられる印紙収入一・二兆円や、重量税〇・八兆円などを指す。

以上の通り、一般会計の歳出が八五兆円、一般会計との重複分を除く特別会計の支出が一七五・四兆円であるから、わが国の歳出における財政規模(=年度予算額) は二六〇・四兆円ということになるのである。



 税収二二年分の借金大国
つぎに、二一世紀初頭におけるわが国の借金について見ていきたい。「平成一三年度末で国と地方を合わせた借金は六六六兆円になる」とよくいわれる。この数字は、旧大蔵省が平成一三年度予算案を編成したときに発表した「国および地方の長期債務残高」に示されている。国債や長期借入金など国の長期債務が五〇六兆円、地方の長期債務が一八八兆円、重複分二八兆円を差し引いて六六六兆円というわけである。

しかし私にいわせれば、この数字は債務を長期に限るなど過小評価である。そこで、財務省、総務省などで把握されているデータに基づいて推計してみた。それによると少なくとも、わが国の借金は六六六兆円などというものではない。実際には一〇〇〇兆円を上回っていると思われるのである。

まず国の借金について、財務省が平成一三年六月二五日に出した「国債および借入金並びに政府保証債務現在高」に示されている数字は図表1-2、他方、総務省が把握している地方債の平成一一年度末の現在高は図表1-3の通りだ。
国債などの債務残高


二つの図表に示された国の借金と地方の借金を合計すると、(若干の時期的ズレはあるが)ざっと七八〇兆円となり、これだけでもすでに六六六兆円をはるかに超えている。 政府の六六六兆円という計算には、特殊法人の借金の一部を保証している「政府保証債務」と恒常的な調達資金である「政府短期証券」、さらに地方の公営企業分の一部を含めていない。

だが、特殊法人の借金残高は、第二章の特殊法人の項でも述ベる通り、年々歳々大幅な増加を続けている。しかも、特殊法人の経営構造はほぼ例外なく赤字体質で、莫大な欠損金を政府補給で埋めている。

さらに、若干の資産はあるものの、それらは売却しても今日までの政府出資金にも到底満たないことと合わせて、現実には行政による社会資本整備部門の資産評価は論外というべきであるから、現在、特殊法人(認可法人も同様)が抱えている借金は事実上、国の借金なのである。特殊法人と認可法人が積み上げてきた借金残高は、財投からの二五七・三兆円を含め計三四四兆円である。

なお、特殊法人の借金のうちの一部は「政府保証債務」に計上されており重複するので、この分は特殊法人の借金から除く。また、「政府短期証券」は外貨資金証券や食糧証券などの資金繰りに使うお金であるが、恒常的にある借金である。

これらの借金のほかに、一般会計と交付税特会のやりとりの中に隠れた借金がある。財務省の試算では五兆円前後ということだ。 以上、わが国の長期・短期の借金総額ははっきりしているだけでも一〇六六兆円超となるのである。これは国税収入の二二年分に相当する。

中には、この借金の一部に見合う資産があるので、借金は実際には、もっと少ないかのごとく吹聴する向きもある。しかし、それは後述するようにまやかしであり、正真正銘、わが国は一〇〇〇兆円以上のマイナス勘定である。

また、約一四〇〇兆円の個人金融資産(国民の預貯金等)があるではないか、とする見方もあるが、これは国のものではなく国民のものである。しかも、この数字には、国民が将来受けるはずの社会保険給付分なども含まれている。さらには住宅ローンなどの負債もあるのだから、実質的な個人金融資産はこの半分程度しかないのである。

わが国の財政が想像を超える恐るべき事態に直面していることは、国債の状況を見ればさらに明らかである。平成二一年度に返済しなければならなかった「国債償還額」は五七兆七五七九億円で、じっに、当年度の税収入を一〇兆円も上回っている。

なぜ収入以上の借金返済をクリアできるのかといえば、借金返済のための借金に併せて返済繰り延べのための借金操作もしているからにはかならない。五七兆七五七九億円の国債償還額のうち、五三兆二六九七億円は借替債の発行によって返済が先送りされているのである。それに上乗せして新たな国債発行による借金の積み増しも行われている。政府は、三四兆五九八〇億円の新規国債発行を行った。一方、国債整理基金特別会計に入れられた国債費は二一兆九六五三億円。このうち九兆九〇〇〇億余円が償還に、一〇兆余円が利払いに、残りが手数料などにあてられた。一日当たりの利息等は三〇〇億円超となる。借金返済のための借金、そして新たな借金である。

ところが、「借金のための借金」 のほうは特別会計という襖の奥で操作され、目立たないようになっている。



 自分の借金を自分が引き受ける自家撞着国家
日本政府の国債発行残高は、世界に類例を見ない四四〇兆円(平成一三年度末、図表1-4)という巨額に達している。しかもその過半は発行者である政府自身の関係機関が所有しているという恐るべき実態だ。

日銀の資金循環統計(図表1-5) によると、国債の時価総額は四二四兆円であり、そのうち政府機関財政融資資金(特別会計、以下特会と略す)が、七六・六兆円郵貯や簡保(特会)が六一・三兆円、(国家機関である)日銀六〇・七兆円その他で計二一四兆円を保有している。全体の五〇・五%である。つまり、国債発行残高の半分以上は、じつは国自身がかかえているのである。

国債


さらにこの統計では、事実上の政府機関である農林中金が所有する国債(七兆五七三七億円)は、「市中金融機関」に分類されていると思われる。同様に特殊法人(以下(特)と略称)年金資金運用基金、(特)簡易保険福祉事業団など四二の特殊法人が財投資金で運用委託している分(約一八兆三九〇〇億円、図表1-6参照)は、「証券投資信託」や「証券会社」などの分類に含まれているはずである。

国債を保有している特殊法人


そうだとすれば、国の機関の保有高は、さらに(特殊法人と農林中金の保有分を合せて)約二六兆円も増える。したがって、実質政府関係機関の保有高は二四〇兆円、五六・六%になる(国債総額の数字に、財務省の資料と日銀統計で相違があるのは、財務省は発行残高、すなわち簿価で、日銀の数字は時価評価額となっているからである。ちなみに、財務省資料はあくまで発行残高を表したものである。たとえば、「財政融資資金」の四三・九兆円は発行した金額であり、同じく「財政融資資金」であっても日銀統計の七六・六兆円は、財政融資資金特別会計が保有している国債額である)。

一方、民間が保有する国債においても、銀行や証券会社のものは、必ずしも自主的な市場原理による保有とはいえない。旧大蔵省の強い指導・監督下にあり、その子会社といわれた市中銀行や証券会社は、国債を買ったのではなく、否応なく割り当てられたといってよい。

このようにわが国は、際限のない借金財政の結果、市場の許容範囲と返済能力をはるかに超える、とてつもない規模の借金の証文を出し続けたため、自分で自分の足を食わなければならない事態に陥った。いまや足から胴体へ、胴体から心臓へ、自分の口が伸びている。心臓に触れるのをむりやり緊急避難したのが日銀の国債買い切りオペ (本章第三節) であった。しかし、もはや、そうした問題先送りの悪循環も限界にきた。

わが国の、洪水のように溢れ出した国債は、定まらない構造改革によって、日本列島を倒壊の危機にさらしている。国債の暴落ももはや一触即発の段階に入ったといってよい。国債の暴落によって長期金利が急上昇すれば、市場が失われた官制経済国家日本は、ひとたまりもなく経済恐慌に直面してしまう。この日本崩落を防ぐ道は、意を決した、正しい構造改革、すなわち市場経済革命しかないのだ。


 この国のバランスシートはできない
大蔵省(現・財務省)は政府の指示に従って平成一二年一〇月一〇日、「国の貸借対照表(試案)」なるものを発表した。これによると、公的年金を除く負債の合計は六三八兆円であるのに対し、資産総額は六五八兆円となっている (公的年金については、三通りの試算を示しているが、ここではそのうちの「案一」によって、公的年金が一五三兆円の預かり金をもっているとした)。

これを見る限りにおいては、資産が負債を上回り、バランスしているように見えるが、この「バランスシート」には大きな問題点がある。

第一に「資産」評価にどれほどの意味があるかという点である。まず、貸付金(二六八兆円)と投資等(三九兆円) の大半は、資金運用部、郵貯、年金などの財政投融資から出ている特殊法人や地方公共団体、公益法人に対するものである。これら貸付金や出資金の大部分は実際にはすでに消えてしまっているものが多く、とても簿価によって資産に計上できる性質のものではない。

またそれ以前に、特殊法人、公益法人については本質的に行政との関係があいまいであるため「国のバランスシート」に載ってこないという問題がある。他方、特殊法人等の財務、経営実態に手を伸ばせば、それが基本的に投資による収益事業であるがゆえに、国の財務の範囲を逸脱することにもなるという矛盾を含んでいる。このため「バランスシート」に載せられないのである。

あるいは、道路や国有林、建造物、土地、公共設備等についても売却できないものを資産といえるのか。建設費や投下予算額をもって資産価値とすることに意味があるだろうか。むしろ国民の目をあざむくものである。基本的に営利事業ではなく清算を前提としない国の財務に関して「資産」を計上することはばかげている。

わが国には外国に売却できそうな地下埋蔵資源のようなものは、きわめて少ないうえ、人的資源や技術などは国家が自由にできる財産ではない。ましてや、個人の金融資産などをあてにするなどは論外である。つまり、わが国の貸借対照表には貸方(資産)はほぼないといってよいのである。借金の額がそのまま国の資産状況を表し、国民の負担の重さを表すのである。

第二に、国の負債に関しての問題である。「バランスシート」では国の債務を(公的年金分を除いて)六三八兆円としている。しかしこれには、特殊法人等の借金の他に地方公共団体の借り入れが含まれていない。地方公共団体が財政破綻に直面した場合には再建団体として国の財務管理に移行する建て前から、地方の債務を国の借金にカウントすべきである。

特殊法人についても行政上の法人である以上、破綻に際して基本的に私的責任を追及することはできない。したがって、特殊法人等の借金も当然に国の借金である。しかも、繰り返し述べているように、この借金は返済がほぼ不可能なものである。


 「企業会計」の導入と「長期予算論」は危険
第三に、国の会計のあり方の問題である。そもそもわが国政府は憲法違反を犯し、法律に反した財政運営を行っている。憲法第八三条は「国の財政を処理する権限は国会の議決に基いて、これを行使しなければならない」と謳っている。

しかし、国の一般会計予算から特別会計、特殊法人などへ年間約三〇兆円も投資されており、この財務については現実には国会の与(あずか)り知らぬところとなっている。特別会計における〝公共事業″などの事業予算・箇所付けについても国会を素通りして決定されているのである。一方、財政法第二条は、国の会計についてその 「現金主義」を定めており、企業会計における「発生主義」と明確に異なる概念に立っている。つまり、営利を目的とする企業会計においては、期間損益計算を行うため「発生主義」がとられているのに対し、国の予算・決算は損益計算を目的とするものではないから「現金主義」となっているわけである。併せて憲法第八六条と財政法二条は予算・決算の単年度主義を定めている。

そもそも国の予算とは、税収の範囲内ですべての国民に「健康で文化的な最低限度の生活」を保障し、「社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進」 (憲法第二五条) のための配分を行うものであって、税収を収益事業に投下することを目的とするものではない。国には費用と収益の対応関係は基本的にあり得ないので、企業会計の原則で費用を把握することは不可能である
と同時に、誤りなのである。

したがって、旧大蔵省がいうように「国において企業会計と同様に損益計算を行う場合には、本来伝達されるべき会計情報が伝達されない、あるいは歪められた形で提供される」 (「国の貸借対照表」)ということになる。旧大蔵省がいいたいのは、わが国の財政は、現実には特別会計や財政投融資で多くが動いているにもかかわらず、国の損益計算では、それが出てこないのだから
「バランスシート」は矛盾なのだ、ということである。

この指摘は正しい。憲法や財政法は、資本主義に立脚し、国には投資・収益事業を予定していないのだから、企業会計のようなバランスシートを作ったところで意味をなさないのである。

最近国会の審議などで 「企業会計」を導入すべきだとか、予算の単年度主義を改めるべきだといった議論が増えている。また、「行政評価法」も俎上(そじょう)に昇り“公共事業”を含めた事業評価を行うという傾向が強まっている。政府の投資活動としての公共事業が常態化したからだ。

これらの動きは公共事業のあり方とともに行政の原則を踏みはずすものであり、断固排斥されなければならない。むしろ反対に行政による投資活動としての “事業” や開発をなくし、行政事務を基本とする財政に戻ることこそ必要なのである。



 決算せずに予算を組む国
わが国では、税金の使い方や配分には血道を上げるが、その金がどう使われたか、つまり、決算にはほとんど無関心である。すなわち、わが国の決算は二一世紀になったというのにまだ平成九年度までしか行われていない。平成一〇年度分の委員会審議は、ついに平成一四年に持ち越しというありさまなのだ。つまり決算がなくても予算が組める、決算の結果が予算に影響を及ぼさない国会では四年前の決算が行われなくても何ら不都合はない(!)、というのがわが国の現状なのである。

また、わが国には一応、会計検査院という機関がある。補助金や交付金など国の予算が不正に使われていないかを検査する建て前だが、実際には使い途を決める各省庁に対してほとんど口出しできない足し算引き算の間違いや水増し支出などを捜し出す程度で、幾多の議員の“口利き”や利権による不正支出や無駄な“政策”をチェックする力はない。強制権限もなく、比較的細かな不正を「指摘事項」などとして公表するのみだ。

これには財政や法律、政策を各省庁が所管し、権限も握っているという要因がある。予算の多くは省庁が持つ特別会計、事業法、事業認可などの権限に基づいて“合法的”に執行されるため、問題があっても、その限りでは不適正といえないのである。

また、九〇〇人程度の調査官では、調査対象の補助金交付団体等が七万団体近くあるのだから、とうてい十分な検査もできるわけがないうえ、族議員が群がる他省庁に比して補助金の配分先を持たない会計検査院には利権の手がかりもなく、わが国政界から見向きもされない存在なのだ。私が仲間に呼びかけて「国民会計検査院」を設立したゆえんである。

企業経理では、こんな監査制度はありえない。企業では監査役による監査が義務づけられており、監査役がなれ合いの監査ですませていると背任に問われることも珍しくない。国税庁などの監視の目も光っている。経理上の不正や不当支出が見つかれば、すぐにフィードバックして、その不正の芽を摘むというのが、企業経理の原則だろう。

国の決算がお座なりにされている理由はただ一つ、税金の本当の使途を国民に知らせることができないからなのである。ご承知のように、予算委員会ではもっぱら政策論議やスキャンダル追及が主で、予算そのものについての具体的な議論は少ない

これにはさまざまな要因があるが、根本はわが国の財政制度に問題があるのだ。わが国の財政制度は行政権力による“事業”展開の体系として各省庁が所管する「特別会計」を軸に構成される。その中で歳出については大半が「補助金」 であり、それは行政権限による配分の形で決められる。

年間予算二六〇兆円のうち「一般予算」として提出されるのは八〇兆円余であり、それも大半は「特別会計」に繰り入れられ、省庁による箇所付けに付されるため、予算は事実上、決して憲法の定めるように国会で決められているとはいえないのである。国会で決めるのは単に抽象的な「予算」 に過ぎない。「予算」支出の中身は省庁(官僚) が与党の指示や族議員の意向などを考慮して決めるのである。

この節で示したようなわが国の全体予算の総額については、私が指摘するまで国会で議論されたことはなかった。国の主たる予算に浮上した「特別会計」についても、その実態については語られたことすらほとんどないのである。もっぱら予算といえば「一般会計」で論議されてきた。 しかし、「一般会計」はまさに“大本営発表”以外の何ものでもなく、実際の国の会計とはまったく異なるものである。

このような“カモフラージュ (迷彩)”された 「一般会計」を重要な予算として示すのは国民に対する欺瞞(ぎまん)であるし、これを真に受ける議員も議員である。

なんと、わが国の国会やマスコミ、学会のほとんどがこの“大本営発表”にマインドコントロールされてきたのである。このように、わが国では予算の実態がわからない仕組みであることが、予算委員会をはじめとする国会の議論で予算審議が空回りしている原因の一つである。


第一章 第一節 ここまで

 

・ 安倍首相の“赤っ恥”訪米

2015-05-03 00:42:12 | アベシ政府


アメリカの議会で演説をするのは日本の首相としてはアベシが初めて・・・・・しかし、それは形だけのことのようです。決してアメリカ政府が、わざわざ準備をしてくれたものでは無く、単に議会からの要請であって、その演説内容についてはアメリカ政府よりくぎを刺されているようです。以下日刊ゲンダイより転載します。



安倍首相の“赤っ恥”訪米…演説には注文、国賓級も形だけ
2015年4月29日

ハーバード大で講演


オバマ大統領との日米首脳会談を終えた安倍首相は日本時間の30日夜、上下両院合同会議で演説を行う。日本の首相が合同会議で演説するのは初めてとあって、鼻高々らしいが、ちょっと待ってほしい。この演説を巡っては米高官が中身に注文を付けるなど、「内政干渉か」という騒ぎになっている。安倍首相が舞い上がっている演説で浮き彫りになったのは、安倍首相の危うさと情けなさだ

安倍官邸は今度の訪米と議会演説に並々ならぬパワーを注いできた。イスラム国による人質事件で注目を集めたイスラエル国旗と日の丸に挟まれて行った記者会見も、「イスラエルに恩を売り、米国議会におけるユダヤロビーに議会演説を後押ししてもらうための布石だったんじゃないか」(国際政治筋)なんて見方もあるほどだ。で、合同会議での演説が決まり、安倍官邸は得意満面だったのだが、そこからが誤算続きだ。米国から演説の中身について、注文が相次いだ

スピーチライターの谷口智彦・内閣官房参与が訪米し、駐米大使と一緒になって、根回しに奔走することになったという。アジア・アフリカ会議での演説も“予行演習”の位置づけで、米の反応などを見て、本番は最終調整するというから大変だ。

そこにもってきて、24日にはローズ米大統領副補佐官が訪米前の記者会見で、「米国は安倍首相に歴史問題に建設的に取り組み、地域でよい関係をはぐくんで緊張を和らげるように働きかける」と踏み込んだ。

首相の訪米直前に米政府高官がこうして釘を刺すのは極めて異例のことで、在米の日本人ジャーナリストは「ここまで安倍政権がナメられているとは思わなかった」と驚いていた。早大客員教授の春名幹男氏はこう言った。

「米国がいかに安倍首相に不信感を抱いているかがわかりますね。議会演説は議会の招待なので、行政府は直接関与できず、何を言うかとヒヤヒヤしているところがあるのでしょう。韓国を刺激するようなことを言われたら、米国議会の場を利用されたことになり、メンツがつぶれてしまう。それで、ますます警戒しているのだと思います。安倍首相の訪米は国賓級待遇ということになっていますが、オバマ大統領と顔を合わせるのは首脳会談と晩餐会だけ。議会演説という場は与えるものの、厚遇は形だけであるのがわかります

 恥をかきに訪米しているようなものだ

・ <社説>砂上の日米同盟

2015-05-02 01:17:39 | アベシ政府


何でもかんでも嘘で固めるアベシ! アメリカのオバマ大統領との共同記者会見でも、アベシに都合の良い解釈を日本国民に流しています。これを追及出来ない野党もだらしないですね。琉球新聞の社説に「砂上の日米同盟」が書かれています。いか転載します。




<社説>砂上の日米同盟 人権と民主主義の無視だ 敵意に囲まれ持続は不可能
2015年4月30日

日米同盟強化をうたえばうたうほど、よって立つ基盤のもろさが目立つ。まさに砂上の楼閣だ。
安倍晋三首相がオバマ米大統領と会談し、「日米同盟は格段に強化されている」と述べた。米軍普天間飛行場の辺野古移設について、翁長雄志知事の反対は伝えたというが、「辺野古移設を唯一の解決策とする立場は揺るぎない」とも強調した。沖縄の民意など無視するという宣言に等しい。だが沖縄の反対こそ「揺るぎない」ものだ。民意を顧みぬ政府への憤りは臨界点に達しつつある。強い敵意に囲まれた基地が機能できるのか。両政府はその脆弱(ぜいじゃく)な基盤をこそ直視すべきだ。


言葉と逆の現実
それにしても奇妙な光景だった。両首脳の交わす言葉の一つ一つが、見事なほど言葉とは裏腹の現実を照らし出していた。安倍首相は「自由、民主主義、人権、法の支配など基本的価値の上に立つ日米同盟」と口にした。だが辺野古をめぐる現実はどうか。つい先日まで漁師が自由に航行できた海は突然、法的根拠もあやしい「臨時制限区域」なるものが設けられ、民間人は閉め出された。キャンプ・シュワブのゲート前では昨日まで歩けた範囲に突然、線が引かれ、一歩でも足を入れた途端、後ろ手に拘束する。航行や歩行の「自由」はあっけなく奪われたのである。

名護市長選でも知事選、衆院選でも辺野古移設の推進・容認派は全敗し、反対派は完勝した。にもかかわらず移設工事を強行しようとする政府は、「沖縄には民主主義を適用しない」のであろう。  例えば他の地域で知事や市長が反対する中、原発建設を強行できるだろうか。他府県では到底できない行為を沖縄に対してだけなすのは、差別と呼ぶほかない。

新基地を建設するか否か、沖縄には口出しできないとする態度は、沖縄の人々には自分の土地の将来を決める権利もないということである。これで「民主主義、人権など基本的価値の上に立つ」などと、よく言えたものだ。「法の支配」とは、処罰するか否か、統治者や権力者が恣意(しい)的に左右できない公平性を意味する。だが辺野古では前述のように「制限区域」なる勝手な線引きも政府の思うがままである。サンゴの破壊が明らかでも、環境保護を所管する県の立ち入り調査は認めないが、工事の船は自由に往来する。このどこが「法の支配」なのか。皮肉なものである。


「唯一」は日本だけ
ただ、共同記者会見の内容は注意深く見た方がいい。日本政府は「辺野古移設推進で両首脳が合意した」と盛んに宣伝するが、オバマ氏は「辺野古」の単語を発しておらず、「在沖海兵隊のグアム移転を進める」と述べただけだ。米側が辺野古を最上と考えているかどうかは分からない。「唯一」と叫ぶのは日本側だけである

首脳会談でオバマ氏が尖閣を「日米安保条約5条の適用対象」と述べた点も誤った解釈が横行している。まるで尖閣のために米軍が中国と戦争するかのように言いなす人がいるが、幻想だ。  第5条は両国がそれぞれ自国の憲法の手続きに従うとうたう。米国憲法は「戦争宣言」の権限は米議会にあると定める。開戦するか否か議会が決めるのだ。5条を適用するというのは「議会に諮る」という意味にすぎない。そして、東シナ海の無人の岩のために米国の若者が血を流していい、と議会が考えるはずはないのである。

翁長知事が緊急会見し、首相が辺野古移設の意思を示したことに「遺憾だ」と述べたのは当然だ。辺野古という「固定観念」から一歩も出ようとしない政府の態度はまさに「政治の堕落」である。 知事は訪米して米国世論に訴える考えも示した。賛成だ。日本政府の頑迷固陋(がんめいころう)は病的だが、知事の言う通り米国は「いろんな考えを吸収しながら意思決定をする」からだ。繰り返し訴えるほかない。