通り魔 人間の心を失った犯人

2008年06月10日 | Weblog
大変ショックでした。わが遠妙寺でつつがなく開導会がつとまった今月8日、すぐ近くのアキバで7人が殺害されたのです。
池田小で子どもたちが刺殺されて7年。まさに災難は忘れた頃にやってきます。
池袋の東急ハンズ前でも以前、通り魔事件がありました。
ずっと以前起こった通り魔殺人事件で鮮明に覚えているのが深川通り魔殺人です。
あの事件は、テレビドラマ化されましたが、あの頃がこんな時代になった分岐点だと私は思っています。
あれは1981年(昭和56年)6月のことでした。その頃までは、日本と欧米の事件は少し、違いがあり、どこか日本人には、これ以上できないという所があったように思います。同じ殺人事件でも異質なものを感じました。今は、まったく無差別に、手当たり次第に殺すことが当たり前になってしまいました。
今回も無差別な通り魔殺人事件です。派遣社員、加藤智大(ともひろ)容疑者(25)が、トラックに乗り、赤信号で交差点に突っ込み3人をはねたこと。また、両手にナイフをかざし、通行人を一突きで刺し殺し、計画通り被害者達を襲っていたことが報道されています。
法華経の教えから天台大師(538~597)や日蓮聖人(1222~82)は十界互具(じゅっかいごぐ)という事を強調されています。
つまり、どんな人間にも十種の世界を内在しています。下から地獄(いかりの世界)、餓鬼(貪欲、欲望の世界)、畜生(因果の道理を信じないおろかな者の世界)、修羅(闘争の世界)、人間界(私たちの世界)、声聞(しょうもん、おしゃかさまの直弟子の流れ、悟りをめざす人々の世界)、縁覚(自然界の観察などして因果の道理を悟る人の世界)、菩薩(自己の悟りを求めず、人を専ら巣くうことを念願する人たちの世界)、佛(大きな慈悲心を持っている超人的存在者の世界)が、その十界です。また、それぞれの世界・・たとえば動物など畜生界の存在にも十種の心が内在されているというのです。
人間でも、このような残虐非道の行為をなす人の心には、もはや人間性、人間の心がなく、地獄や修羅の心でいっぱいになっていたのでしょう。
日本人はかつて、やさしく、思いやりがあり、慎ましかったといいます。
それが、急速に変化して、心を失っている例が多々あります。
根本的欠陥は、日本人が宗教を知り、選び、実践するすべも何もないので、このような人が出てくるのだと思います。または、宗教の価値を認めようとしないから、このような痛ましい事件が起こってくるのだと思います。
無規範の国、日本。無宗教の国、日本。世界中の誰もがそっぽを実は向いていることを認識する必要があるのではないでしょうか。

コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする