昨日は開導日扇聖人の御大会(おだいえ)があり、多数の教務方とご信者にお参りいただきました。本来、梅雨のさなか、雨でもおかしくなかったのですが、好天のうちにおつとめすることができました。本当に感謝しています。
御会式(おえしき)という言葉は分かる人がいます。御会式は日蓮聖人が亡くなられた10月13日前後に行われ、そのお徳をたたえ感謝する法会に限って使われる言葉です。開導日扇聖人の場合は御正当会(ごしょうとうえ)とか、御大会(おだいえ)というのが正しいのですが、分かりやすいよう夏の御会式といっています。
開導日扇聖人は1817年に誕生され、32歳の時に得度、41歳の時に本門佛立宗の前身、佛立講を法華宗の中に開かれ、74歳でご遷化(せんげ・・亡くなること)されました。(画像はご自筆による得度の日の様子)
その功績は仏教史上で見ますと色々あります。
第一に儀式執行のための家の宗教を近代的自我に目覚めた個人も重んじる宗教へと変容されたことです。
次に、そればかりでなく、信徒を組織化して社会に対して情報を発信しうる集団とされたことです。(しかもこの本門佛立講は土地や財産、あるいは信徒の商売や金銭、そして経済的な結びつき、あるいは政治的な目的や実利を介しての結びつきではなく、純粋な信仰を媒介とする結びつきです)
第三に、それまで寺院内に閉じこめられた説法、信仰を一般家庭の場に解放されたことなどです。これは要するに御講という制度を創設して、信徒宅で礼拝、修行、御法門(説法)を聴かせ、大勢の信徒を教導されるようになったということです。
いま、遠妙寺では主に青年会の人が中心となって御会式をプロデュースすることになり、ただ話だけでなく映像や音楽などを交えて仏教の教えが参詣者の心に入っていくよう工夫をしています。一度、ぜひお参りください。