どっと屋Mの續・鼓腹撃壌

引き続き⋯フリーCG屋のショーモナイ日常(笑)

新聞記者、鑑賞

2019年07月07日 20時15分00秒 | 映画
午前中の「日本のいちばん長い日」に続けて、立川シネマシティ・kスタジオにて。

客入りは半分埋まるかどうか、やはり中高年層が大半ですが、「日本のいちばん長い日」に比して女性多め...主演が松坂桃李さんってのもあるかな(^_^;

作品はテーマ性からして想像していましたが、終始重く暗い空気感が漂い、女性新聞記者・吉岡エリカが首をすくめ猫背なのもあって、こちらも肩こってしまう感じで(^_^;

ストーリーとしては、外務省から内閣情報調査室(内調)に出向している若きエリート官僚が、自分の職務に疑問を持ち、可愛がってくれていた元上司の死をキッカケとして、関連する事件を追っていた新聞記者に協力して...というものです。

官僚の世界は同調迎合すれば幸せな人生が約束されるけど、反面シガラミだらけで、自分の役割とウエからの命令に疑問を持ち、一歩踏み間違えばたちまちにして立場は危うくなり、八方ふさがりとなってしまう。

権力の中枢に近ければ近いほど、その度合いは高まり、松阪さん演じる若き官僚はそのジレンマに翻弄されていく...。

内調の実態も謎な組織ですし、やっていることも想像の域を出ませんけれど、戦前の治安維持法と特高警察が直接的行動で不都合な人物を抹殺していったとすれば、戦後のやり方として間接的に真綿で首しめるように世論やマスコミを操作して...ってのは然もありなんって感じですよね(^_^;

普段ニュースで、見聞きしているのが元になっているなぁという事件が作中で繰り広げられますが...これを一つの映画作品としてまとめ、世に問うのは非常に意義あることだと思います。

ラストは...その決意がどうなるのか不鮮明な形で終わりますが、それもありかなと思うし、鑑賞者の想像にお任せという形も好きなので良かったかなと。結果がどっちに転んでもどこか嘘くさい感じになっちゃうしね(^_^;

女性新聞記者・吉岡エリカ役のシム・ウンギョンさんがとても良かった。日本語ネイティブではないようですが、頑張って特訓したんでしょうね!その努力と強い意志が画面からビンビン伝わってきました(^_^)

元上司役の高橋和也さん、後で気づいたんだけど、この人ってアイドルグループ・男闘呼組のメンバーだったんですよね!完全にアイドル臭さが消えシブイ俳優になっていて驚きました(^_^;

主演の松阪さんも素晴らしい演技を見せてくれたし、このような難しいテーマによく取り組んだと思います。リメイク版「日本のいちばん長い日」で宮城事件を引き起こす若きエリート軍人・畑中少佐を頑張って演じていたのも思い出しました。

そんな感じで、日本人の組織論をいろいろと考えさせられる2本の鑑賞、とても有意義でしたね(^_^)