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どっと屋Mの續・鼓腹撃壌

引き続き⋯フリーCG屋のショーモナイ日常(笑)

武士の一分鑑賞

2007年07月08日 14時54分34秒 | DVD・Blu-ray
山田洋次監督の時代劇三部作は全て観たことになりますが、どれも一定レベル以上の満足感が得られ安心して観ることができます。今回も主演のキムタクに微妙な抵抗感(^_^;があったものの、なかなかの演技をしてましたね。夫婦の機微も時に頬笑ましく、時に緊迫感をもって、決して大袈裟にならない控えめで抑えた演技で、イヤミも感じません。

なかでも中間役の笹野高史さんが良い味を出していて、緊張しがちな物語に和みというか、緩衝材的な役割を果たしています。山田監督作の前二作も中間は面白い味付けとして出していましたが、今回のは一層際立っています。

とにかく山田監督の背景描写の細やかさには感動させられます(^_^) 武士の所帯・生活感が非常に良く出ていて、これは黒澤イズムに通じるモノを感じます(セットであろうとも使い込んだ感じを徹底的に出す、カメラに映ることもない裏や箪笥の中にまで至るコダワリ)。キムタクの荒んでいく様を月代の無精に映えた毛髪で段階的に表現するとか。季節感の出し方もなかなかです。夏の暑さの描写、襟首にしたたる汗、月代まで(^_^; 挙げたらキリがないほど細かな演出がスバラシイです(^_^)

山田監督には三部作で完結とせず、これからもステキな時代劇を作っていってほしいです。

ゲド戦記鑑賞

2007年07月06日 17時45分46秒 | DVD・Blu-ray
やっと観ることができてスッキリしました(^_^; まぁ出来としてはやはり想像の範囲内でしたね。原作を読んだことはないのでストーリー的には言うことがありません(父王殺害やテルーの設定はオリジナルみたいですが…)。作画も超一流のスタッフなのでクオリティは高いので、変に安心して観てはいられます。

だが、しかし…

駿さんが初号試写の時に、途中で思わず席を立ってしまった気持ちが痛いほど判った気がします。イタイところだらけなんですよね。シーンの組み立て方や場面設計そしてストーリー展開など…全部と言って良いほど、東映動画時代から始まってジブリ作品に至る、所謂"宮崎アニメ"の、どこかで使っていたソレそのものを切り貼りしモンタージュした様な感じなんです。「あ~これはアノ作品の場面だ」「このキャラはアレだわ」ばっかりで…。

吾郎さん、きっと父の背中を素直な気持ちでみて、育った人なんでしょうね。でなきゃトンデモナイ嫌みだらけの作品でしかないなと(^_^;

過去の作品なんぞ振り返りたくないと言う駿さんには拷問のような作品なんじゃないでしょうか。やはり許すべきではなかったと思います。なんだか…とても哀しい気持ちになってしまう作品です。

ドリームガールズ鑑賞

2007年07月01日 14時03分28秒 | DVD・Blu-ray
Blu-ray版が8月に出る予定なんで、それまで我慢とか思っていたのですが、カミサンのリクエストに抗しきれず(^_^;

なかなか見応えのある作品でした。エフィ役のJ.ハドソンの迫力がスゴイです。完全にBeyonceを圧倒して、誰が主人公なんだか判らない作品になってましたね(^_^; ここまでになるとは制作関係者も考えてなかったんじゃないでしょうか?

モータウンサウンド系はあまりよく知りませんが、ソウルミュージックの片鱗だけでも判ったような気がしました。まさに「我が魂の叫びを聞け!」でした。Jackson5みたいなグループもオマケのように出ていて、マイケルもこの時は可愛かったんだろうなぁと思いました(^_^; 昔やってた"ソウルトレイン"を思い出しましたね。

トゥモローワールド鑑賞

2007年06月17日 12時10分32秒 | DVD・Blu-ray
今頃ですが(^_^;、観ました。あまり期待してなかったのですが、割と面白かったです。全人類的に不妊となり、滅亡の一途を辿る近未来の英国・ロンドンが舞台。全編に渡り、殺伐としているんですが、雰囲気がよかった。犬や猫を意識的に配置して遊ばせているもの良い効果なのかもしれません。個人的には英国系のロックをさり気なく挿入しているのが嬉しかったですね(^_^) Pink Floydの有名なジャケットも、あるシーンに登場します。

主人公は観客と同じ視点で、ワケが判らないまま、周囲に翻弄され酷い状態に陥れられていきます。長尺のシーンも多く、緊張感が続くので、ある種ドキュメンタリーを見ているような感じもありダレもあまりありません。現状抱えている問題をうまくリンクさせているので、リアリティを感じますし。

ここからは、ちょっとネタバレを含んでしまいますが、恐らくCG処理している赤ん坊の表現がスゴイなぁと思いました。出産シーンも長尺で生々しく描いているのですが、割と自然に見えてあまり違和感もなかった。見せ方がうまいなぁと。

決して大作でもなく、どっちかと言えば地味でB級っぽいですが、観て損はない佳作ではあるかと思います。

父親たちの星条旗

2007年06月08日 18時41分22秒 | DVD・Blu-ray
やっと観ました"父親たちの星条旗"(^_^; なんかBlu-ray版出るってこともあり、なかなか観る気が起きなくなっちゃって…。

映画の出来としては、なかなか良かったと思います。平行して作成された"硫黄島からの手紙"とは随分と趣を意にする作品ですねぇ…。戦闘シーンの激しさはあるものの、最小限に抑え、静かに淡々と描いていると言った印象です。戦争には勝者も英雄も存在せず、残るのは虚像と空しさだけ…。「一枚の写真が戦争の流れを変えてしまう」というセリフは重いです。

007/カジノロワイヤル鑑賞

2007年05月28日 13時50分28秒 | DVD・Blu-ray
洋画を観て、久々に面白い!と思えた作品です。映画館で観ていればもっと良かったなぁと。ちょっとネタバレもありますので、未見の方はご注意を(^_^;

特に始まりの20~30分の追跡アクションは見応えあり。これだけでも観る価値あるのかもしれません。パルクールとかフリーランニングとか言う、一種のストリートスポーツ(?)らしいのですが、建物の構造・特徴を活かし、忍者やスパイダーマンさながらにピョンピョン跳び上がり、飛び下りて、梁や壁をスルスルと上り下りする様は圧巻ですねぇ…。後でメイキング見たら、ほぼ特撮なしで演ってるとの事でビックリしました(^_^;

続いて、空港での爆弾テロ追跡もなかなか…。トラックなどの大型車両を使ったダイナミックなカーチェイスが楽しめます。

その後はタイトル通りの本題へと繋がって行くワケですが、一転して落ち着いた大人な(?)サスペンスが展開。なんだか違う話を2つ3つ連続して観たって感じで、これも満足感に繋がっているのかもしれません。

007シリーズは初代S.コネリーの時代は好きで、割と観ているのですが、P.プロズナンなど近年になるほどほとんど未見。独特の型とかケレンもあり、007自体にキャラとしての魅力を感じられなくなったんですよね。まぁ冷戦時代もとっくの昔、スパイの存在意義も感じないし、やってる事が始めからパロディっぽいし、マンガ的荒唐無稽さに食傷していたということで…(Mも随分前から女性になってたってことも知らなかった(^_^;)。

でも今回のボンドはガラリとイメチェン。始めは私もD.クレイグに違和感を憶え、「え…?これがボンド?なんか地味だし、らしくないなぁ…」と思ってたんです。ところがコレが逆に良かった。妙なケレンも無い彼は、ハードボイルドの原点を思わせ、"24"のジャック・バウアーさながらの特殊工作員として描かれ、旧来のスパイ像を一蹴してくれました。

私的には久々の大当たりでしたね(^_^; すっかりやられました。

画質ですが、Blu-rayですので、基準以上のレベルは満たしているんじゃないでしょうか?オープニングの影絵調アニメでまずは実感できます。バハマなどの海の美しさ、ヨーロッパの街並みや山間の景色などで、解像度の高い風景も満喫できました。メイキングやボンドガール特集(時の流れは残酷だ…と実感できます(^_^;)といった映像特典も割と充実していて見応えもあり、値段なりの価値はあったと思います。

いや~面白かった~(*^o^*)

パプリカ鑑賞

2007年05月23日 18時13分16秒 | DVD・Blu-ray
まずはアニメからって事で。

描き込みが爆発的に凄い作品なので、ハイビジョンには打って付けですね(^_^; 今敏氏も携わった昔の作品"老人Z"のクライマックスシーンを彷彿とさせる情報量過多なガラクタパレードは圧巻です。個人的にはラストのメタモルフォーゼが良かったなぁと。人間の描写は流石ですねぇ…。ライブアクション並みの動きには毎回溜息漏らしながら観てしまいます。CGも程よく使い、手描きで表現すべきところはキチンとやっている感があるので、手抜きしている感じもしません。

夢と現実を行き来するので、全体ストーリーとしてはちょっと把握しきれてないです(^_^; 原作未見なので読んで整理付けたいなと。前半のスピード感が、後半になるとちょっともたついた感じがありました。

それにしても"千年女優"や"妄想代理人"でも発揮したカット割り、上手いなぁ…。これは今敏氏の個性というか、天性のモノですね(^_^)

内容とは別に、ちょっと気になったのは、画面サイズ。表示エリアが、フレームより一回り小さく映ります。これってBDの特性なんでしょうか?

プラダを着た悪魔と業界の厳しさ

2007年05月20日 14時06分12秒 | DVD・Blu-ray
良く晴れて、湿度も低く、とても気持ちいい日です(^_^) こういう気候が長く続いてくれると嬉しいんですけどねぇ…。

"プラダを着た悪魔"を鑑賞(ネタバレ含んでます、ご注意)。まぁ他愛ない若い女性が好みそうなシンデレラ物ですね。今ファッションをテーマにしたゲームに関わっているので、勉強になるかなと思った次第。前半なかなか入っていけず、主人公と同じくブランド名の知識ほとんど皆無なんで、笑うところが判りませんでした(^_^; この辺りはファッション業界に身を置いた経験もあるカミサンに解説してもらいながら観てました(苦笑)

最後にドンデン返しがあるワケですが、主人公がイキリ立って上司ミランダの元から去っていく下りは、ちょっと青臭すぎる感じがしましたね。ミランダ流石~もう一生ついて行きます~ってなるのがホントじゃないかなと…(悪魔ってのもねぇ…、一流の仕事人ですし、カッコイイなと思いましたね)。まぁあまり深く突っ込んでもしょうがない話しですし、素直に観ることができないのは自分が汚れたオヤジになっちゃった所為なのかも知れませんが(^_^;

まぁ話しがどうとかではなく、一時、夢の世界に浸れて、アレもコレもと憧れの衣装に身を包み(しかもタダで(笑))リカちゃんバービーちゃんシンデレラってな感覚で楽しむ映画なんでしょうね。

WOWOWで以前"プロジェクト・ランウェイ"って番組をやっていました。TVチャンピオンみたいに、無名のファッションデザイナーが腕を競い合い、優勝者には一流のステージデビューのチャンスが与えられるって趣向なんですが、ちょっと今回の映画と重なる部分もありとても面白かったです。己の才能を信じて突き進む姿には、清々しい感動を覚えますね。

映画の中、打ち合わせの場面で、主人公がベルトの選択で悩むミランダ達を笑うシーンがあるのですが、ミランダがすかさず「アンタの着ているそのダサイ青いセーターも、ずっと前に私がここで決めた物だ」みたいな事を言うのですが、プロの職業人としての高い意識が出ている良いシーンだったと思います。