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どっと屋Mの續・鼓腹撃壌

引き続き⋯フリーCG屋のショーモナイ日常(笑)

「宇宙戦艦ヤマト」の真実、読了

2017年11月05日 21時16分00秒 | 
豊田有恒さんによる述懐の一冊...さすが読みやすい筆致で、引き込まれて一気に読んでしまいました(^_^)

帯のカラーイラストも松本零士さんによるもので、凄く印象的です。


豊田有恒さんの名前は小学生のときにワクワクしながら読みあさったSFジュブナイル小説で知り、「時間砲計画」とか「少年エスパー戦隊」あたりはタイトル見ただけで懐かしさが込み上げてきます(*^o^*)

「宇宙戦艦ヤマト」といえば一番先に思い浮かぶのが松本零士さんですが、

もちろん豊田さんも参加されているのは当初から認識していました。

小説版でも「原案」としてクレジットされていましたし、曖昧なイメージながらもメインで関わっている人なんだろうと。

それが今回の本でかなり浮き彫りにされて、あぁなるほど!と膝を打つこと頻りで、思った以上に豊田さんの構築した世界だったんだなぁと納得した次第です。

ヤマトブームの絶頂期だった1975(昭和50)年に出版された全記録集・全三巻。

ここに豊田さんが中心になってまとめたのであろう企画書が掲載されています。

これは西崎義展さんから「ハインラインの『地球脱出』みたいなSFをやりたい」と依頼をうけ、当時社会的な反響を巻き起こした「日本沈没」や、人類滅亡のキーワード、そしてストーリーのベースに「西遊記」を仕込んで、まとめあげた「アステロイド・シップ計画」。

これを土台にして、松本さんがビジュアルイメージを構築し、アレンジを加えていき、「宇宙戦艦ヤマト」として出来上がっていく経緯が豊田さんの視点で語られます。


毀誉褒貶の絶えない西崎さんですが、それでも最初は真摯に対応していたが、大きな収入源としての旨味に固執し、無理な続編を打ち立て、ウンザリしながらも付き合うも、次第に嫌気がさし、最後には「乞食にするつもりか」との言葉で袂を分かつ...単なる1ファンに過ぎなかった私でもそんな空気感は伝わってきてましたし、やっぱりそうだったか...の連続でした。

同作の著作権を巡る訴訟に敗れた松本さんに対し、それでも「おおよその原作者」としてリスペクトを捧げる豊田さんの姿勢にも感銘を受けた次第です。

2199の時、出淵裕さんが豊田さんを通じて、どうしても松本さんに挨拶したいというエピソード...リメイク作を楽しみながらも、松本さんはどう思っているのか気になってましたが、本書を読んで溜飲が下がりました。

豊田さんの主観的なもので、感情的な嫌いはあるものの、アニメ史に遺るエポックメーキングな大作がどんな内幕で進められていったのか、後世に伝えるべき大きな意義ある一冊だと思います。




広辞苑、第七版か...

2017年11月03日 16時15分00秒 | 
そうか...第六版からもう10年も経っちゃうのか...(´д`)

ことばは、人々の自由な心から生まれる。
多くの人々に使われ、磨かれ、定まり、
また変わっていく。
ことばの豊かさは、人間の豊かさそのものだ。
ひとつのことばを知るたびに、
私たちは新たな自分と出会える。
世界を知り、生きる勇気と誇りを
手にすることができる。
さあ、もっとしなやかにことばと向き合い、
もっと自分らしい表現を生み出そう。
ことばは、自由なのだから。


いろいろと疼いてしまうメッセージですねぇ...。

デジタル化が進んだ今の世でも「用例採集カード」を使い、言葉のハンティングをしているんでしょうかねぇ?

やってることは同じでも、使っているのは紙ではなくスマホなのかな、やっぱり...データベースとして集約・整理しやすいし。

そういうことをやってるんだというのは、小説「舟を編む」で知りましたけど...。

同書の著者・三浦しをんさんによる「広辞苑をつくるひと」というオマケ本が付くのか〜(^_^;なるほどねぇ!

辞書は好きだし、今も頻繁に使ってますけど、iPhone に仕込んだアプリ版なんですよね...紙版は仕舞いっぱなしです。

でもあの厚みと重み、編集者が吟味し追求したであろう粘りある紙質...恋しくなるんですわ...

モニュメントと化すこと必至なんですけも...(^_^;



久々の「虎 虎 虎」考察本

2017年10月09日 18時35分00秒 | 
黒澤明が描こうとした山本五十六 映画「トラ・トラ・トラ! 」制作の真実』です。

以前に読んだ『黒澤明vs.ハリウッド―『トラ・トラ・トラ!』その謎のすべて』とテーマがきわめて近いものとなりますが、どの程度切り口の違いがあるのか気になり購入。

著者の谷光太郎さんは、軍事史の研究・考察に関する本(主に情報・戦略・兵站について)も多数出されている人みたいで、日米の考え方の違いをさらに違う方向から探ろうとしているようで、楽しみです。

まだ冒頭をパラパラっと繰ってみた程度ですが、山本五十六・黒澤明それぞれの時代におかれた立場や言動を比較し、時にはリンクさせるような構成みたいです。

図説一切なし、262ページに文字がギッシリ...読み応えのありそうな一冊です(^_^;



この世界の片隅に、ファンには堪らない考察本(^_^)

2017年09月08日 21時30分00秒 | 
本編のいくつかのシーンが修正されているらしい、Blu-ray版の発売まで一週間を切りましたねぇ(*^o^*)

もちろん本編は映画館のスクリーンで観るのが最高ですが、9月に入って鑑賞機会も減り、いくらかでもすずさんロスを癒やすために必要なセットではあります。

4時間超というメイキングや各種特典映像に加えて、2種のコメンタリーも楽しみでなりません(*^m^*)

...と、発売を楽しみにしている状況を前にして、最強の考察本が本日リリース。

細馬宏通さんによる『二つの「この世界の片隅に」―マンガ、アニメーションの声と動作―』です。


Twitterで「#細かすぎて伝わらないこの世界の片隅にの好きなシーン」というハッシュタグがあって、私も好きでよく書き込みしたりするんですが、本書はその次元を大きく超えているスゴイ本なのです(^_^)

原作マンガとアニメ映画版を行き来し、比較考察していくするどい視点...実はコレ、ネットで公開されていたものをまとめ上げた一冊で、「マンバ通信」で連載されていた『おしゃべり風船:吹きだしで考えるマンガ論 アニメーション版「この世界の片隅に」を捉え直す』シリーズを加筆して一冊にしたものです。掲載当初から目にしていて、その鋭い考察に唸らされっぱなしだったんですよね(^_^;

本書の「まえがき」には、ヴァルター・ベンヤミンの「真の言語」、こうの史代さんの座右の銘であるジットの一文「真の栄誉」を念頭におき、すずさんという人物の中に浮かび上がらせる、これが本書の目指す地点であると。

巻末には片渕さんとの対談や、新たな論考も添えられていて、「この世界の片隅に」ファンとしては堪らない一冊で、ジックリと拝読させていただきます(*´д`*)



ドラえもん物語、購入

2017年08月28日 22時35分00秒 | 
...と言ってもドラえもんそのものの新刊ではありません。

サブタイトルに「~藤子・F・不二雄先生の背中~」とあるように、コンビ漫画家・藤子不二雄のお一人である、故・藤本弘さんとの想い出を、当時アシスタントだった むぎわらしんたろうさんによって描かれた本です。

むぎわらさんのタッチは藤子不二雄さんスタイルそのもので、藤本さんへの想いは「まんが道」での手塚治虫さんそのもので、なんだかジワッときてしまいます...。

むぎわらさんの幼少期から藤本さんとの出会い、アシスタントとなって、その苦闘の日々や、合間にあった交流などなどが丁寧に描かれています。

立ち食いそばやアイスを一緒に食べたのが最高に嬉しかった...そう大巨匠とそんな何でもないことができたというのは人生において宝物になるんですよね。

私自身も「オバケのQ太郎」とか「パーマン」とか「ウメボシ殿下」とか...世代的には「ドラえもん」以前の作品群に強い思い出がありますし、コンビだった我孫子素雄さんの「まんが道」には大いに刺激もされた世代です(^_^)

その「まんが道」に登場する才野茂のスマートで端正なキャラクターをイメージしてましたが、「ドラえもん物語」で描かれる藤本さんは全くそのとおりの人だったんだなと...。

藤本さんが亡くなった96年(もう20年以上になるのか...)、まだ幼かった娘を連れて、ご葬儀に参列させていただきました。

写真はその折にいただいたテレホンカードです。

それから近年に至るまで、ご遺族から年賀状・暑中見舞いをいただき、藤本さんのお気持ちそのものを感じております(^_^)

オバQもパーマンも、今もってソラでサラッと描けてしまう...私なりに藤本さんの宝物をもらった一人なんだなぁと思いながら、この本を読ませていただきました。



#この世界の片隅に、作中に登場する弾薬解説本

2017年08月13日 18時30分00秒 | 
その名も「この弾薬箱の片隅に」、

たまやさん作の同人誌、いわゆる薄い本ってやつです。

とは言え120ページ超ともなる結構なボリューム感。

作中に登場する焼夷弾や長時限弾底信管などを、これでもかと言うくらいに詳説しています(^_^;

ガイド役は北條円太郎さん、時々すずさんもボケ担当で登場します(^_^;

しかし...解説されている弾薬は見れば見るほどオドロオドロしい...。

解説は背表紙にも掲げられている「M69焼夷弾」から始まる構成です。

昭和20年7月1日深夜、呉空襲で落とされたもので、作中でも筒先から伸びた火のついたリボンが雨のように大量に投下、街は炎に包まれ、畑にも突き刺さってバシュッと無数の火を放つ様子が克明に描かれています。

「火垂るの墓」でも日中の空襲で、鉛筆のような形をしている六角形の焼夷弾が真上から大量に落ちてくるシーンがありますが、本当に恐ろしい攻撃だったんだなと...。

私の母もこの形状は鮮明に憶えていて、街のアチコチに転がっていたそうです。

北條家の家屋にも屋根を貫通して床に落下...幸いにも不発弾でしたが、こんなものが室内で作動したら一溜まりもないでしょうね。

粘性のあるナパームが家財や人にベタッと張り付いて対象を燃やしてしまう...木造家屋が多い日本の特性を利用し、効果的にダメージを与える...大量破壊兵器の代表格といえば核爆弾ですが、人間というのは殺戮を許された時、どこまでも残酷で恐ろしい存在になるもんだなと考えさせられます...。



この世界の片隅に、公式ファンブック購入

2017年07月28日 19時55分00秒 | 
本日届きました「ありがとう、うちを見つけてくれて『この世界の片隅に』公式ファンブック


表紙を見ただけで、なんだかウルッと来てしまいます...。

目次はこんな風。

寄稿者・協力者一覧。

巻頭「『この世界の片隅に』の軌跡」の見出し...。
『この世界の片隅に』を支えてくれた全てのみなさんへ
(;_;)(;_;)(;_;)

190ページに、61名の愛が紡がれています。

まだパラパラッと捲った程度ですが、どの方の想いも瞬間的に共有できる何かが感じとれます。

やはりあの時代を生き抜いた方でもある、漫画家・ちばてつやさんのメッセージは深く、そして重いものがありますね...。

先行で「漫画アクション」に掲載された方の分も多くありますが、一冊にまとまると印象が全く違って見える。

お値段も972円と良心価格(^_^)

作品を二度以上観た人は買うべきでしょう!一度でも、なにか心に残るものがあればオススメの一冊だと思います(そしてもう一度観たくなる(^_^))。

それでは...週末にかけてジックリと読ませていただきます...(*´д`*)



この世界の片隅に、今週の漫画アクション

2017年07月20日 21時50分00秒 | 
梅雨も明けて夏本番か...連日の猛暑で思考も鈍っております...(´д`)

という事で(?)、最新号を買いました。

表紙の右下の片隅にすずさん(^_^)

「この世界の片隅に」本編再録は第17回「19年10月」です。

小林の伯母さん久々登場の巻、家財などの物資を疎開させるために北條家を訪れるお話し。

この回で、リンドウ柄のお茶碗が出てきたり、おしゃべりな伯母さんによって、周作さんの過去がフワ〜っと漂い始めます。

直接表現ではなく、この匂わせ方が凄く良いんですよね...そして少しずつジワジワと効かせてくる!

ホント、こうの史代さんってうまいんだよなぁ(*^m^*)

公式ファンブック」の発売もいよいよ来週末と近づいてまいりました!

先行掲載も今号で終了、ゆうきまさみ・おざわゆき・二ノ宮知子の三氏でございます。

ゆうきさん・おざわさんともにピックアップされてますが、冒頭の雁木での荷を背負いなおすカット...なんでもない場面なのに、心揺さぶれるのは何ででしょうかね...。

これに触発されるかどうかで、本作が好きになるかどうかのポイントになっている気がします。

さて、先週に引き続いて「漫画アクション」は創刊50周年で盛り上がってますけど、それに因んだコラムに目がとまりました。

柳下毅一郎さんによる「漫画アクション」の思いを綴ったものですが、主に大友克洋さんの初期作品を取り上げています。

柳下さんは私と同年代で、大友作品との出会い方もほぼ同じ。

「AKIRA」以前・以後で世代も受けるイメージも違ってくるのですが、考えてみると私も双葉社時代の大友さんに衝撃を受けたクチなんですよね。

本棚からサクッとこれだけ取り出せたりしますし(あれ?『ショート・ピース』はどこにいっちゃったんだろ(^_^;)、初版ですっかりと酸化してしまったページを捲ると、高校から大学あたりの自分にタイムスリップしてしまいます...まさに「気分はもう」なんですよね(^_^;

どこの出版社なのかって、あまり気にしないんですが、こう思うと節目節目に双葉社が繰り出す作品にやられちゃってたんだなぁと思わされます。



この世界の片隅に、今週も中國新聞SELECT(^_^)

2017年07月13日 20時39分00秒 | 
本日夕方に到着...先週までは概ね火曜か水曜に届いてたので、ちょっと焦った〜(^_^;

もちろん、お目当てはコレ!「この世界の片隅に」再録連載、今号で第五回目。

径子さんの里帰りで一波乱の回ですな(^_^;

新聞本紙も見てますけど、地方紙独特の雰囲気や空気感が伝わってきて、良い感じです(*^o^*)

広島カープの過去記事を連載してたり、地元の名所を紹介したりとかね...眺めて和んでおります。



この世界の片隅に、中國新聞に再録連載

2017年07月05日 20時37分00秒 | 
週に一回、土曜日発行の「SELECT」紙面に、こうの史代さんの原作がそのまま掲載されると知り、中國新聞社に問い合わせたところ、バックナンバー含めて、毎号郵送もしてくれると(*^o^*)

ということで、初回分から取り寄せて、「7/1号」が本日到着。

郵送途中で紙面が濡れたりしないよう、ちゃんとビニールで丁寧に包装されてきます(^_^)

7月は土曜日が5回あるので、1部60円×5で300円、送料込みで565円なのです。

再録ページは「SELECT」紙の真ん中に挟み込んでいるようなページ構成ですので、分離も容易に。

今回は「19年2月」の初夜と隣組の回でございます(*^o^*)

新聞サイズに4ページずつ並んでいる構成ですが、また違った味わいを感じています。

毎号楽しみじゃ〜(*´д`*)