goo blog サービス終了のお知らせ 

どっと屋Mの續・鼓腹撃壌

引き続き⋯フリーCG屋のショーモナイ日常(笑)

グレースの履歴

2023年05月09日 19時27分00秒 | TV
なかなか良質なドラマだった。

旅行先で事故死した妻が遺したクルマに乗り、そのカーナビ履歴を辿って行きつつ、徐々に秘密とその想いに触れていくというもの。

典型的なロードムービー形式なのだが、とにかく丁寧に作られていて、国内各地の美しい自然なんかも写し出され楽しめた。

基本ミステリーではあるが、亡妻の独善的行動がちょっと鼻につき、ラストの強引さもちょっとねぇ...という感じはあったけどね(^_^;

でも見ていく内に、この作者は小津安二郎好きだなと大いに感じ、そこが引き込まれるポイントでもあった事に気づいた。


決定的だったのはこの会話シーン。

小津作品でよくある対面する二者のカットバックね。

目の位置までキッチリ合わせて、絵作りのコダワリも感じ取れた。

作風から察するに、これは「麦秋」なのだなとも。

同作は霊体視点と思われるカメラワークが特徴的なのだが、このモチーフが取り入れられている。

小津作品のそれに比べて、本作は説明過多でアカラサマなんだけどね(^_^;

大河ドラマは?

2023年03月18日 21時10分00秒 | TV
好きとかじゃないんだけど、枠としては存続してほしいし、肯定しているという感じ。

1年1作品じっくり時間をかけてテーマとなる時代を追う...。

そんなシリーズは他に存在しない。

もちろん好みというものはあるので、ハマる時もあれば全く見ない時もあって。

シリーズのエポックとなった「龍馬伝」、とても新鮮で新たな可能性さえ感じた「いだてん」、そして三谷幸喜さんの脚本と制作・演出陣が理想的とも言える形で昇華した「鎌倉殿の13人」...素晴らしい作品と出会えた時の喜びは計り知れないものがある。

はたして現在放映中の「どうする家康」は如何に?



男女逆転の世界

2023年03月06日 19時05分00秒 | TV
NHKで放送中のドラマ「大奥」を楽しんでみている。

江戸時代の最初期、赤面疱瘡なる架空の伝染病によって男子の人口が極端に激減、男の役割の大部分を女が担う世界を描いている。

徳川将軍家も世継ぎで悩まされ、家督・将軍職を女も継承していくのだが、単純に逆転といっても容易にいかない部分もあり、そこにドラマが生まれていく仕掛け。

面白いのだが、やはり子作りにおいて女性のリスクは圧倒的に高いものだし、もしこれが現実に起きたら、人口は減少の一途を辿り、滅んでいく方向に進んでいくんじゃないかなぁ...と考えてしまう。

男の場合はそれこそアッチコッチにタネばらまいて、多産していくのは可能だが、逆ってのはないもんだしなぁ...。

それにしてもNHKは映像表現を大夫チャレンジしていて、夜中の22時台の放送とは言え、濡れ場のシーンは割とストレートで驚いた(^_^;

性描写への対応を俳優とカウンセリングするインティマシーコーディネーターも据えて体制を整えているそうだ。

映画などでセクハラ被害も横行しているのが話題にもなったが、これからはこういうポジションも重要視されていくのだろう。



テレビ放送開始から70年

2023年01月29日 16時15分00秒 | TV
NHKなど、盛んに特番を組んで張り切っている。

「絵の出るラジオ」とか「電気紙芝居」などと揶揄されつつも、次第に映画業界に脅威を与え衰退へとおしやった存在。

自分の幼少期には「一億総白痴」とかカラー放送に対しては「目が悪くなる」とされて、常に危険視されていた記憶も。

それだけ映像のインパクトは強烈で、抗えない中毒性があった証左なのだろう。

その絶対的な地位もインターネット、そしてスマホの膾炙により、かつて自らが映画業界に与えたダメージを被っている。

歴史は繰り返し、淘汰されていくということか...。

それにしても無線で映像を飛ばすなどと、荒唐無稽な仕組みをよくも実現できたものだと改めて思う。

高柳健次郎博士の功績はもっと評価されて良い。

戦争とその敗戦に影響されなければ、テレビ技術は日本が中核を担っていた可能性もあるのだから。



NHK、飴と鞭

2023年01月21日 21時02分00秒 | TV
受信料...拒否していた時期もあったが、今は支払っている。

結局、録画してまで視る(質・価値ともにある)のはNHKくらいしかないのだ。

で、その受信料が10月に1割程度値下げされるという。

あらゆる物・サービスが値上げでヒーヒー言わされている中、有り難い話しではある。

...が、それでもモヤモヤは拭えない。

相変わらず義務化一辺倒な発想だし、拒否への報復...鞭の力の込めようはどうだ。

どこまで行っても中途半端な存在だなと思うばかりだ。



大河ドラマの総集編

2022年12月30日 17時55分00秒 | TV
まぁ...大河に限らずってことになるのだが。

「鎌倉殿の13人」は本当に気に入ってしまったので、総集編全4章まで一気に見てしまった(^_^)

これまでは本編だけで旗一杯になり、総集編を見る気になるってことはなかっただけに、自分でも驚く程だ。

未視聴の弟にもオススメしたが...一通り見て、これはかなり無理があるなと進めたことを後悔。

本編を見た者にとっては、こんな事、あんな事、いろいろあったなぁ...と走馬燈のように感慨深く楽しめはしたものの、三谷幸喜さん作品特有の面白みや旨みがほとんど取り去られてしまって...。

その上、群像劇ゆえ後からドンドンと現れては消える登場人物の数がハンパなくて、本編を見てない人がコレを見ても相当辛いだろうなと...(^_^;

きっと弟も第1章の段階で挫折していることだろうと容易に想像できる。

ドラマってのは筋だけ抽出したら本当に無味乾燥なもんだなと感じさせられた次第なり...(´д`)

賛否両論あるだろうけど、最初から最後まで盛り込む必要はないんじゃないかなとも思った。

一本の映画のように、テーマの焦点を絞って...例えば今回の場合なら「義時編」「義村編」「源家編」「善児編」などに分けてテーマ別4部構成にするとかね。可能であれば新録シーンも加えて、換骨奪胎するくらい大幅な編集を加えたり...。

クセは強く、好き嫌いの度合いは強まりそうだけど、そういうものも見てみたい(^_^)



エルピス-希望、あるいは災い-

2022年12月27日 22時15分00秒 | TV
というタイトルのTVドラマ。

「真実」と「報道」という根幹の追求...使命と葛藤みたいなことをテーマとするドラマ。

まぁ...こういったテレビとか報道の業界裏モノのドラマや映画はこれまでも多く作られてきたし、自分も何作かみてきたが、こういうのを地上波、しかも民放がやるというのは珍しいな...と感じつつ視聴、今週めでたく全10話にて完結した。

脚本・渡辺あやさんプロデューサー・佐野亜裕美さん監督・大根仁さん、それぞれのインタビューが上がっているが、やはり中でも出色なのは佐野さんの企画実現への情熱で、それは作品随所に顕れていたように思う。

冤罪事件と政界スキャンダル...最後の最後でニュースキャスターの切り札とギリギリの駆け引きがスリリングで見応えはあった。

まぁ...報道の世界の闇は深く、モヤモヤするもんだなぁ...と思った次第。

だが、こんな難しいテーマを実際に放映実現した良心と熱情に敬意を表したい。

それと今回初見だったが、眞栄田郷敦くんが良かった。特にヒゲ面だと「戦国自衛隊」の時の千葉真一お父さんにソックリ(^_^)b



鎌倉殿の13人

2022年12月20日 20時35分00秒 | TV
1回目を見た時の予感は見事に的中し、本当に見事な幕となった!

写真は最終回放映当日に鎌倉女子大で行われたグランドフィナーレのショット。

ラストシーンの持っていき方は、今までにない重く静かで...しばらく感想の言葉もなかった...。

三谷幸喜さんは素晴らしい仕事を成し遂げたなと。

大河ドラマの脚本担当3作目にして、大きな手応えを感じたのではないだろうか?

正直いって前の2作はNHK製作陣も手探り感が強く、三谷さんの世界観を大河というフォーマットにどう落とし込むか迷いも強く、どこかギクシャクなものがあった。

それが今回でシッカリとした理解が進み、両者の息がピッタリはまって、ギアや歯車がスムーズに回転していたのだ。

それは第1話から感じとれるものがあって、このドラマは絶対面白いものになると思ったが、その予想を上回った。

特に政子演じる小池栄子さん、正直いって好きなタイプの女優ではなく、エグ味の強い嫌な尼将軍になっちゅう危惧があったが、全くもって払拭!

とにかく控え目で、抑制があり、シットリ感...時には可愛いとさえ感じてしまった(^_^;

特に物語り後半、やるせなさでメソメソ...理不尽さにジッと耐える彼女の姿に何度も涙が出た。

有名な演説シーンも弟をはじめ、鎌倉を守護する女神と化し、本当に神々しく...。

ラスト...義時を静かに死へと誘い...その切なさがもう(×_×)

まさに面白打てやがて悲しき、強者どもが夢の後...凄いもの見た!

...そんな鑑賞後感だった。

大河ドラマは一段進化し、自分の好きな作品も更新され、本作がベストワンとなった次第(*^o^*)




ドラマ「拾われた男」面白かった(^_^)

2022年09月07日 21時20分00秒 | TV
NHK・BSPで放映された全10話録り溜めイッキ視で!

俳優・松尾諭さんの自伝をドラマ化したものですが、不思議な縁で業界入りし、家族のもめ事ふくめて四苦八苦しながら成長していく様がとても面白かった。

キャストも味ある人を配していたけど、特に妻役・伊藤沙莉さんが光っていて素晴らしかった!

若いのに肝っ玉を感じるし、役者の女房として腹を据えていく過程を自然に細やかな表情変化で表現...まだまだ伸びしろのある俳優だなと。

松尾さんの出演してきた映画やドラマも丁寧に再現していて、「シン・ゴジラ」泉ちゃんのシーンも最高(*^o^*)

「進撃の巨人」出演時、監督本人で樋口眞嗣さんも登場!

ニヤニヤが止まらなかった(*^艸^*)

原作も読みたくなり、文庫を購入。

ドラマのアレンジ具合や差異も気になるところだし。