80才のハツラツ日記

愈々名実共に80才を迎え、人一倍好奇心を燃やして、元気な行動の随筆日記です。

斎藤智裕著「KAGEROU」を読んで

2011年01月09日 | 本の情報
久し振りに読み甲斐のある小説に出合いました。

ポプラ社小説大賞受賞作(2010年の第5回)と帯に書かれていますが、
その栄誉に違わぬ作品であったと思います。


比較的短い小説なので、遅読の自分でも僅か2日間で読み切りました。

40才になる独身の、人生に絶望して「KAGEROU」の様な男が、
廃墟のデパート屋上から自殺しようとして、フェンスを登り、身を投げる直前に、
誰かに足を捕まえられる。黒服を来た慇懃無礼な得体の知れない男に。

その男の会社は、臓器売買を業務とし、自殺寸前の人間をドナーとして契約し、
高額の臓器買取を行い、レシピエントを探して売り付ける闇の会社であった。

臓器を買い取った後は、世界最高の医療技術を持って、
必ずそのドナーを完全に自殺せしめる?様に契約する。

この主人公も結局この契約をして、臓器を売り渡す訳ですが・・・・。
この後はSFっぽい展開なので、ネタばらしは致しません。


予想外の展開になり、心臓のレシピエントとなった20才の少女との間に、
愛が芽生えて・・・・ホロリとさせられます。

「自分と他人」の関係、「魂と肉体」との関係、それに「命」とは何ぞや、等々。
現在、巷間で話題の臓器移植を巡って、
色々と考えさせさせられる問題を含んで居ります。


新百合丘の有隣堂では、ベストテン2位に置かれていました。

これはこの人の初めての著書で、同人は俳優「水嶋ヒロ」として、
映画、ドラマ、CM等に活躍中だそうです(1984年生れ)

(更に言うと、桐蔭高校時代サッカー選手として、全国大会に出場、慶応大卒、
 スイスに長年滞在して英語は極めて堪能、180cmの超イケメン。現在俳優は休業中。)

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