80才のハツラツ日記

愈々名実共に80才を迎え、人一倍好奇心を燃やして、元気な行動の随筆日記です。

終戦が決まった後の8月20日に戦死?--占守島の攻防(2)

2010年10月05日 | 本の情報
昨日のブログの続きです。

ソ連軍が8月17日に上陸して来たのですが、
この島には上陸出来る場所が限られていました。

元関東軍の日本最強の残留部隊が、其処に堅固な要塞を築いて待ち受けていました。
この軍隊は輸送船が無くなったばかりに南方に転戦出来ずに取り残されていたのです。


ソ連軍が上陸すると、これは格好の餌食とばかり、戦車迄繰り出して猛攻撃。
敵は最初は戦車が無かった。 其処で緒戦は波打ち際で殲滅されたのです。

驚いたソ連軍は、援軍を次々上陸させて、大激戦になります。

8月20日にやっと軍使が出て、終戦に漕ぎ着けるのですが、
ソ連軍は、これは囮ではないかと銃撃し、白旗を掲げた軍使以外の
援護兵や通訳迄打たれて、皆戦死してしまいました。


この攻防戦で両軍とも甚大な人的損害を受け、
ソ連側で約1500名、日本側で約700名の戦死者が出たのです。
(彼我の記録はかなり隔たりがあるのですが、日本側の記録に依りました)

もう15日に戦争は終わっているのに、そして間もなく故郷に帰れると思っていた矢先の、
戦死は何とも悲惨な事ではありませんか。


では、昨日掲げた2種の本の書評に移りますが、驚いた事にその内容は全く違うのです

浅田次郎著の「終わらざる夏」は完全な小説です。
著者の信条であろうと思われる、戦争否定の内容が
この占守島の攻防を土台にして、たっぷりと織り込まれています。

他方、大野芳著の「8月17日、ソ連軍上陸す」の方は、これ又完全なノンフィクションなのです。

どう言う事かという点については、少し長くなりますので、
改めて次回(3)に記述したいと思います。 悪しからずご了承ください。


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