80才のハツラツ日記

愈々名実共に80才を迎え、人一倍好奇心を燃やして、元気な行動の随筆日記です。

格差と貧困と(2)

2009年01月04日 | 時事問題
昨日の続きです。(少し硬い話が続きます)

「反貧困」と言う岩波新書を読みました。 
朝日新聞の大仏次郎論壇賞を獲得した名著です。


(著者の湯浅誠さんはこの程、
日比谷公園に開設された「年越し派遣村」の村長さんです)

沢山のホームレス、ネットカフェ難民の実例を詳細に述べ、
そこから得た体験談を基にして、論説を組み立て、
現実に行動して居られますので誠に迫真力があります。

次第に貧困社会に落ち込んで行く人々は、
決して自己管理や自助努力が足りなかったのではないのです。


「寧ろ過剰な自助努力の結果、どうにもなら無くなった末の人々なのだ」と。
自己責任ではないのだと分析しています。

更にそれらの人々は次第にセイフティネットを失って行く。 

住民票を失い、社会保険、失業保険を失い、
生活保護のバックアップを失い、相談すべき人間関係を失い、
最後はすべり台の様にドン底の貧困状態に落ちこんで行くのです。

本当の貧困とは生活水準を下回った状態なのですが、
日本の水準はかなり低くその基準が決められている様です。

そしてこの貧困は見えているようで見えていない。
社会全体でもそうですし、政府もこの状態を認めたがらないのです。

幸いにして昨日、夜の寒さを凌ぐ為に、厚労省の講堂が
ホームレスの人達に提供されました。


生活保護支援センターやNPOの活躍努力で、
政府関係者も遅れ馳せながら、やっと重い腰を上げたのでしょう。


私たちも出来る事なら何かお手伝いしたい気持ちですが・・・。
もう老齢で直接的な行動は出来ませんが、

世間一般の意識を高め、少しでも「貧困」に関心を持つ人々が、
増える様になればと願っています。
  湯浅誠さん、頑張って下さい。