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キリシタン用語(2)バテレン(パードレ、パーデロ)、パッパ(パーパ)

2017-08-20 17:13:28 | キリシタン用語
 前回、米大リーグのチーム、パドレス(Padres)に触れたが、大リーグの30チーム中、スペイン語のチーム名を名乗っているのは、パドレスだけである。
 
 【パドレスのマスコット「スウィンギング・フライアー」(Swinging Friar)。ウィキペディア「サンディエゴ・パドレス」の写真より】

 ところで、このブログでは、その他の大リーグのチーム名についても取り上げている。「メジャー・アメリカンリーグのチーム名」、「メジャー・ナショナルリーグのチーム名」、「ヤンキース考」で述べているので、興味にある方はそちらをご覧いただきたい。
 英語そのままのものもあるが、できるだけスペイン語に訳している。日本ではそのままカタカナ表記しているが、「パドレス」が「バテレンズ」にならないものだろうか。
 
 さて、スペイン語 padre の第一義は「父」で英語の father に相当する。英語に papa というくだけた言葉があるが、スペイン語でこれに相当するのが、papá である。papa とやると、ラテンアメリカでは「ジャガイモ」の意味にもなるので要注意である(スペインでは「ジャガイモ」は patata という。英語の potato と同語源。patata についての考察は「パパはどこへ行ったの?(1)」、「パパはどこへ行ったの(2)」、「パパはどこへ行ったの(3)」、「パパはどこへ行ったの(4)」参照)。
 スペイン語の papa には「ローマ法王」の意味もある。英語の Pope に相当する。手元の英和辞典によると、Pope はギリシャ語の「父」の意からと書かれている。 
 このブログのどこかですでに述べているが、「ローマ法王のお父さんはジャガイモを食べる」をラテンアメリカのスペイン語で言うとこうなる。
 El papá del Papa come papa.
 それはともかく、カトリック教会では Papa の方が padre より上位にあるということである。
 ちなみに Papa はポルトガル語でも同形である。ここから日本に伝わり、「パッパ」または「パーパ」になったとのことである。 
 
 余談になるが、米大リーグのチーム、パドレス(Padres)の本拠地はサン・ディエゴ(San Diego)について一言。
 San は「聖」を表す。Diego は男子の洗礼名であるが、手元の西和辞典には次のような記述がある。

 〈古スペイン語 Diago, Santiago(← Sant Iago;Iago は[後ラテン語]Jacobus‘Jacob’より)が誤って San Diego と解釈された。

 何にしても、San Diego と Santiago(チリの首都の名前でもある)は経緯はどうあれ、関係がある。詳しくは「
Santigago Matamoros」の項をご覧いただきたい。

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