スパニッシュ・オデッセイ

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パパはどこへ行ったの?(2)

2015-03-20 08:05:06 | スペイン語

  スペイン人には、ローマ法王をも意味する“papa”は、食べ物の名前としては畏れ多くて使えないという心理が働いたという説がある。中南米ではローマ法王に遠慮することなく、今に至るまで“papa”ということばが「ジャガイモ」の意味で使われ続けている。
 スペインでは“papa”を「ジャガイモ」の意味で使用するのをやめたから、ほかの言葉をさがさなければならない。そこで目をつけられたのが、“batata”である。スペイン人にとっては「ジャガイモ」も「サツマイモ」も新大陸伝来の珍しい食べ物である。今までにないものだから、名前を勝手につけても構わないとでも思ったのだろうか。“batata”を「ジャガイモ」に仕立て上げたというわけである。ポルトガル語では、“batata”がそのままの形で「ジャガイモ」の意味の単語して使われている。スペイン語では[b]音が[p]音に変化したのだが、“papa” 「ジャガイモ」に対して申し訳ないからか、はたまた、ローマ法王(Papa)に敬意を表してか、[b]音を[p]音に変えたという説もある。
 もし、“batata (patata)”が本来の「サツマイモ」を表す言葉であり続け、「ジャガイモ」がローマ法王に遠慮して、“papa”と呼ばれなくなっていたら、「ジャガイモ」は“batata no dulce” 「甘くないサツマイモ」とでも呼ばれるようになっていただろうか。

 

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