オバサンは熱しやすく涙もろい

とてつもなくミーハー。夢見るのはお気楽生活

「魔笛」

2007-08-01 02:45:46 | 映画・DVD【ま】
全くクラシックを聴かない、全くオペラとは縁のないワタシ(IL DIVOは好きだけど)がどうしてこれを観る気になったのか・・・。
それは予告でみた「魔笛」がとってもステキだったから。
それにケネス・ブラナーが監督・脚本ならば、きっとオペラなんて無縁な人にもわかるようにアレンジされているだろうと思ったから。




2006年、イギリス作品

監督、脚本:ケネス・ブラナー

出演:ルネ・パーペ、ジョセフ・カイザー、エイミー・カーソン他


オリジナルでは古代エジプトの神イシスとオシリスを祭る神殿が出てくる、神話のファンタジックというかメルヘンチックな世界を舞台にしているようだけれど、ケネス・ブラナーの手によって、こちらは第一次世界大戦の戦場に置き換えられています。

兵士タミーノ(ジョセフ・カイザー)が塹壕戦の中、毒ガスによって気を失ってしまうのですが、夜の女王の侍女を務める三人の看護婦によって救出されます。
そして三人の看護婦は、暗黒卿ザラストロ(ルネ・パーペ)に囚われている、夜の女王の娘パミーナ(エイミー・カーソン)の写真をタミーノに見せ、救出を依頼します。

タミーノは、毒ガスの危険を知らせるカナリアを飼育するパパゲーノと共に、パミーナの救出に向かいます。
そして忍び込んだ暗黒卿ザラストロの城で、お互いの姿を見て一目で恋におちてしまうタミーノとパミーナ。
パミーナを連れだそうとするタミーノにザラストロは「辛いだろうが、まだここから出すわけにはいかない」と言います。
タミーノはザラストロと話をするうちに、彼が平和を望む指導者だということに気づき、無礼な振る舞いの許しをこうのでした。
ザラストロはそれを快く受け入れ、その代わりに戦場に楽園をもたらすためにタミーノとパパゲーノにとある試練を課すよう命じて・・・。


始まって15分・・・dimは初めて映画館で寝ました・・・
いやー退屈だったわけではないのだけれど、寝不足だったのでねー(言い訳)。
前半はずーっと単調な感じで歌が続くので、まあそれもあって疲れてしまったのかも知れません。

でも夜の女王の威圧感と、ザラストロの存在感はすごかったですねー。
ザラストロを演じるのは世界屈指のバスの一人として知られるルネ・パーぺ。
彼の歌は何か説得力を感じさせる力強さがありました。
ちょっと強面な顔も存在感を感じさせる一因かもしれません。
夜の女王を演じるのはリューボフ・ペトロヴァ。
専門的なことは知りませんが、夜の女王が歌う「アリア」は最高音がハイFに達するという、人声ぎりぎりの音で書かれたコロラトゥーラ・アリアの代名詞的存在だそうです←プログラムより(dim、意味が全くわからず・・・)。
でも彼女の怒り狂った様が、このアリアに見事に表現されていたのはわかりました。

印象的だったのは、戦場の共同墓地の場面。
敬虔な行進曲の中、慰霊碑が映し出され、そしてカメラがどんどんひいていくと、おびただしい白い墓石が地面を覆いつくしていることに気がつきます。
どこまでもどこまでも続く白い墓石・・・。
戦うことの愚かさ、平和へのメッセージが胸に重く響いてくるシーンです。

それから、復讐にもえる夜の女王を助けようとして、ザラストロが手を差し伸べたのも印象的なシーンでした。
この二人の間には何か個人的な関係が存在するようにほのめかされています。
それはどのような関係だったのかはわかりませんが、ザラストロは、敵である夜の女王を許す姿勢を示したのでした。
敵を許すこと・・・それがひいては平和へと繋がっていくのですから。

登場人物全員が歌うフィナーレは圧巻でした。
もちろんルネ・パーぺのソロも素晴らしかったのですが、ワタシはこういう人の声が交じり合った時の、重厚な音に包み込まれるような感覚がどうも好きらしいのです。
ザラストロが高らかに勝利を宣言し「智慧の光は戦よりも強く、すべての人間は平和を求める」というメッセージを全員で歌って幕をとじます。




タミーノにパミーナ。
美男美女の組み合わせと言えるのでしょうが、dimは馬面好きなくせしてどうもジョセフ・カイザーの顔が好きになれず・・・観ていてちょっとツライ時がありました。
自分のイメージとしてはIL DIVOのデイヴィッドなんかがよいのではないかと思うのですが・・・。


↑タミーノ(脳内変換中) 

パパゲーノとパパゲーナは文句なしです。
特にパパゲーノ役のベン・デイヴィス、おしゃべりでおちゃめなパパゲーノにぴったりでした。
「パパパの二重奏」はメルヘンチックで可愛くて、心を和ませてくれる素敵な場面ですね。
ちなみにあのおちゃめなパパゲーノ・・・セバスチャン@IL DIVOでもよいかな~とか思ったりして。
で、ザラストロはカルロス・・・とかね。


↑パパゲーノとザラストロ(脳内変換中)

するとウルスは(汗)???

冗談はさておき(いや、ちょっぴり本気)オペラの世界に馴染みがない人でも楽しめる、ミュージカルになっていると思います。
ただ、全部英語のリブレットになっているので、本物のオペラを聴きなれている人はちょっぴり違和感を感じるかも知れませんね。
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15 コメント

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そうよそうよそうよ! (豆酢)
2007-08-01 10:29:23
私も、最初に「魔笛」映画化の話を聞いたときから、デビとカルロスを出せ!!!!と怒鳴ったクチです(笑)。

特にデビはぴったりよ!軍服似合うし(「真珠採り」で証明済み)テノールだし、愛嬌のあるハンサムだし。
ルネ・パーぺは、たぶん今最も人気のあるバスでしょうね。カルロスはバスではないから、ちょっとザラストロには威圧感不足かなー(残念)。でもハンサムだから許す(←何様)。
実はわたしゃコロラトゥーラ・アリアはあんまり好きじゃなくて…。だってあまりに高音すぎると、耳が聞き取れないんですもの…
それに、人間の声のように聴こえないのも難点ですねえ。高けりゃいいっちゅうもんでもないし…。オペラの難しい点でもありますね。

ブラナー監督も、ほんとはオペラには縁のない人だったようで(苦笑)。だからこそ、自在に自分自身のイメージを広げられたんでしょうね。この作品もDivo同様、オペラを知らない人たちのためのガイド役になればいいですね。
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へええ・・・ (DD)
2007-08-01 20:11:38
これって劇場公開中なのですか。知らなかったです~。
やはりわしらの仲間ウチでは不得意分野なのね、わはは。
それなのにのこのこ出てきてカキコミしているのは
ウルスだけ写真がない!!

↑コレが言いたかっただけなのでした~(逃)
う~ん、でもこの作品、とっても観たいかも!
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寝たの~!? (yumi)
2007-08-01 21:20:08
でも、起きたんだよね(笑)
ミュージカルは好きなんですけど、オペラはどうだろう~・・・私もここの所疲れもあるし、寝ちゃうかな。
子守り歌代わり・・・(笑)
すっごい贅沢だわ!
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んきゃ~~! (dim)
2007-08-02 12:35:18
豆酢さん、どーもー。

ねねねねね!
タミーノってデイヴィッドのイメージだよね!!
豆酢さんもきっとそう思っているんじゃないかと思っていたわ~~。
確かにザラストロはカルロスにはちょっとどうかなと思ったけど、ルネ・パーぺと違った感じでもいいかなあ・・・と
まあ実質divoを引っ張っているとーちゃんのような存在だし、そう!かっこよくて見栄えがするからいいのよ~~!

デビちゃん、上背あるしねー、すごく見栄えがすると思うし、何よりデビちゃんの美しい歌声を聴きたいよね~。
という訳で、勝手に脳内変換して映画を観てきたdimなのでした。
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うははははは! (dim)
2007-08-02 12:41:45
DDさん、こんにちは。

わははははは!
を見て大笑いしてしまいました。
よく拾いだしたね~~~こんなの(爆)!

この映画でウルスの役は・・・というと、ちょっとイメージに合う役がないので、写真を載せなかったのよん。
今度ウルスの写真で、今度なんか面白いことやろうかなーとか思ってます
でも手間がかかるので、いつになることやら・・・。
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寝たんだよ・・・ (dim)
2007-08-02 12:49:44
yumiさん、こんにちは。

はい。初めて映画館で寝ました
とっても心地よかったっす・・・。
でも、うとうとしただけですよー。爆睡はしてません。
うとうとしながら「金払ったのに寝るのももったいないなー・・・」と思って、頑張って起きました。←意外とケチ?
子守唄代わりとしては最高の映画だと思いますよ~。
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こんにちは (jester)
2007-08-03 09:43:43
わ~dimさん、寝ちゃったのね~

わたくしもこの映画、見ようと思っていてまだ行ってないのだけれど、Mozartが好きなので、結構不安なんですだ。イメージぶち壊しだったら嫌だな~と思うし・・・

うむむ、眠くなる展開だったのね~

私が初めて寝た映画は、金城武がでたFallen Angels(邦題はなんだ?? 「天使の涙」かな?)
なにしろ香港で字幕なしで広東語でみたもので、もろに意味が分からず・・・・

初見で寝ちゃうことってめったにないんですけどね。
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Unknown (シュエット)
2007-08-03 09:50:02
見たよ。今記事書いている最中。
オペラの「魔笛」は2回ほど見ているの。完全にこれは消化不良もいいとこね。せっかくのオペラ歌手を起用しているのに、オペラでは見せ場がちっとも見せ場でなくって、観終わった後は一緒に観にいった友人と思わず互いの足を蹴りました。他にぶつける相手いないから(笑) これってオペラ見てない人には、混乱しtえさっぱり分からないのではと思う。オペラは楽しいのに…。パパゲーノとパパゲーナの扱いにも立腹。見せ場なのに、あれでは浮いてしまっている!
「家の鍵」TBしようと思ってきたらこれにぶつかったから先にこちらコメント入れました。では「家の鍵」の方で
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Unknown (シュエット)
2007-08-03 23:54:34
改めてTB貼りにきました。
魔笛お疲れさまでした。
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はい。寝ました。 (dim)
2007-08-04 00:51:19
jesterさん、こんばんは。

ワタシはオペラの方は見たことがないのですが、これは全く別物と考えた方がよいと思います。
前半は結構単調なので、睡魔に打ち勝つことが出来ませんでした・・・(涙)。
でもケネス・ブラナーのメッセージはきちんと伝わってきましたよ。

ただ、jesterさんとしては多分・・・「なんじゃこりゃー!」って思うと思います(笑)。イメージ結構壊れると思いますよ・・・。
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