貧乏青年サイモン(サイモン・マッコーキンデール)は恋人ジャッキー(ミア・ファロー)を捨て、美しい富豪の娘リネット(ロイス・チャイルズ)と結婚をする。
サイモンとリネットはエジプトへハネムーンに向かうが、行く先々で何故かジャッキーが姿を見せ、二人に不快な思いをさせる。
二人はナイル河を遡る豪華遊覧船に乗り込むが、そこにもまたジャッキーが現れる。しかしジャッキーだけでなく、リネットに関係する様々な人物がそれぞれ思惑を抱いて船に同乗していた。
その船の中で、酒に酔ったジャッキーがサイモンを銃で撃ち、大怪我をさせる事件が起こる。
そして医者や看護師が怪我をしたサイモンと興奮したジャッキーの手当てをしている間に、リネットが何者かに射殺されてしまう。
乗客であった私立探偵のポアロが事件の解明に乗り出すが、やがて第二、第三の殺人事件へと発展していく…。
アガサ・クリスティの推理小説を読んでいると、段々傾向がわかってきて、最後まで読まなくても最初の段階で犯人がわかってしまう…のは私だけではないでしょう。
この「ナイル殺人事件」も犯人がすぐわかりましたが、わかっていながらもこの映画、ロマンとミステリーが感じられて十分楽しめます。
俳優の名前さえろくに知らない頃にTVか何かで見た記憶があるのですが、今改めて見るとすごい豪華キャストですね。
主だったところでジェーン・パーキン、ベティ・デイヴィス、ミア・ファロー、オリヴィア・ハッセー、マギー・スミス、ジョージ・ケネディという顔ぶれ。面白くない訳がありません。それぞれが芸達者なところを見せてくれます。
1978年の作品とあってみんな若いです。
ジェーン・パーキンやオリヴィア・ハッセーは若くて可愛かったんだなと思いましたが、マギー・スミスが今とあまり変わりがないような…。
このマギー・スミスとベティ・デイヴィスの会話が皮肉の応酬といった感じてとっても笑えます。
ベティ・デイヴィス……ふりふりのドレスを着てけばけばしい化粧をしておりますが、とっても素敵。いい表情をします。ああ見たかいがあった…。ベティ・デイヴィスがとっても見たかったのですよ~。
ポワロはどうもNHKのあの黒い髪の毛のちっこいおじさんのイメージが強くて…ピーター・ユスチノフがどうしてもポワロに見えませんでしたが。
エジプトをちょっとだけ旅行したような気分になれるのも、この映画のいいところ(ホントにちょっとだけね)。
しかし漫画「王家の紋章」を読んでいた時もなんとなくわくわくしたけれど、「ナイル」というだけで心が騒ぐのは私だけかしらん?