明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 



今年は三遊亭円朝と鏑木清方の一年といえなくもないが、清方の円朝像へのオマージュを制作したことをきっかけに、新たな変化が起きた。しかし自分でも正体が判らぬまま手探り状態だったので、出品した作品を作り替えて二日目に差し替える、という往生際の悪いこともしてしまったが、寺山修司は“書き換えの効かない過去などない”といっていたのではなかったか。 円朝を明治時代の寄席前に立たせる、というのを次に考えたが、陰影の扱いに対する対応がまで出来ておらず、現実とイメージの狭間で中途半端な結果となった。さらに、円朝の背後を牡丹灯籠のお露とお米の後ろ姿を、というのが当初のアイデアであったが、後ろ姿では灯籠が見えず、ただ二人の女性となってしまうことを後になり気付いた。結局円朝をどかしてお露とお米を前面に配した。 保存しておいた背景の寄席風景だけをみていて、新版画に影響を受けた風景画として充分成り立つな、と思ったが、やはり寂しい。小さくお露とお米を再び配した。、これをもって寄席前風景の完成2作目としたい。“ラブレターを投函するのは一晩寝た翌日にせよ”どころか随分経ってしまったが。

※『タウン誌深川』“明日できること今日はせず”連載4回「哀しい背中」
※深川江戸資料館にて九代目市川團十郎像を展示中。11月12日まで。

HP


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本日は落ち武者仲間のMさんのお孫さんのお宮参りの撮影を頼まれている。T屋に朝食を食べに行き、10時からの富岡八幡での撮影に備える。あいにくの空模様であったが、幸い雨は止んだ。ご両家が揃った所で撮影開始。こういう場合、ある提程度先回りして撮らないと後ろ姿ばかりになって仕舞う。そういえば、お酉様の時は毎年某店の女将さんを囲んで常連が富岡八幡に出かけたもので、写真も随分撮ったのを思い出した。その習慣も終わってしまった。クーデターを起した現女将がMさんや我々常連を出禁にする旨の貼り紙を戸に張り出した。なのに、すっかり忘れて我々が一斉にボイコットをしてウチを潰そうとした、と今の客に言いふらしているという。証拠の写真も残っているのだが。よって落ち武者と称して週1で集まっている。 おめでたい日にこんな話しは止めよう。私は結婚のどこが目出たいのかさっぱり判らないのだが、赤ちゃんの顔を見ているとさすがに目出たい気がする。一生に一度の日なので、できるだけシャッターを押した。Mさんは孫が生まれても煙草は止めないし、何も変わらない、と豪語していたが、実際はというと、聞いていた話しとは大分違っていた。子供が生まれた時は顔を舐めまくったらしいが、この子もすでに相当舐められているだろう。



※『拝啓つげ義春様』
 (前期)2017年9月30日(土)~10月15日(日)『ゲンセンカン主人』出品
 (後期)21017年10月21日(土)~11月5日(日)
ビリケンギャラリー
 住所:〒107-0062 東京都港区南青山5-17-6-101
 TEL:03-3400-2214
 営業時間:12:00 ~19:00(月曜休)
 ホームページ:http://www.billiken-shokai.co.jp/

※『タウン誌深川』“明日できること今日はせず”連載4回「哀しい背中」
※深川江戸資料館にて九代目市川團十郎像を展示中。11月12日まで。

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どうも数日首が痛くて左右が不自由である。数日前モニターの前で首をうなだれたまま寝てしまい、イテテと首を起したような記憶がある。多分あれだろう。 先日田村写真で3カット手漉き和紙にプリントしてもらったが、刺青の女が想定より出来が良くて他の1カットが見劣りしてしまったので、コントラストその他手を加えて再プリントをお願いした。 作家シリーズを始めて、最初に仕事になったのは江戸川乱歩であった。乱歩生誕地の名張図書館にも写真を収蔵いただいた。澁澤龍彦と江戸川乱歩、谷崎潤一郎どれを最初に作ったか忘れたが、同時に作っていたかもしれない。らんぽの頭ができて早々、当時まだ池袋の乱歩邸にお住まいだった、乱歩のご令息平井隆太郎先生に、こんなことをやろうと思っており、個展開催の際は『夜の夢こそまこと』を使わせていただきたい旨お手紙を差し上げた。すぐに、その際は伺いますとのお葉書をいただいた。 現在、遠近法がどうの陰影がどうの、とやっており、今こそ乱歩を、といきたいところなのだが、その肝腎の乱歩を今になってどう扱えば良いか浮ばないでいる。最初に老人である乱歩にピストル持たせて気球にぶら下がらせてしまったのがせいぜいだったのであろうか。しかしこの乱歩、制作段階で、極端な遠近感を付けて作ってあり、小さな気球が肩の上でぶらぶらしているだけである。背景を描いて、それ等を屋上で自然光で撮る、というややこしいことをしているのだが、作家シリーズの最初の段階で、すでに遠近感一つストレートにやる気がなかった訳である。

※『拝啓つげ義春様』
 (前期)2017年9月30日(土)~10月15日(日)『ゲンセンカン主人』出品
 (後期)21017年10月21日(土)~11月5日(日)
ビリケンギャラリー
 住所:〒107-0062 東京都港区南青山5-17-6-101
 TEL:03-3400-2214
 営業時間:12:00 ~19:00(月曜休)
 ホームページ:http://www.billiken-shokai.co.jp/

※『タウン誌深川』“明日できること今日はせず”連載4回「哀しい背中」
※深川江戸資料館にて九代目市川團十郎像を展示中。11月12日まで。

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一日  


さっそく背景を撮りに行こうと思ったが、ひょっとして陽が照るような気がして止める。この人物は青系の服を着ている。私自身は幼稚園の園服に始まり青系統、特に紺色なら母親が買って来る洋服は文句をいったことがことはないくらいだが、人形の服の場合、青系統の発色というか質感に満足できず、この人物以外、今まで一度も塗ったことがないと思う。それが手漉き和紙にどうなるか楽しみである。 最近TVを全く観ないので、日曜美術館の鈴木春信の再放送を見そびれてしまった。そこで図書館へ。逆遠近法、というより平行遠近法というらしいが全作品に渡って炸裂。これは頼もしい。さすがに窓外の風景は小さく描かれているが、奥の部屋に置いてある燭台は、手前の部屋の燭台より大きく描かれている。遠景に富士、中景に松林のつもりのようだが、人物の足下に70センチくらいの盆栽のような松が植わっているようにしか見えず。私もこくのくらいやらないと、現実を描いていると誤解されてしまうかもしれない。 その後『アウトレイジ最終章』を観る。たいした監督である。ポスターでは光石研が一人だけ笑っているな、と思っていた。変わったいたぶり、殺害方法も楽しみにしていたのだが、しいていえば太刀魚がピストルで殺されるのは珍しいだろう。

※『拝啓つげ義春様』
 (前期)2017年9月30日(土)~10月15日(日)『ゲンセンカン主人』出品
 (後期)21017年10月21日(土)~11月5日(日)
ビリケンギャラリー
 住所:〒107-0062 東京都港区南青山5-17-6-101
 TEL:03-3400-2214
 営業時間:12:00 ~19:00(月曜休)
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※深川江戸資料館にて九代目市川團十郎像を展示中。11月12日まで。

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今まで作って来た人物像のうち、今回の手法に合いそうな人物を順次改めて撮影していくつもりだが、ある人物は、なんでこの人物がこういう状態なのか、ということのためにもある場所を背景にしたい。その場所は、交通局のフリーペーパーの表紙を担当した時に、じつは断られている。前例がない、一度許可すると他も許可しなければならなくなる。いかにもお役所的な理由であった。断られる場合はだいたいこれである。 隔月の発行であったが、じりじりしながら特集人物と特集場所が決まるのを待ち、決まった瞬間から写真資料を(ほとんど自分で)集め、頭部を制作しながらロケ場所を連日ネットを検索しながら探す。内部的にOKでも撮影許可がなかなか下りない場合もある。しかしそれを待っている時間はない。一か八か見切り発車で全身を作り始める。確かに交通局という威光で、スムーズに許可が下りる場合も多かったが、前述の理由で、その人物の背景は許可がおりないこととなった。ここを背景にするからこそ、人物の状態をそうした。熟慮の末のアイデアだっただけにこれは悔しい。 さて。もう構うことはない。私の作品として発表するのだから、叱られたってたかが知れている。リベンジは必ず果たす。私は普段ボンヤリしているようで、制作のこととなったら、マムシに蛸足の如くの執念深さである。そのためには、どうしても有事に備えて普段ボンヤリしている必要がある。

※『拝啓つげ義春様』
 (前期)2017年9月30日(土)~10月15日(日)『ゲンセンカン主人』出品
 (後期)21017年10月21日(土)~11月5日(日)
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 営業時間:12:00 ~19:00(月曜休)
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ピクトリアリズム3にそなえ、新手法だけではどうか、ととりあえず3カット選んで田村写真へ。手漉き和紙にプリントするのはなかなかモニター通りというわけにはいかない。それぞれ田村さんに調整してプリントしてもらったが、1カット面白いイメージに上がった。それはデジタルカメラで撮り、現像(ソフト)の段階で、すでに、特に背景がガムプリントのような質感になったので、面白がって同じ調子で現像した中の1点であった。もう1点はすでにオイルプリントのネガとして使用したが、現像の段階でこの調子だったので、それをオイルにしては、かえって面白さが相殺されてしまったかもしれない。和紙にプリントしてみたら面白い雰囲気になった。場所は彫師の仕事場で、背景には携帯電話まで写ってしまっているが、一切何もせず、そのまま写した。例によって行き当たりばったり。今では何をどうやったのか忘れてしまった。思い出してみたい。



※『拝啓つげ義春様』
 (前期)2017年9月30日(土)~10月15日(日)『ゲンセンカン主人』出品
 (後期)21017年10月21日(土)~11月5日(日)
ビリケンギャラリー
 住所:〒107-0062 東京都港区南青山5-17-6-101
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一日  


ここ数年、人形を作っているかモニターの前に向かっているか、寝るのと飲酒時間を除けば制作ばかりでほとんど動かず、体重ばかりが増量しているが、集中力が衰えないのはいいのだが、世田谷文学館の澁澤龍彦展の内覧会に行きそびれてしまった。拙著の澁澤の背後に立体で作って配したくらい好きだったクラナッハ展も長期間やっていたのに関わらず行かずじまい。これでも昔は情報誌片手にギャラリー巡りなどしたものだが、近年は自分の中からイメージを取り出すことで精一杯で、なかなか他人の創作物に感心していられない。付き合いも近所の人ばかりで、作品と製品の違いが判らない人達には話しても迷惑なだけであろう。もっともそれまでの友人にしても似たようなものであったが。特に私が何か思いついた時は麻布十番の田村写真にでも行くしかない。 今まで作った人物の中から、最近の手法に準じ撮影し直そうと考えているが、新手法だけでも良いが、一部、たまたま絵画調で、手漉き和紙にプリントして合いそうな物を選んでいる。それを持って明日田村写真へ。

※『拝啓つげ義春様』
 (前期)2017年9月30日(土)~10月15日(日)『ゲンセンカン主人』出品
 (後期)21017年10月21日(土)~11月5日(日)
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来年最近の手法での個展を開きたいと考えている。おそらくタイトルは『ピクトリアリズム3』。最初のピクトリアリズム展は2000年。その前年に一日限り、という企画でオイルプリントを初披露したが、正式なオイルプリントの個展としてはこれが始めてであった。試作を始めたのが91年であるから10年近くかかったことになる。それを考えると、ゼラチンを厚く改良した“石塚式”は、ワークショップの参加者で、初日にプリントした作品を個展やグループ展に出品する方々がいてなんとも感慨深いこととなった。 その後、オイルプリントを発表し続けた時期から随分経ち、時代も様変わりして、古典技法に取り組む人も増え、ハスノハナで古典技法の4人展に参加したのをきっかけに2015年オイルプリントによる『ピクトリアリズムⅡ』を開いた。ピクトリアリズム=絵画主義ということになるが、そういう意味では今回の手法も絵にしか見えないが、印象派などの絵画に近ければ芸術性が高いと思われたような過去の時代はともかく、絵画にいかに近いかではなく、絵画的でなくては実現できないイメージがある、ことが重要であろう。 さらに私の場合は西洋的なるものに少々ウンザリしており、それこそフランスの印象派に衝撃を与えた浮世絵などの我が国の芸術に、ここ数年関心がある。西洋人とはいえ、印象派の巨匠達はさすがに良く解っていた。 それにしても、この調子で行くとピクトリアリズムは、私の半生に及ぶテーマとなりそうである。

※『拝啓つげ義春様』
 (前期)2017年9月30日(土)~10月15日(日)『ゲンセンカン主人』出品
 (後期)21017年10月21日(土)~11月5日(日)
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意外だったのは、ゲンセンカンの女将が、あんな顔した女性を撮影した、と思っている人が多いことである。だとしたら相当ユニークな顔である。先日も書いたが、私の加工のしかたは気分は粘土で造形している感じで、普通はどうするのかは知らないが、人形制作者のデジタル造形、多分写真関係者のそれとは大分趣が違うだろう。つまり元の顔を、粘土台に置き、ヘラで造形して行く。そんな心持ちなのである。それに限らず、私の場合は道具はフォトショップでも、方法がアナログ的な泥臭さなので、そんな所も全体の風合いに影響しているに違いない。ゲンセンカン女将の場合は原型のままなのは鼻だけである。原作にできるだけ近くしてみた。 こういうことは裸になってもらう場合、顔出し不可、なんていう時に威力を発揮するだろう。今までは、どうせ使えないのだから、と顔が入らないよう撮影することが多かったが、こんなことができるなら、下地の素材として撮影しておけば良かった。 三島由紀夫が神輿を担ぎながら死んでいる、というのを作った時(未発表)担ぎ手がアップで4人写っている。それぞれ懸命に担いでいる表情に臨場感がある。そこで4人の中で目や鼻や口を交換した。本人達が見ても、半纏を見ればうちの町会だし、何故か馴染み感は感じるけれども、という感じであろう。特撮監督の円谷英二を制作した時、かちどき橋を大蛸に襲わせたが、そのパーツが残っていたので、北斎をイメージして遊んでみたが、こんな娘はどこにも存在しない。



※『拝啓つげ義春様』
 (前期)2017年9月30日(土)~10月15日(日)『ゲンセンカン主人』出品
 (後期)21017年10月21日(土)~11月5日(日)
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 営業時間:12:00 ~19:00(月曜休)
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※深川江戸資料館にて九代目市川團十郎像を展示中。11月12日まで。

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気が進まない場所にいかねばならない。実に行きたくない。こういう場合の常で、制作意欲が泉のように湧いて来てしまう。ゲンセンカン主人は展示したし、とりあえずは落ち着いている。結局、数年前に完成したはずの『潮騒』のカットに、背景に小さく1人海女を加えた。何故それを今やる? これ等はもう何年も前になるが、個展『三島由紀夫へのオマージュ男の死』用に制作したものだが、初江役をT屋の長女Aちゃんにやってもらった。『牡丹灯籠』のお露のねえさんである。この時は、鳥羽の友人に、元海女さんが現役時代に使っていた海女着を送ってもらい、母親の“牡丹灯籠”お米に頭から水をかけてもらいながら撮影した。しかし搬入後に気になり差し替えたゲンセンカン主人ではないが、個展の後に気になり出した。脇役の海女さんが全裸に海女着なのに肝腎の初江はズロースはともかくブラジャーまで着けている。仕事柄、また時代的にも、これはヘンだろう。拙著泉鏡花原作『貝の穴に河童の居ること』(風濤社)にも出てもらい、すでに一児をもうけていたAちゃんに許可を貰い、ノーブラであるかのように改良した。作品ともなれば、おろそかにはできない。それからまた月日が過ぎ、本日、海女が新た加わった訳である。それは良いとして、だからそれが何故今日なんだ?という話しである。



※『拝啓つげ義春様』
 (前期)2017年9月30日(土)~10月15日(日)『ゲンセンカン主人』出品
 (後期)21017年10月21日(土)~11月5日(日)
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“鍵盤と鍵盤の間にブルースはある”。昔のアフリカ系アメリカ人ピアニストは西洋音階と、正確なピアノの音程が肌に合わず、ピアノの蓋を開けてピアノ線の間に新聞紙を挟んだという。これはまさに私である。身も蓋もない写真と肌が合わず、古いレンズやオイルプリントなど、写真に新聞紙を挟んできたが、遠近法という西洋音階にも異を唱え、色々やっているうちに、あんたの弾いているいるのは もはやピアノではない、といわれる始末である。 ついこの間の話だったが、『鏑木清方作三遊亭円朝へのオマージュ』が突然という感じに完成した時は、自分で何をしたのか理解できず、おいおい解明していくしかない、ということをブログに書いている。しかし、ここに至り、ようやく判って来て、最初から判ってやっていた、かのような顔をし始めている。 私の内部に思いついたらいってしまう性能の良い、鉄砲玉のようなのがいて、性能の悪い表層の脳が後からおたおた付いて来る。写真の素人がオイルプリントを始めた時も、頭では何をやっている、早く止めなきゃ、とハラハラしていた。今だからいえるが、20数年前、写真もろくすっぽやっていない私の廃れた技法へのチャレンジは異様だったろう。以来、頭で理解できずとも、止むに止まれぬ場合はそちらに乗ってしまおうと決めている。 昨年残念ながらピストル自殺したEL&Pのキース・エマーソンは、高校生の時観た後楽園球場のコンサートで、鍵盤の間にナイフを刺していた。

※『拝啓つげ義春様』
 (前期)2017年9月30日(土)~10月15日(日)『ゲンセンカン主人』出品
 (後期)21017年10月21日(土)~11月5日(日)
ビリケンギャラリー
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陰影を取り去るのは撮影時にするので、あとは色調整と切り貼りするだけであったが、遠近感を案配するにはさすがにフォトショップで色々やることになる。私は写真の身も蓋もなさから抜け出そうと古典レンズやオイルプリントを用いあらがってきたが、ジャンルとしては、一体何処までが写真なのであろうか。私の作品は写真ではない、というカメラマンにしても画処理々いいながら商品の陰影その他、様々捏造している。私の作品はパーツ自体はカメラで撮影した物を用いているので、加工の程度こそあれ、似たようなものだろう、と思うのである。 最も、真を写すという意味の写真という用語をことあるごとに嫌いだ々と散々いってきたので、写真ではない、といわれても特になんとも思わないが、コンピューターグラフィックというと、すべて作ってしまうイメージがあるし、自分で制作した人物を被写体とする場合、ちょっと違うという気もする。 たまたま和紙にプリントしたことにより、近くで見ようと絵にしか見えない。ここへ来て今時、時期外れのピクトリアリストとなった、と妙な気分ではある。何もジャンル分けする必要もない。鍵盤と鍵盤の間にブルースはあるというし。

※『拝啓つげ義春様』
 (前期)2017年9月30日(土)~10月15日(日)『ゲンセンカン主人』出品
 (後期)21017年10月21日(土)~11月5日(日)
ビリケンギャラリー
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 営業時間:12:00 ~19:00(月曜休)
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永井荷風で力及ばず、周囲に配した七輪、煙草盆その他、日本画的遠近法で描くことはできなかった。そこで今回、『ゲンセンカン主人』で行灯、煙草盆をやってみた。それを配したのは最前であったし、そもそも写真でそんなことにはならないこともあり、いわれなくては気が付かない人もいるだろう。もしくは私がヘタクソだから、で終わってしまうかもしれない。知り合いのカメラマンからはこれで充分ではないか、そもそも陰影を取ったり遠近感を変える意味が解らない、といわれた。 私は眉間にレンズを当てる念写が理想といいながら、頭から取り出したものに、現実に在るかの如き陰影を与え、背景に馴染ませてきた。実在した人の場合はしかたない部分もあったが、そこにはイメージとズレがあることは気付いていたものの、どうしていいか解らなかった。それを見事にこなしていたのが、西洋的常識に毒されていない日本の先人達の浮世絵や日本画というわけである。 『ゲンセンカン主人』ではその記念すべき?第一作と考えていたのに、結果は行灯、煙草盆以外、ごく無難な“普通の”遠近感にしてしまった。しかしどうにも我慢ができない。幸いプリンターの田村さんが本日出社するというので再プリントをお願いした。田村さんは日曜美術館で『鈴木春信』を見たばかりだという。 初日に来ていただいた方には申し訳ないが、昨日オープニングがあったばかりのビリケン商会に作品を差し替えに行った。



※『拝啓つげ義春様』
 (前期)2017年9月30日(土)~10月15日(日)『ゲンセンカン主人』出品
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