前回の寒山拾得展で、寒山拾得が臨済宗に伝わる話ということで〝怒目憤拳“の様子が興味深く、臨済宗の開祖臨済義玄を作ってしまった。当時はいくら調べても実態が判らず。結局、中国のある僧が注文で描かせたものが日本に伝わり、一休の弟子の曽我派の画僧などに模写され描き継がれ大徳寺周辺から広がって行ったものらしい。大徳寺にはまったく別人の穏やかな臨済の肖像画があり、これが実像に近ければ作りたいのだが。 間もなく出るタウン誌に書いたばかりだが、昔、未発見だったロバート・ジョンソンの写真が発見された、と音楽雑誌に載った。さっそく作り始めたが、あの音楽を生み出すような“十字路で悪魔と取引した感“が感じられず、酔っ払って編集部に電話をした。「そういうことになってます。」結局納得できず止めたが、後に誤報と判明した。飲んだくれては作り散らかしていた二十代と違って、今はどこの馬の骨か判らないものを作っている時間はない。
