明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 



気が進まない場所にいかねばならない。実に行きたくない。こういう場合の常で、制作意欲が泉のように湧いて来てしまう。ゲンセンカン主人は展示したし、とりあえずは落ち着いている。結局、数年前に完成したはずの『潮騒』のカットに、背景に小さく1人海女を加えた。何故それを今やる? これ等はもう何年も前になるが、個展『三島由紀夫へのオマージュ男の死』用に制作したものだが、初江役をT屋の長女Aちゃんにやってもらった。『牡丹灯籠』のお露のねえさんである。この時は、鳥羽の友人に、元海女さんが現役時代に使っていた海女着を送ってもらい、母親の“牡丹灯籠”お米に頭から水をかけてもらいながら撮影した。しかし搬入後に気になり差し替えたゲンセンカン主人ではないが、個展の後に気になり出した。脇役の海女さんが全裸に海女着なのに肝腎の初江はズロースはともかくブラジャーまで着けている。仕事柄、また時代的にも、これはヘンだろう。拙著泉鏡花原作『貝の穴に河童の居ること』(風濤社)にも出てもらい、すでに一児をもうけていたAちゃんに許可を貰い、ノーブラであるかのように改良した。作品ともなれば、おろそかにはできない。それからまた月日が過ぎ、本日、海女が新た加わった訳である。それは良いとして、だからそれが何故今日なんだ?という話しである。



※『拝啓つげ義春様』
 (前期)2017年9月30日(土)~10月15日(日)『ゲンセンカン主人』出品
 (後期)21017年10月21日(土)~11月5日(日)
ビリケンギャラリー
 住所:〒107-0062 東京都港区南青山5-17-6-101
 TEL:03-3400-2214
 営業時間:12:00 ~19:00(月曜休)
 ホームページ:http://www.billiken-shokai.co.jp/

※『タウン誌深川』“明日できること今日はせず”連載4回「哀しい背中」
※深川江戸資料館にて九代目市川團十郎像を展示中。11月12日まで。

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