山のような段ボールを縛るのに四苦八苦。昨晩は朝、ゴミに出しそびれたら、一ヶ月待たなければならないと思うと気が気ではなかった。やっているうちに段々慣れてきて、結局最初の頃の段ボールを縛り直す事になり、時間がかかった。こういう時いつも思うのである。“人生も夏休みのバイトの如し、慣れてきた頃に終わる”のであろうと。 山のような段ボールが無くなり、ようやく少し落ち着く。これではっきりしたのは、父方の祖父が公昭写真集と旧字で書いてあり、バラバラになっていたアルバムを忘れて来た事である。今度の台風で、ドラマ『岸辺のアルバム』を思い出しながら、アルバムを入れた記憶がないな、とは思っていたのだが、叔母がとつておいてくれた私の八歳、最古の絵『お墓』もない。しかし引っ越し含めて何もかも“次行ってみよう!”という事なんだろう、という気がしてさばさばしている。 私の事だから、入手すると間違いなく嫌な事から逃げて段ボールの山の間で制作を始めてしまうだろう。我慢していた粘土を、今月末には注文するつもりでいる。
タウン誌深川】〝明日出来ること今日はせず〟連載第16回『トラウマ』