かまくらdeたんか   鹿取 未放

「かりん」鎌倉支部による渡辺松男の歌・馬場あき子の外国詠などの鑑賞

 

馬場あき子の外国詠103(スペイン)

2018年10月16日 | 短歌一首鑑賞
 馬場あき子の外国詠12(2008年10月実施)
  【西班牙3オリーブ】『青い夜のことば』(1999年刊)P61~
   参加者:F・I、N・I、T・K、崎尾廣子、T・S、藤本満須子、T・H、渡部慧子、鹿取未放
   レポーター:N・I まとめ:鹿取未放


103 大聖堂に一生かけて手彫りせし黒きオリーブのやうなる男ら

      (レポート)
 その仕事をした男達を讃えているのでしょうか。スペインでは不滅のシンボルである神話のオリーブの木である。     (N・I)


       (まとめ)
 大聖堂だけなのでどこのものか分からないが、ここは特定しなくてよいのだろう。大聖堂にはオリーブの彫刻がされており、細やかさと数の多さから何人もの職人の男性が一生かけてやっと彫りあげるほどの圧倒的なものなのであろう。そういう職人気質を讃えている。黒きオリーブに浅黒くたくましい男たちを重ねている詠みぶりが面白い。(鹿取)