脱ケミカルデイズ

身の周りの化学物質を減らそうというブログです。 

WHOの新基準、糖分は1日の摂取カロリーの10%以内

2015年04月20日 | 食品

ダイヤモンドニュース2015年4月18日
砂糖はジュース1本で基準超え!? WHO発表の衝撃

 世界保健機関(WHO)は3月、虫歯や肥満を予防するための砂糖摂取量に関する新ガイドラインを発表した。1日の摂取カロリーに砂糖などの糖類が占める割合は10%未満に抑えるべきで、5%未満ならなおよいとのことだ。

 5%とは平均的な成人なら砂糖約25グラムに相当する。ティースプーンで約6杯分だ。炭酸飲料1缶に含まれる砂糖は約40グラムというから、休憩時間のちょっと一本でWHOの基準を超えてしまうことになる。

 マヨネーズ、ソース、ケチャップといった調味料にも砂糖は使われているし、一般に健康によいとされる和食にも砂糖は欠かせない。さまざまな食材や料理に含まれる「隠れた砂糖」を勘定に入れるなら、現代の食生活でWHOのガイドラインにならうのは難しい。実際、ポルトガルのように砂糖摂取量が総カロリーの25%におよぶ国もあるのだ。

砂糖は虫歯、肥満、糖尿病の
直接的な原因とは言い切れないけれど…

 だからこその「ガイドライン」なのだろうが、なぜ5%なのかその根拠がわかりやすく提示されていない。「砂糖の摂取量が多いので高めのハードルを設置しました」というメッセージしか読みとれないのだ。厚生労働省も「日本人の食事摂取基準(2010年版)」で、当時は総カロリーの10%だったWHOの基準について「日本人において数値を算定できるほど十分な科学的根拠は得られていない」としている。砂糖関連業界からの反発も強い。

 だが、「これまで通りの食生活でいいよね」ともいかない。この機に巷にはびこる「砂糖=悪者」説を否定すべく調べてみたのだが、結果は少々残念なものになってしまった。確かに砂糖は「虫歯」「肥満」「糖尿病」などの直接の原因ではない。ただし「砂糖だけが原因ではない」「直接の原因ではない」「原因だと特定できない」などのエクスキューズがどうしても必要なのだ。

 もちろん「摂りすぎなければ問題がない」ことも付け加えておかなければならない。あくまで量とバランスの問題である。しかし砂糖に限ったことではないが、その「量とバランス」こそ現代人の食生活の問題であることも事実だ。

 砂糖(と脂肪や塩分など)は、それ自体は「悪」ではない。言うまでもなく必要な栄養素だ。だが食品を手軽に「美味しく」するために大量に使用されている現状は、やはり危ういとしか言いようがない。

 WHOの新ガイドラインには「厳しすぎる」「数値に対する根拠の不足」という点に検討の余地はある。缶ジュース一本程度の砂糖しか摂らない食生活が具体的にどんなものなのかイメージしにくい点も問題だろう。金と手間をかけなければ、そんな生活は実現できないのではないか。そのような問題も含め、現代の食生活に警鐘を鳴らすことが目的だというのなら、確かにインパクトはあるのだが。

(工藤 渉)


コメントを投稿