ザ・ラストバンカー 西川善文回顧録 | |
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講談社 |
日本郵政での記者会見の様子がクローズアップされ、
頑固で威圧感のあるイメージが浸透しています。
おそらくそういうイメージそのままの方なのかもしれませんが、
それ以上に正直で率直な方なのでしょう。
社会的に高い地位につくと
いろいろとしがらみがあって言えないことも多いかと推察しますが、
この方、いろんなことをかなり率直に述べられています。
もちろん、どーしても言えないことは伏せられており
差しさわりがあることまで書かれてあるわけではありません。
ちょうど、一橋文哉著「未解決」を読んだばかりだったので、
住友銀行名古屋支店長射殺事件に触れられていないのは、
差しさわりがあるからでしょう。
それでも、後継頭取のことやイトマン事件にも赤裸々に触れられており
故人になったとはいえ磯田一郎元会長についても
いかんなく述べられているのは、
この人にある種の透徹した哲学があるからなのでしょう。
頑固一徹な方に喝采が送られるのは
こうした哲学が小気味よく
ある意味爽やかさを感じるからかもしれません。
と同時に実力がないとできないことです。
ラストバンカー、言い得て妙です。
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