フランチャイズ開業&読書日記・・・どこまで行くの?

2010年7月からフランチャイズ店の営業開始。サラリーマンを辞めての再スタートになります。

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永遠のゼロ(講談社文庫)

2011年07月31日 16時12分12秒 | 書評 小説系
平成23年の現在では、昭和20年に終戦となった
太平洋戦争は遠い昔の話になりました。
今年で66年目の夏を迎えます。

もちろん僕は、記録の中でしか読んだり
聞いたりしたことがありません。
戦争を実体験した方は、
かなり少なくなっているのでは
ないでしょうか?

太平洋戦争の記録も昔は数多く読んだ記憶があります。
最近はそれほど読む機会も少なくなっていました。
以前は、太平洋戦争での出来事を否定する著作が
多かったように思いますが、
太平洋戦争での個々の局面においては
それを賛美する出版物も増えてきています。

正解のない問題については
その人の政治的・思想的な信条が
強く影響すると感じるようになりました。
だから、太平洋戦争についても、
個々の場面においては立場によって
さまざまな見方があるのだろうと思っています。


永遠の0 (講談社文庫)
クリエーター情報なし
講談社


当初、『永遠のゼロ』は、その題名からも
戦記、とくに特攻隊のストーリーだと勝手に
陳腐な話を想像していたので敬遠していたのです。
しかし、アマゾンでのあまりに良い評判と
同じ作者の『ボックス』という映画を観て
読んでみる気になりました。


あらすじは、主人公である健太郎が、
特攻隊員として死んだ祖父の生涯を
元戦友たちの数々の証言を聞き取りしながら
調べていくうちに、意外な真実に出会うと
いうものです。

素材として扱っているのは
戦争、とくに特攻隊員として最後は
敵戦空母に突入を命じられる
熟練パイロットの短い生涯なのですが、
底流に流れているのは、
身近に存在する人たちが背負っていた
重い現実を明かされる過程で
主人公たちが真摯に人生と向き合う
というヒューマンドラマです。

良きにつけ悪しきにつけ、
「人間というのは表から見える姿だけがすべてではない」
というのは年齢を重ねるとわかってくる真理ですが
本書のストーリーを読んでも、
そういう印象を受けています。

「生きて帰りたい」と公言した
戦闘機乗りが単なる臆病者ではなかったという事実や
数々の無謀な作戦計画を立案した海軍のエリートたちが
現実の戦闘にでると、臆病風に吹かれた行動をして
勝機を逸したという現実。

ふりかえって現代をみてみると、
いつもの、政府・東電・官僚・政治家批判になってしまいますけども、
エスタブリッシュメントとしてでかい顔をしていた人たちが
いざとなったときに情けなーい行動しかとれない現実。

「わかっていたこと」であったとしても、
あらためて見せつけられると、
実は「日本のお家芸」やったんやなぁと
怒りがこみ上げてきます。

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せんせい。 (新潮文庫)

2011年07月31日 14時45分15秒 | 書評 小説系
あっという間に7月が過ぎていく。
忙しい日々を送っております。

小説は、忙しい日常をちょっと忘れて
気分転換には最適でした。

せんせい。 (新潮文庫)
クリエーター情報なし
新潮社


本書は、教師と生徒にまつわる6つの短編集。


教え子にギターを習う物理の教師の話である「白髪の二ール」

おっかない保健室の養護教諭と
保健室に身を寄せる児童の物語である「「ドロップスは神さまの涙」

画家のマティスにあこがれ続けた美術教師の物語「マティスのビンタ」

一人の生徒を嫌い続けた教師の後悔をつづった「にんじん」

高校野球の鬼監督と中退してしまった
高校球児のその後を描いた「泣くな赤鬼」

どもりで苦しんでいた生徒の、
寸借詐欺事件をおこした教師との思い出をかたる「気をつけ、礼」


ラストの短編は作者「重松清」の自伝を思わせる短編でした。

教師と生徒との関係を描写することで、
より強く読者に考えさせ、
訴えかけることができるという側面はあるように思います。

さりげないやさしさや
夢を追いかける大切さ。
人を大切に思う気持ちや
教師であっても、一人の人間であるゆえに持つ弱さ。

大切なんだけれども
直接的に書くと薄っぺらくなってしまう、
こういう感情のかずかずは
小説だからこそ伝えらるのではないか、
そう思いました。

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