フランチャイズ開業&読書日記・・・どこまで行くの?

2010年7月からフランチャイズ店の営業開始。サラリーマンを辞めての再スタートになります。

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最高裁の暗闘 朝日新書

2011年01月24日 00時01分05秒 | 書評 その他
団藤重光、伊藤正巳、奥田昌道、藤田宙靖・・・などなど
最高裁に判事として就任された有名な学者は数知れず。
それぞれが最高裁での出来事を回顧録のような形で出版なされており
最高裁内部の模様を垣間見れることはできます。
学者の先生方は少数意見や反対意見を書くことが多いので
少数・反対・補足意見が出される経緯もそこで知ることができます。

本書は、ジャーナリストが平易に少数意見が出される経緯を
周辺事情も含めてレポートした内容で、興味深く読みました。

司法試験の勉強をしていたころは
最高裁判例は必ず押さえていなければならなかったので
暗記するほど読んでいましたが、
多数意見の問題点を明らかにするのが少数意見でした。
そういう意味で、少数意見を読むことは面白かったです。
多数意見が現実路線の傾向があったのに対し
少数意見は正義観の発露、理想路線の傾向があった印象が残っています。

ただ、最近は最高裁の路線も変化しているようで
立法や行政に対して違憲判断を突きつける場面もあったりして
『憲法の番人』としての面目を保っているようです。

最高裁の暗闘 少数意見が時代を切り開く (朝日新書)
山口 進,宮地ゆう
朝日新聞出版


ここ10年の最高裁の変化は
93年の細川内閣発足以来の政治上の変動が反映されたとも言えるし
戦後生まれの世代が最高裁の判事に就任する時期になってきたせいともいえます。
いずれにせよ、最高裁といえども時代の変化に対応せざるをえないわけで
そういう意味では最高裁の変遷を法社会学的に研究するのは
面白い課題かもしれませんね。

本書でも触れられていましたが
立法化する際は内閣の法制局でも慎重な検討を加えられます。
にもかかわらず最高裁に「違憲」判断を下されてしまうと
立法府や行政府のメンツが丸つぶれになってしまう一面もあるわけです。
メンツというウエットな言い方をしましたが
それこそが立法権や行政権行使への抑制になり
三権分立の本質でもあるのです。

法律の違憲審査をしない最高裁判所なんて
どーかしてるぜ!(笑)
まあ、しょっちゅう違憲判断を出されても
社会的混乱を招き迷惑なわけですが。


ある紛争について最高裁判決で少数意見が出始めるということは
立法府や行政府に対し法律改正の必要性を示唆するシグナルとも言えるでしょう。

立法府や行政府がそのシグナルを
敏感に感じ取ることも必要になってきます。
鈍感にもそれを見過ごしたり、怠慢にも問題を先送りしていると
そのうち「違憲判決」が出されることになるのだと思います。


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