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ちょっとだけスパイシー

六甲を全山縦走するぞ!(4)

2010-11-07 | 六甲を全山縦走するぞ!
須磨アルプスを下り、
妙法寺を抜けて高取山に向かうと・・・

地図には書いてあるのだが、
登山道ではなく、
バスが通っているような普通の道ばかり。

標識もあるにはあるのだが、
分かりにくい。

汚い恰好で(?)トロトロ歩いていると、
後ろから、60を超えたぐらいのオジサンから、

「何年目や!」

と急に声をかけられた。

「11年目」

とすぐに返事をする。


絶対に普通の人には解らない会話だろう。
脳出血や脳梗塞になった人にしか解らない会話だ。

まだ遠くの方に見える高取山の方を指さして、

「あの山まで行くんか?」

「うん!」

ぶっきらぼうと言うより、
必要最低限の語句しかいわないオジサンだ。

「わしは16年や。あの山へもよう登った。
 何回こけたかわからん」

よっぽど注意しないと解らないが、
左足が少しだけ動きが鈍い。

「昔は、よー酒飲んでなぁ~
 医者から、死ぬぞと言われても止めんかったら、このザマや!」

「いっしょや! オレもよー飲んでん」

「ワシも山の方に行くから付いて一たるワ」

「全然しゃべられへんかったんや。
 今はしゃべれるけどな。
 酒もタバコも止めてん・・・」

このオジサン、しっかりした足取りで前を歩いて行く。
話し出したら止まらない性格なのだろう。
一人でしゃべっている。

私は疲れが溜まって来て、
歩き方もヘンになって来ている。

もう少し、ゆっくり歩いてくれたら有難いのだが、
きっと優しいがワガママな性格なのだろう。

10分ほど歩いて登山道入口に来た。

「こっからや!
 頑張ってや!
 ほら、これ上げるわ」

とミカンを2個ビニール袋から取出し、
私の方に差し出した。

「ありがとー、遠慮なく貰うわ」


受け取ってお礼を言うと、
黙って来た道を後戻りしていった。

おもろいオッサンや。
道案内とミカンは有難い。

また一人で歩き出す。




須磨アルプスまでは人がたくさんいたのに、
この山では誰にも会わない。

確かに良く滑るみちで、
何度もこけたというのが良く分かる。

1度だけ、貰ったミカンを食べる間だけ休憩し、
一気に頂上まで歩いた。






神社にあるベンチに腰かけて、
お茶を飲みながら地図を広げる。

疲れた。





もう2時を少し回った。
この山で、ゆっくり休憩し、
鵯越駅まで行って帰ることにしよう。






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