徒然日記

街の小児科医のつれづれ日記です。

「漢方セミナー」に参加してきました。

2009年12月06日 22時11分11秒 | 小児科診療
「漢方ステップアップセミナー」へ参加するために前橋まで行ってきました。

講師は大野修司先生。
漢方薬局の息子として育ち、薬科大学を卒業後に医学部に入り直し、漢方を極めるためにその源流である中国医学(中医学と呼びます)を勉強するために中国へ留学までした達人です。現在は埼玉県で開業する実地医家でもあります。
また、「インターネット漢方塾」というバーチャル学校を主催する塾長でもあります(私も一応生徒です)。

2回で完結という設定のセミナーで、前回(4月)は入門編、今回は応用編です。
内容も生薬の性質から方剤の考え方と一歩踏み込んだものとなり、今まで知識の整理と、わかったつもりでも十分理解していなかった概念の再確認ができて勉強になりました。
実際の経験症例の話を交えての解説(失敗談も含め)はとてもわかりやすく、私には珍しくうたた寝する暇もなく最後まで楽しく聴講できました。

中でも「メンゲン」の経験談は興味深く拝聴しました。
漢方を内服した後、一過性に症状が悪化することを「メンゲン」と呼びます。
しかし、実際に出会うと大野先生ほどのベテランでも「副作用ではないか」とあたふたしてしまうとのこと。
それが過ぎると症状も一緒に消えて治ってしまいますが、改善するまでは寿命が縮むと言っていました。

よく民間療法・詐欺療法で、症状が悪化すると「今まで溜まった毒が出てきたところ」とか「好転反応」とか説明して逃げる業者がいるようですが、この漢方の概念を借用したものかもしれません。
でも「メンゲン」はあくまでも一過性であり、ずっと続くのは「副作用」以外の何者でもありませんのでご注意を!

明日からの診療に役立つ知識を詰め込んで帰ってきました。
館林から参加された先生が私の他に2名、いらっしゃいました。
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