徒然日記

街の小児科医のつれづれ日記です。

「続・三丁目の夕日」を観てきました。

2007年11月11日 07時52分38秒 | 日記
 「続・三丁目の夕日」を観てきました。
 映画がヒットしている割にはあまり知られていないようですが、西岸良平さん原作の漫画はずいぶん昔に書かれています。私が大学生だった25年前に購入して読んだ記憶がありますので。でも、その当時の日本にはまだ「昭和」を懐かしむ雰囲気が乏しく、ヒットしませんでした。「平成」の世の中になり、社会が変化してきたのでようやく「懐かしき昭和」となってきたのでしょう。つまり、時代が漫画に追いついてきたケースだと思います。
 
 土曜日夜の映画館は私よりも高齢の方々も多く、若いカップルや家族連れも見られ、観客はバラエティに富んでいました。
 映画の舞台である昭和30年代の町並みを見るだけでおじさんの涙腺は緩んでしまいます。怒ると怖かった親父も今は鬼籍に入っています。「ずいぶん遠くまで来たんだな~」という感慨。

 私の子ども時代は昭和40年代ですが、当時住んでいた平屋の集合住宅にはまぎれもなく昭和の雰囲気がありました。それは何かと言うと「貧乏」「人と人とのつながり」「人と自然とのつながり」が今より濃いという事かな。
 お母さんがたは井戸端会議で盛り上がり、子どもは田んぼを走り回り、小川で水遊びをし、昆虫や魚を相手に日々過ごしていました。近所に水のきれいな川があったのですが、水中眼鏡を付けてもぐって安で魚を突いていました。川辺には高さ30mくらいの木々が生い茂り、学校ではおとなしくて目立たない友達がいざ木登りになると誰もかなわなかったことも覚えています。

 でも、私が中学生の時に学校から「遊泳禁止令」が出て、川で遊べなくなりました。
 その後私は隣町に転居しましたが、大人になってから時々昔住んでいた場所に足が向きます。
 集合住宅は取り壊され、今は高層住宅が建っています。まわりの田んぼもほとんど無くなっています。
 狭い通学路(子どもの頃は広く感じた)はそのままですが、記憶を辿るのが難しいほど周辺は変わってしまいました。
 その中で一カ所、変わったいない場所を見つけました。
 神社です。
 秘密基地を作った鎮守の森や、砂場・鉄棒、野球用のバックネット、30年以上経過してもそのままでした。
 タイムスリップしたような感覚。デジカメで写真をパシャパシャ撮りました。
 遊んでいた子どもにジロジロ見られ「おじさん、ストーカー?」と言われてしまいましたが。

 映画の中で、薬師丸ひろ子は第一作に続きよい演技をしています。
 同世代でリアルタイムにデビューからファンとして見守ってきた私にはうれしい事です。
 それから、三浦友和演じる「悪魔先生」もいい味出してますね~。

 映画のストーリーは一つですが、観客は「自分の昭和物語」を振り返りながら観ていたのでしょう。
 現在、「人と人とのつながり」「人と自然とのつながり」が薄まってきています。
 危険ですね。

 
 

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