BOXING観戦日記

WOWOWエキサイトマッチなどの観戦記

WBC世界フライ級タイトルマッチ 内藤大助VSポンサクレック・ウォンジョンカム

2008-03-08 22:05:22 | Boxing
内藤 スプリットドローで防衛成功

オフィシャルジャッジ 115-114 ポン 115-113 内藤 114-114 ドロー

管理人採点 115-114 ポンサクレック

1R

右回り主体の内藤。
伸びのある左ストレートをボディへ突き刺すポンサクレック。
左を大振りがことごとく空を切る内藤、後半への伏線か?
パンチの精度でポン10-9。

2R

内藤のあっち向いてホイのボディが効果的。
右ストレートも伸びる。
ポンサクレックの左フェイントからのノーモーションの右フックが強い。
有効打数で上回った内藤の10-9。

3R

クロスレンジでのポンサクレックのショートコンビネーションが光る。
ワン・ツーと逆ワン・ツーもスムーズ。
内藤は左回りと右ストレートで対抗。
ポンサクレックの左ストレートはバックステップで軽くかわす。
ポンサクレックの攻勢で10-9。

4R

内藤が前回の対戦で見せなかったジャブを放つ。
前後左右へのステップワークと中間距離を維持。
ポンサクレックはストレートの差し合いに応じる。
有効打数で内藤10-9。
ここまでオフィシャルスコアは38-38 38-38 39-37で若干ポンサクレックリード。

5R

内藤のフットワークにリズムが出てきた。
ボディ、顔面に遠距離からストレートがヒット。
左右のショートアッパーで応戦するポンサクレック。
有効打で内藤10-9。

6R

序盤に内藤の変則パンチがヒットするも、
1分過ぎからはポンサクレックのガードが高く、的中率は低い。
対するポンサクレック、左のショートと右フックをコンパクトに当てる。
ラウンド終了間際のポンサクレックの右フックを評価してポンサクレック10-9。

7R

内藤の右ストレートにポンサクレックが右フックをカウンターで合わせる。
当たりはしなかったものの、内藤に飛び込みをためらわせる空振りだった。
有効打はともに10。
一発の威力で内藤10-9。

8R

左回り、右回り、前後左右へのステップワークから右ストレートをコツコツ当てていく内藤。
ポンサクレックの右フック、左ストレートを軽やかにいなせるようになってきた。
内藤の10-9。
ここまで 78-74 76-76 76-76で内藤リード

9R

オープンスコアリングで前回同様攻勢を仕掛けるポンサクレック。
エキサイトしてクリンチから内藤を投げてしまう。
右フックからの近接格闘を挑むポンサクレックを内藤が明らかに嫌がる。
後半内藤が盛り返し、顔面への右ストレートとボディへの左フックで応戦。
攻勢と有効打で若干ポンサクレックが優るもレスリング行為の印象悪し(内藤のナイスパフォーマンス)。
10-10。

10R

難しいラウンド。
ポンサクレックの右フックか内藤のラウンド最後の右ショートか。
パンチの的中精度でポンサクレック10-9。

11R

左ボディ、バッティング、右ストレート(またはフック)で出入りする内藤だが、
ポンサクレックのアッパーを交えたショートのコンビネーションが見栄え良し。
ポンサクレック10-9。

12R

根性勝負。
よく2人とも最終ラウンドでここまで動けるな。
パンチの的中率でポンサクレック10-9。

総評

一言で言えば、これぞ世界タイトルマッチ。
正当派サウスポーVS変則右ボクサーパンチャーの、
メンタル、フィジカル、技術、戦略のぶつかり合いだった。
頭を第三のパンチとして要所で活用した内藤に対して、
右足で内藤の左足を再三再四踏みつけるポンサクレックと、
ダーティーテクニシャン対決でも魅せる。
ポンサクレックは前回の対決で内藤の右回りに封じ込められた感のある右フックを
放つ前に左のフェイントを入れていたのが光った。
左肩を数cm前に入れて、左の体側を軸に鋭く振りぬく右フックは威力、迫力ともに十分。
内藤も内藤で、前回要所でポイントを奪った左右ロングフックを封印、
右ストレートと左ボディに賭けるも、アピール度は前回に劣ったように思う。
しかし、フィジカルとメンタルのコンディションは両者とも前回より格段に上。
これはもう実力者同士の将棋の世界。
繰り出す一手ごとに勝敗が裏返っていた。
前回に115-113で内藤を支持したヒューバート・ミンが
今回は114-114だったことが勝敗を文字通り”分けた”。
が、世間は韓国人ジャッジを責めるんだろうな。
『結果(ドロー防衛)だけ』は管理人の予想が当たっちゃったね。
もうこの2人は戦っちゃダメ。
お互いがお互いの価値を最大限に高めたこの試合で因縁には決着が着いたと見るべきだ。
両者を称えようではないか。