BOXING観戦日記

WOWOWエキサイトマッチなどの観戦記

WBO世界Sバンタム級タイトルマッチ

2012-12-18 02:23:18 | Boxing
王者 ノニト・ドネア VS 挑戦者 ホルヘ・アルセ

ドネア 3ラウンドTKO勝利

考察 ~ドネア~

3ラウンド冒頭に見せた上下のコンビネーション。
左のスマッシュから右の打ち下ろしのセットは
はじめの一歩のヴォルグが見せたホワイト・ファングか。
あれがもし綺麗に決まったらひとたまりもない。
C・ミハレスも武恵一アッパー見せたりしていたし、
外国人ボクサーは時折、日本の漫画的ムーブを披露してくれる。

バレラ戦やハットン戦を見る限りパッキャオはクリンチ嫌いと断言できるが、
ドネアもまたその系統らしい。
左手一本でアルセをひっぺがすところなど、
左の腕力自体も相当なものだと推測できる。

ドネアの戦い方を見ていると羽生善治の言葉を思い出す。
曰く
「棋士の対局は剣豪同士の戦いに似ている。
 切っ先が鼻先をかすめても読みきっていれば大丈夫」

A・マレス、C・ミハレスあたりでも勝てないでしょう。
なんとcrowd-pleasingな男だろう。
Fighter of the Yearを贈る。


考察 ~アルセ~

戦略は明確。
とにかくロープに押し込んで連打。
バスケスJr戦の2匹目のドジョウ狙い。
試合前は西岡を臆病者だとこきおろしていたが、
勇敢に戦えばいいってものでもないだろう。

2ラウンドのダウンで早くも開き直った感があったが、
それにしても10cmぐらいの隙間からのパンチでも倒されるもんですね。
浜田剛史の拳一つ分あれば倒せる論がまたも実証された。

最後の左フックを食らう直前、ガードを解いたのは
打ちにいく戦士の本能か、それとも閃光の如き一瞬のフェイントに
思わず反応させられてしまったからなのか。
多分その両方なのだろうな。
アルセにしか見えないフェイント、アルセだけが反応してしまうフェイント。

引退宣言したが、メキシカンは2度引退するという格言通りに、
解説者をしながらも血が騒いで復帰 → 負け → あらためて引退
という構図が見えてくる。