BOXING観戦日記

WOWOWエキサイトマッチなどの観戦記

WBA世界Sフェザー級タイトルマッチ

2010-09-20 23:38:09 | Boxing
王者 内山高志 VS 挑戦者 ロイ・ムクリス

内山 5ラウンドTKO勝利

考察 ~内山~

攻撃の派手さに欠けること、それ自体がパンチ力を物語る。
謙虚な人柄であることは本当なのだろうが、
自身のパンチに関するプライドは人一倍だろう。
その哲学がボクシングによく表れている。

徳山好みのリードを決しておろそかにしないスタイルは
ボクシングの王道で、防御については見栄えするボディワークや
堅牢なブロッキングを駆使することもない。
しかし、前述のリードの効果により相手のカウンター機会を着実に潰しており、
この王者のボクシングIQの高さを証明している。
また相手との距離を相当長くとっていたが、
相手のパンチの伸びを警戒するのと同時に、
自身の踏み込みが最も生きる距離にもなっていた。

今後の相手は確実に右対策を練ってくるに違いないが、
結局は内山の打つ布石の一つ一つが丁寧にそれを攻略していくと思われる。
まあ、なんちゃって世界ランカー相手の防衛路線はもう終わり。
来年早々にはリナレスとの激突が待たれる。


考察 ~ムクリス~

正直この選手の実力は東洋太平洋タイトル争いレベルかな。
試合前の映像で泣きマネージャーを偲んで号泣するところでは
私も不覚にもウルっときてしまった。
クリス・ジョンよりも根性があるとジョンのトレーナーが評していたが、
ジョンは別に根性を売りにするボクサーではないので、
実際は大したことないなと感じたその通りに、
特に光る技術は持ち合わせていなかった。
打ち下ろし気味の右には一瞬ヒヤリとさせられたが、
当の本人は楽々はずされているとの感覚だったのではないか。
逆に相手の右がいつ自分に当たるかとヒヤヒヤしていたのでは?
それにしても、まあ、見事に仕留められたね。
効かされてからの詰めの6発は最後の一発を左肩で受けた以外は
全部顔面に入っていた。
担架で運ばれていたが無事なのだろうか?


PS.

今回のダブルのカードをテレビ視聴して感じたことは
徳山は実に解説向きだということ。
やたらに日本の選手を持ち上げる実況・解説が跋扈する中、
あまりにも冷静に淡々と戦局分析し続けるその様は
在日という反骨のルーツがあるからだろうか?
それとも、かつて自身が長期政権を築いた王座を求めて眼前で戦う
Sフライ級コンテンダー達に単に熱くなれなかっただけなのだろうか?
承認団体は違えど同階級の名城にもえらい辛口だったからね。

WBC世界Sフライ級王座決定戦

2010-09-20 23:04:03 | Boxing
河野公平 VS トマス・ロハス

ロハス 判定勝利

考察 ~ロハス~

どこかで見たことあるなと思ったらダルチニャンと対戦歴ありか。
ダッキングしたらパンチが飛んできたアレね。
ミハレスと似ていると実況が言っていた通り、
長身でリーチに恵まれ、フットワークも冴え、ボディワークも柔軟。
ついでにミハレスと同じくダルチニャンにKOされている。
肘の角度をキメたアッパーは射程が長く、タメが無い。
右はボディに突き刺さり、左は顔面を跳ね上げるそのアッパーは
試合全般を通じて面白いようにヒットし、
リズムを生命線とするボクシングをさらにリズミカルにした。
ディフェンスでは相手の雑さに相当助けられたが、
下げた右でレバーをカバーし、脇を締めた右肩で顎をカバーし、
左を貯めるスタイルはボクサー型サウスポーの定石のひとつ。
これでサイドステップとピボットが上手いのだから
直線ファイターではパンチは当たらない。
しかし、これまでの負け数からして河野にとっては千載一遇のチャンスかと
思ったが、調べてみるとキャリア序盤の負け+中盤での名立たる相手への負けなんだね。
叩き上げのメキシカンがようやく上昇気流に乗ったのだろうが、
穴はまだまだあるだろう。
この試合ではそれが見えにくかっただけだ。


考察 ~河野~

粟生-ラリオスⅠや名城-カサレスⅡのKamikaze Attackを
またも見ることになるとは……
顔面を突き出して前進してはいかんのだ。
本人はガードを固めているつもりかもしれないが、
なぜ最初の一歩を踏み出す前にフェイントなりジャブなりが出せないのか。
サイドにかわしていく相手を負うのに、状態から突っ込んで行くのを見て
「闘牛かいな!?」と呟いてしまった。
手数で押し切るスタイルから強いパンチを当てたい(≠当てにいく)スタイルに
変身したことでディフェンスの穴はそのままに、さらに隙が増えた。
7ラウンド以降のボディからの失速でTough Boyの異名も返上する時が
来たのかと感じたファンは多いと思われる。

肉体改造失敗?言い訳にはならない。
減量失敗?それも言い訳にはならない。
歴戦の疲れ?そういうスタイルだからしゃーない。
敗因はいくらでも出てくるが、それを分析しても虚しいだけだ。

最終ラウンドの見せ場はボクシングの神様が
ほんの少しだけ微笑んでくれたのかな。
……川嶋なら最終ラウンドの一発で沈めたのだろうか。

タイトルマッチ予想

2010-09-20 00:18:11 | Boxing
対戦相手をよく知らないので以下は全て勘に依ります。

WBA世界Sフェザー級タイトルマッチ
王者 内山高志 VS 挑戦者 ロイ・ムクリス

予想

内山の中盤KO勝利

戴冠、初防衛と評価を順調に上げている。
坂東ヒーローに不覚を取りかけたのも今は昔。
年齢的に肉体も精神も今がピークだろう。
リナレスとの激突が興味深いので、
勝手に内山勝利を確信している。


WBC世界Sフライ級王座決定戦
河野公平 VS トマス・ロハス

予想

ロハス スプリットディシジョンで勝利

今さら承認団体にケチをつけてもしゃーないが、
日本伝統のSフライ級歴代世界王者では
明らかにWBC王者の方が私的評価は上となる。
河野の評価は名城への惜敗が大きな割合を占めるが、
どうもこのチャンスを掴めないような嫌な予感がする。
川嶋、坂田の系譜に連なる泥臭いファイターなので嫌いなわけではない。