コロンブドール

Les Films de la Colombe d'Or 白鳩が黄金の鳩になるよう人生ドラマを語る!私家版萬日誌

詩人 杉山平一さんが永眠されました。心より御冥福 お祈り申しあげます。

2012-05-22 | -お知らせ-
 詩人で映画評論家の杉山平一先生が、
 19日午前9時20分肺炎のため兵庫県西宮市の病院で永眠されました。97歳。

    先生御天寿を全うされました由、謹んで哀悼の意を表し
          故人の多大な御功績をたたえ、謹んでご冥福をお祈り申しあげます。


 杉山平一先生は、現代詩人会会長、関西詩人協会代表、大阪シナリオ学校長なども歴任されました。
先生とは直接お会いすることが出来ませんでしたが、出版社「竹林館」社主で関西詩人協会委員の左子さんから先生のご様子を時々お伺いしていました。昨年では、先生のご様子大変お元気とのご連絡を頂いていましたので安心していた次第ですが、ついにお会い出来ず真に残念です・・・。
 もし先生の映画評論「映画芸術への招待」を知らなかったなら、映画映像業界に自信を持って飛び込み人生の大半を費やす事もなかったように思われます。「映画」に対して固辞出来たのも先生が「映画はうつすのでなく、作られるもの、モンタージュするものである、このモンタージュというものによって、映画は芸術の仲間入りができる。」と教えて下さったからだと思います。もともと先生を知ったのは、多分希望を失っていた高校一年頃だと思いますが、NHKが午後二時から放送していました「女性手帳」という番組で、先生が数回この「映画芸術への招待」を話されたのを見たのが最初でした。その先生の映画の見方に衝撃を得て、その後単なる映画が ー人生を豊かにする映画ー に変貌しどんな映画もその製作者の製作意図を理論を持って考える事(理論ある演出)が出来るようになりました。
 特に、「フォトジェニック」という事を知り、レンズを通し何か魔法にかかったように映像と事実は違うという事を学んだことは、その後の映画映像の世界で特に役に立ち自分自身の映画に対する幹に成り得ました。そして今でもこの本で参考にされている名画「羅生門」「アッシャー家の末裔」ジャン・コクトー映画など何度も繰り返し観ています。特にまだフイルムセンターのスクリーンでは「アッシャー家の末裔」を観る事が出来、観るたびに新しい発見をしている次第です。そしてその「フォトジェニック」が先生の ー詩もまたモンタージュであるー という持論も理解できた次第です。また更に私自身で理論ある演出を発展させたのが、詩人で脚本家のジャック・プレヴェール研究に繋がりました。それも先生の持論 ー詩もまたモンタージュであるー という教えに出会えたからこそだと自負させて戴いてます。
 まだまだ言い尽くせない事柄がいっぱいありますが、真に先生のおかげでどうにか映画映像業界でやって来られたという事実は間違いない事実です。杉山先生ありがとうございました。
 葬儀 告別式、
東京からですが見送りさせて戴きたいと思い先生のご冥福を祈って手を合わせてもらいます。

 昭和18年発行 詩集「夜学生」 再販版ですが今後も手元に置き
 何度も読まさせて戴きたいと思う所存であります・・・。


   詩人の杉山平一さん死去、97歳  関西詩壇の最長老、映画評論家
                         産経ニュースWEST 2012.5.19 22:29

   詩人・杉山平一さん死去 映画評論でも活躍  神戸新聞 2012/05/19 21:44

   私と詩  杉山平一 関西詩人協会

『アッシャー家の末裔』(1928)

杉山先生が「フォトジェニック」の参考映画にしていた仏映画「アッシャー家の末裔」1928年製作






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