コロンブドール

Les Films de la Colombe d'Or 白鳩が黄金の鳩になるよう人生ドラマを語る!私家版萬日誌

「ワーニャおじさん」 米倉斉加年主催 「海流座」 第3回公演

2009-09-09 | 脳裏のなかで
      米倉斉加年主催 「海流座」 第3回公演 チェーホフ作 「ワーニャおじさん」
        アルテリオ小劇場 川崎 新百合ヶ丘  観劇鑑賞 7月10日(金)18:30開演

 昨日の公演(7/11記)、昨今なかなか上演されない旧帝政ロシア時代のチェーホフの作品 「ワーニャおじさん」楽しみました。
特にエレーナが”芸術”という響きで芸術教授を夫にしてしまった苦悩と帝政身分社会から離れれ開き直っている無頼派の医師との恋の狭間での葛藤がその内面から感じられました。
 社会主義ソ連建国前の旧い帝政ロシアでの田舎が舞台の話しですが、都市部での労働者の姿が今日の資本主義の崩壊 今の社会状況と同じようで面白く観られました。
 また 舞台セットが素晴らしく良かっです。
特に 教授の部屋がモノトーン黒色に統一され、またそれに伴い、その場面の舞台に立っている俳優の衣装も皆黒色に統一されていました。舞台セットと衣裳の”色カラー”により白黒はっきり心の本音を語っているようで、故にこの舞台ドラマのーキーポイントーのようにも感じられ、俳優の葛藤と美術セットから導かれる”真実”が漂う舞台にワクワクしながら引きずり込まれ観てしまいました。
”黒”色が全ての光りを吸い込むように、都会の帝政物資(資本主義に近い)主義の教授が”田舎の全て”を吸い込むかのようにと・・・。
 またその教授役で、米倉斉加年さんの舞台を初めて観られたのも嬉しい限りです!

 ただ、開演時間に間に合わず頭の一場ちょっと観る事が出来なかったのが残念でしたがー。
 観劇後、出演者関係者にこの感想をお伝えしましたら
「米倉さんは美術センスも抜群なのです!」と御返事を戴きました。いたく納得した舞台でした。
 また日本の何処かでこの舞台が上演されていましたら是非観に行って下さい。
 社会共産主義が崩壊し、資本主義も傾き、古く強固な保守地盤さえも足元から崩れる
 今だこそ、特に面白く感じられること受け合いです!!


記録Memo
 【チラシから】
 米倉斉加年主催「海流座」第3回公演です。チェーホフ作「ワーニャおじさん」を上演いたします。
チェーホフは、米倉の師である故宇野重吉が終生こだわり続けた劇作家です。
その作品を個人的にも縁の深い、ここ新百合ヶ丘で上演できることを大変嬉しく思っております。
 チェーホフの作品は旧ロシアからソ連邦時代を経て、現在のロシアに至っても、人々から愛され上演され続けています。
 この名作に正面から取り組んで上演します。

【公演日時】 2009年7月10日(金)13:00開演
          7月10日(金)18:30開演
          7月11日(土)13:00開演
          7月11日(土)18:30開演
          7月12日(日)13:00開演
【会  場】 アルテリオ小劇場 新百合ヶ丘
【出  演】 演出・セレブリャーコーフ  米倉斉加年
       エレーナ      若杉 民/新澤 泉
       ソーニャ      渡辺えりか
       ヴォイニーツカヤ 溝口貴子
       ヴォイニーツキー(ワーニャ)  助川 汎
       アーストロフ   上野日呂登
       テレーギン    貞永 淳
       マリーナ      青山恵子

       美  術    か の
       演出助手   尾鼻 隆
       制  作    釘崎康治

追 伸
米倉斉加年さん主催の「海流座」のHP関係を探していたらもっと的確な感想Blogがあり紹介 
   海流座 「ワーニャ叔父さん」 andyandyworld
 「ワーニャ叔父さん」は喜劇であるという命題は、チェーホフ自身の言葉でもありますね。
 今回の「ワーニャ叔父さん」は、その意味で成功しています。