★ 私のクラシック音楽館 (MCM) ★ 蔵 志津久

クラシック音楽研究者 蔵 志津久によるCD/DVDの名曲・名盤の紹介および最新コンサート情報/新刊書のブログ

◇クラシック音楽◇スゼーのドビュッシー:歌曲集

2008-05-17 08:12:45 | 歌曲(男声)

ドビュッシー:歌曲集 
             

  1. マンドリン
  2. 美しい夕暮れ
  3. 忘れられたアリエッタ~第4曲 木馬
  4. 同~第5曲 グリーン
  5. 噴水
  6. 海は美しい
  7. 羊の群と立ちならぶ生垣は…
  8. 「艶なる宴」第2集
  9. フランスの2つのシャンソン
  10. フランソワ・ヴィヨンの3つのバラード
  11. 2人の恋人の散歩道

演奏:バリトン=ジェラール・スゼー
    ピアノ=ダルトン・ボールドウィン

CD:ポリドール POCG3038

  日本人は学校で最初に、シューベルトとかシューマンなどのドイツリートや合唱曲を教え込まれる。これは今も変わっていないと思う。リートとか合唱曲はドイツがベースとなって歌ったり、聴いたりしてきた。そんな環境でフランスのリートを聴いたらどうなるか。一瞬聴くとやはり違和感が先に立つ。しかし、ドイツリートをベースに聴くからそう感じるだけなんだろう。このCDのドビュッシーのリートを聴くと最初どうしても違和感にとらわれる。しかし、じっと聴いていくうちその違和感も徐々に薄れ、逆にそこはかとない感覚が、何か東洋的な趣がしてくるから不思議だ。私はこのドビュッシーのリートを聴くと“百人一首”の世界を思い浮かべる。

  バリトンのジェラール・スゼーはフランス人のバリトンで、当然のことながらドビュッシー、フォーレ、デュパルクなどを得意としてきた。一方、シューベルトやシューマンなどドイツリートもCDに録音している。スゼーの録音したシューマンの“詩人の恋”は今でも私のお気に入りNo.1である。スゼーはこれまで“ビロードのような美しい声”で、幾多のリスナーを魅了してきた。ピアノ伴奏のボールドウィンとの息がぴったり合っていることも、魅力を倍増させている。このドビュッシーのリートを収めたCDの最初の曲は“美しい夕暮れ”であるが、フランスのリートは何故か夕暮れに聴くとその魅力が一層深まる。(蔵 志津久)


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