【歴史的名盤CD選集】
~イタリアの名ピアニスト アルトゥーロ・ベネデッティ・ミケランジェリのライヴ録音盤~
<Disk1>
シューマン:ウィーンの謝肉祭の道化芝居
謝肉祭
<Disk2>
ドビュッシー:映像第2集
第2曲 荒れた寺にかかる月
第1曲 葉ずえを渡る鐘
映像第Ⅰ集
第2曲 ラモー讃歌
第1曲 水に映る影
ショパン:幻想曲
バラード第1番
モンポウ:第6曲 歌(「歌と踊り」から)
ショパン:ワルツ 変ホ長調(遺作)
リハーサル風景
録音:1957年3月4日、ロンドン、ロイヤル・フェスティバル・ホール(ライヴ録音)
CD:TESTAMENT SBT 2088
ピアノ:アルトゥーロ・ベネデッティ・ミケランジェリ
このCDは、イタリアの名ピアニストであったアルトゥーロ・ベネデッティ・ミケランジェリ(1920年―1995年)がロンドンで開催したリサイタルの模様を就労した2枚組のアルバムである。2枚組としたためか、32分強のリハーサル風景が収録されており、ミケランジェリの肉声が聴くことができる貴重な録音。ベネデッティ・ミケランジェリは、抜群のテクニックを有し、色彩感豊かなダイナミックでスケールの大きな演奏が特徴で、このCDに収録されているシューマン、ショパン、ドビュッシーなどを得意にしていた。ミケランジェリは10歳でミラノ音楽院に入学。1939年「ジュネーヴ国際音楽コンクール」で優勝し、審査員長のアルフレッド・コルトーから「リストの再来」と賞賛されたという。初来日は1965年。ミケランジェリは極端な完璧主義者で、専用のピアノでなければ演奏しないし、調律師を同行させたりもした。また、体調の不調などの理由でよく演奏をキャンセルすることがあったが、来日時も演奏会をキャンセルして物議を醸した。ミケランジェリの演奏そのものには誰もが皆脱帽するが、演奏以外でトラブルを引き起こすことでも知られていた。このCDはライヴ録音であることから、ミケランジェリの生の演奏の様子が手に取るように聴き取れる。ピアノの音そのものが今聴いても生き生きと躍動することに驚かされる。(蔵 志津久)