山里は冬ぞ寂しさまさりける人目も草もかれぬと思へば
源宗干
心あてに折らばや折らむ初霜の置きまどはせる白菊の花
凡河内躬恒
(おおしこうちのみつね)
秋されば雁の羽風に霜降りてさむき夜な夜な時雨さへふる
柿本人麻呂
かささぎのわたせる橋に置く霜の白きを見れば夜ぞ更けにける
大伴家持
駒とめて袖うちはらふ影もなし佐野のわたりの雪の夕暮
藤原定家
ひまもなく散るもみぢ葉に埋もれて庭のけしきも冬ごもりけり
崇徳院
我が宿は雪降りしきて道もなし踏み分けてとふ人しなければ
読人しらず
み吉野の山の白雪つもるらし故郷さむくなりまさるなり
坂上是則
淡路島かよふ千鳥の鳴く声にいく夜寝ざめぬ須磨の関守
源兼昌
近江の海夕なみ千鳥ながなけば心もしのにむかし思ほゆ
柿本人麻呂
寒き雨は枯野の原に降りしめて山松風の音だにもせず
永福門院
私は、やまとうたが好きです。俳句も川柳も狂歌も好きです。自分ではほとんどつくりませんが、ひとりで無言で畑仕事などしていて、今の季節にあったようなうたや句などが思い出せたら、それをかみしめ、人生を考えたり、自然の美しさを改めて感じたり、ウィットに感心したりして楽しことがあります。