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医学研究関連記事の新聞紙面から切り抜き
再生医療、薬理学、生理学、神経科学、創薬

ニコチンは乳がんを進行させる=ハーバード大学

2008年10月16日 | 癌、腫瘍
【10月16日 ワシントンD.C./米国発 AFP】ニコチンは、乳がんの腫瘍(しゅよう)の成長を促進する可能性があるとするハーバード大学(Harvard University)の研究結果が、15日の米医学誌『キャンサーリサーチ(Cancer Research)』に発表された。

 同大医学部ベス・イスラエル・ディーコネス医療センター(Beth Israel Deaconess Medical Center)の研究チームは、初めて、タバコに含まれるニコチンが乳腺細胞に及ぼす影響を調査し、ニコチンが乳がんの進行を促進する可能性があることを指摘した。

 チームは、乳房の上皮細胞とがん細胞の両方にニコチン受容体「nAChR」があることを突き止めた。この受容体は、ニコチンをとりこむと細胞の成長・移動を促進することが神経系では確認されているが、乳腺細胞などほかの細胞や組織でニコチン受容体がどのように機能するかはほとんど知られていない。

 また、動物実験の結果から、ニコチンは正常の細胞の成長と相互作用して、乳腺細胞の腫瘍の成長を助けていると結論付けた。論文は「さらなる調査が必要」だとしている。(c)AFP

[AFP BB News 2008年10月16日]
http://www.afpbb.com/article/life-culture/health/2529189/3433852

ウェブ検索は中高年の脳を活性化する=カリフォルニア大学ロスアンゼルス校

2008年10月16日 | 心のしくみ
【10月16日 ワシントンD.C./米国発 AFP】パソコンでのインターネット検索が中高年の脳を活性化するとの研究結果が、老年精神医学誌『American Journal of Geriatric Psychiatry』の最新号に掲載された。

 研究を行ったのは米カリフォルニア大学ロサンゼルス校(University of California in Los Angeles、UCLA)のチーム。研究の結果、ウェブ検索行為で脳中枢が活性化し、脳機能が刺激されるためとみられ、脳機能が向上する可能性があることも分かったという。

 実験は、神経学的に正常な55歳から76歳までの被験者24人を対象に行われた。被験者の半数はインターネット検索の経験があるグループ、残りの半数はネット検索の未経験者のグループだ。

 被験者は脳回路の変化を記録する機能的磁気共鳴画像(fMRI)診断装置を装着した状態で、ネット検索と読書を行った。その結果、ネット検索と読書の両方の行為で、全員に脳血流の変化がみられたが、ネット検索においては、検索経験者の脳血流変化は未経験者の2倍を記録した。さらに経験者グループでは、意思決定や論理思考をつかさどる脳の部位においても血流の活発化がみられた。

 このことから、ネット検索行為は神経回路に大きく影響するとの結論が導き出されたと、研究を主導したゲーリー・スモール(Gary Small)博士は話す。ただし、インターネットに慣れていることが前提だという。「ネット検索のように単純で日常的な行為が中高年の脳活動を向上させるということは、われわれの脳は年老いても学習し続ける能力があるということだ」
 
 今回の研究から、最新コンピューター技術がもたらす中高年への生理学的有効性が示唆されたと、スモール博士は期待を示す。またこの研究は、クロスワードパズルなど精神集中を持続させる複雑な活動が、脳の健康に効果的であることを新たに裏付けるものだという。(c)AFP

[AFP BB News 2008年10月16日]
http://www.afpbb.com/article/life-culture/health/2529416/3435525