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再生医療、薬理学、生理学、神経科学、創薬

パーキンソン病に発症関与の酵素発見=山形大学

2006年10月14日 | 創薬
 パーキンソン病の発症に深く関与している酵素を、山形大医学部の加藤丈夫教授(神経内科)らが突き止めた。

 この酵素の働きを阻害する治療薬を開発すれば、発病の予防や進行の抑制が期待できそうだ。米科学誌「ジャーナル・オブ・ニューロサイエンス」で発表した。

 パーキンソン病は、ふるえや手足の硬直などが特徴で、大脳の神経伝達物質の欠乏で起きる神経疾患。高齢者に多く、国内には約12万人の患者がいる。

 山形大医学部と、東京のベンチャー企業「ヒュービットジェノミクス」の研究チームは、パーキンソン病の患者286人と健常者496人の細胞を採取して比較した。

 その結果、細胞膜で刺激の伝達を調節する「GRK5」という酵素の遺伝子が、患者の細胞に大量に含まれていることがわかった。患者の脳の病変部位でもこの酵素の沈着が目立った。

 患者の脳では、特定のたんぱく質が化学変化を起こし、凝集する現象が起こる。この現象が進行することで、神経細胞が死に発病すると考えられている。研究チームは、GRK5が一連の現象を促進することも確認した。

[2006年10月14日/読売新聞]
http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20061014it13.htm