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大人の事情 スマホをのぞいたら (日本、2020年)

2021年01月27日 | 映画の感想・批評
世界18か国でリメイクされているという、イタリアのコメディ作品の日本版。オリジナル作品については予告編とチラシを見た記憶がある。

ほとんど舞台劇。
主な出演者は7人。3組の夫婦と独身男性ひとり。
年齢も職業もバラバラながら、とある事件をきっかけに、毎年必ず集まって食事をするというのがルールになっている。

カフェの雇われオーナーの夫(渕上泰史)がせっせと今夜の貸し切りパーティーの準備をしている。頼まれたスプラウトを買って帰ってきたものの、夫の望むブロッコリースプラウトでないことを気にかけて、買い直してこようかとおずおずと尋ねる妻(木南晴夏)。職業は獣医。二人は新婚。

ベランダの洗濯物を取り込みながら、ゲームにのめり込む息子たちを叱り飛ばしつつ、姑に「今夜はこれを食べさせて!」と外出準備に勤しむ妻(常盤貴子)。出がけに鳴ったスマホに反応して、ええ!な行動を。パラリーガルの夫(田口浩正)はどこかぼうっとした感あり。

オシャレで高級そうなお屋敷の夫婦。高校生くらいの娘がいる。夫(益岡徹)は美容外科医、妻(鈴木保奈美)は精神科医。ファッションもアクセサリーもブランド物をさり気なく着こなしている。夫婦揃って、凝った料理も手掛け、今日もお手間入りをご持参。例年は彼らのお屋敷でパーティーをしてきたが、今年は仲間の一人が雇われとはいえ、店長になったからと、彼のカフェに集まることになった。

唯一の独身男性(東山紀之)。なかなか姿を現さない。実はしばらく参加を躊躇していた。「恋人を連れてくるらしい」というので、皆待ち構えている。「どんな人だろう!彼が好きになるタイプは心配だけど、彼を好きになる人に間違いはないよね!」という一同の納得。


こんなメンバーがうち揃ったところで、「スマホを見せ合いっこしようよ。秘密なんて、みんな無いでしょ!」

そこから始まる、大混乱。まず最初にスマホが鳴ったのは・・・・・・
皆それぞれに隠し持つ重大な秘密。人間模様が明かされ、ぐいぐいと深層心理をえぐりだす。


あまり期待せずに、時間調整かねて観たが、なかなかどうして、面白かった。演技力のある俳優さん達ならではと言える。
観客も少なかったので、安心して一人でクスクス、ニマニマ、笑ってしまう。

脚本が朝ドラ「ひよっこ」や昨年秋のドラマ「姉ちゃんの恋人」の岡田惠和さん。
なるほど、とことんの大悪人は居ないはず。
そんなことないかしら?
秘密のある人にはハラハラドキドキかな。
笑ってみていられるのは幸せな証拠か、はたまた能天気か?


ようやく、この7人の共通体験が明かされ、大団円となるのだが、はたして許しあっていいものなの?
そこはドラマだし・・・・・・

積み重ねていたコンビーフ缶詰、懐かしい。食べたくなった。そうか、相当しょっぱいんだったっけ。

(アロママ)

監督:光野道夫
脚本:岡田惠和
撮影:須藤康夫
出演:東山紀之、常盤貴子、益岡徹、田口浩正、木南晴夏、渕上泰史、鈴木保奈美