チョイさんの沖縄日記

辺野古や高江の問題等に関する日々の備忘録
 

またまた防衛局の違法行為---K8護岸を使った土砂の陸揚げが始まる! 護岸の構造が完全に変更されており、知事への変更申請が必要

2019年06月05日 | 沖縄日記・辺野古

 防衛局は、6月3日の環境監視等委員会で、K8護岸から土砂の陸揚げを行うことを表明した。今日の朝日新聞は、来週10日(月)から作業が実施されると報じている。

 昨年12月14日から辺野古側への土砂投入が始まった。しかしすでに6ケ月近く経過しているにもかかわらず、作業は遅々として進んでいない。埋立承認願書の工程表では、辺野古側の埋立は6ケ月で終了するとされていたから、事業の遅れは著しい。

 これはもちろん、工事用ゲート前、海上、そして琉球セメント安和桟橋等での県民の抗議・阻止行動が大きいが、現状では、土砂の陸揚げ場所が大浦湾奥のK9護岸の1か所しかないためでもある。いくら土砂を海上搬送してきても、土砂の陸揚げが追い付かないのだ。

 そのため防衛局は、辺野古崎先端部からN4護岸、K8護岸の造成を急いできた。本来なら軟弱地盤問題等のため、大浦湾側の工事は全く目途が立たず、K8護岸を造成する必要は全くない。当初からK8護岸の造成は、土砂の陸揚げ場所とするためのものだと指摘されていたが、防衛局もそれを正式に認めたのである。

 しかし沖縄県は2017年当時から、K9護岸を石材の陸揚げのために使用することは、「K9護岸を願書に記載されていない桟橋として使用し、台船を接岸させて資材を搬入することは、実施設計の事前協議でも説明されれておらず、環境保全対策も示されていない」として再三にわたって中止を求めてきた(たとえば、2017年10月2日の翁長知事の行政指導とその際の知事コメント等)。しかし防衛局は、「(県が指摘する)『当初の目的にはない係船機能を持たせた施工は行っておらず、実施設計の事前協議の内容に変更はない」(2017年10月5日)として、知事の行政指導を無視してきたのである。

 沖縄県は、このK9護岸からの石材の陸揚げ問題を重視し、昨年8月31日の埋立承認撤回の理由の一つともした。それにもかかわらず、防衛局はK9護岸に加えて、K8護岸を土砂の陸揚げ場所としようとしているのだ。

            (第20回 環境監視等委員会 資料(2019.6.3)

 さらにK8護岸からの陸揚げは、K9護岸の場合以上に問題である。K9護岸からの石材の陸揚げは、100mだけ施工された護岸の先端部に台船をつけて行われていた。護岸の形状の変更はない(ただ、被覆ブロックではなく根固め用袋材使用、消波ブロックの位置変更等の構造変更はある)。だから防衛局も、「当初の目的にはない係船機能を持たせた施工は行っていない」と弁明してきた。

 しかしK8護岸からの陸揚げは、上の図のように護岸の先端部ではなく、途中の部分を膨らませてそこに台船をつけようとしている。護岸の構造・平面形状が変わってしまっており、知事への変更申請なしに実施することは認められない。

 防衛局は、K8護岸の膨らませた部分の構造、形状を明らかにし、県との協議を行わなければならない。

 県は、K8護岸からの土砂陸揚げについても、いずれ中止を求める行政指導を行うと思われる。しかし防衛局は、知事の行政指導を全て無視し、工事の強行を続けてきた。

 このままでは工事は加速してしまう。今こそ県は、埋立承認の再撤回、そしてサンゴ類の特別採捕許可申請の不許可、本部港(塩川地区)の港湾施設使用の不許可、さらに土砂条例や県土保全条例の改正、海砂採取の総量規制等、あらゆる方策を講じて工事を止めなければならない。

 

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