チョイさんの沖縄日記

辺野古や高江の問題等に関する日々の備忘録
 

那覇空港埋立と比較してもあまりに杜撰な辺野古の工事---外周護岸内側のフィルター層としての海砂設置もなし。危惧される汚濁の拡散。このままでの土砂投入はあり得ない!

2018年05月25日 | 沖縄日記・辺野古

  防衛局は、辺野古側の外周護岸の基礎部分が完成すれば、内側に土砂を投入すると報道されている。しかし、5月7日のブログでも説明したように、現在施工されているのはあくまでも護岸の下部工(基礎捨石と被覆ブロック)だけであり、最終完成時の天端の高さよりもまだ4.5mほども低い。満潮時には海面から1mほどの高さにすぎない。台風が来襲すれば、高波が容易に護岸を超えてしまう。内側の土砂をかき混ぜ、濁水が再度、護岸を超えて周辺の海に拡がってしまう。このような汚濁の拡散は、当然、当初の環境影響評価では考慮されていない。現状の高さのまま、外周が仕切られたからといって、土砂を投入することはあり得ないのだ。

 さらにもう一つ、重大な問題がある。たとえば現在進められている那覇空港第2滑走路増設事業と比較しても辺野古の工事はあまりに問題が多い。

 那覇空港の埋立の場合は、外周護岸の内側に濁水を浄化するためのフィルター層としての海砂を厚く設置している(下図参照、那覇空港滑走路増設埋立工事の赤土等流出防止条例に基づく事業行為通知書より)。事業行為通知書でも、「岩ズリ埋立前に濁水に対するフィルター層(海砂)を確認する」と明記されている。傾斜堤護岸の基礎捨石はゴロゴロとした大きな石なので、内側に土砂を投入した場合、濁水がそのまま外海に流出する。そのため、防砂シートだけではなく、フィルター層としての海砂を天端幅最低2m以上設置し、濁水を浄化することとなっているのだ。

 下の図の赤い部分が、外周護岸の内側に海砂をフィルターとして設置する箇所である。

 

 

 

 

 ところが、辺野古では傾斜堤護岸の内側に目潰砕石、防砂シートを設置しただけで土砂を投入するとされている。フィルター層としての海砂設置の予定はない。それどころか本年3月2日に契約した埋立工事の設計図書では、当初、護岸の内側に海砂を天端幅15mで設置すると明記されていたが、契約後すぐに「海砂は間違いだった」として全て岩ズリに変更されてしまっている(下表参照)。当初はフィルター層として海砂を厚く設置するはずだったにもかかわらず、変更設計でそれを無くしてしまったのである。防衛局は、フィルター層としての海砂設置を取止めた理由を説明しなければならない。

 しかも、現在は基礎捨石と被覆ブロックが設置されているだけである。まだ全周の内側に目潰し砕石や防砂シートを設置する必要があり、その工事にもかなりの手間暇がかかる。2箇所の暗渠工や防砂シート設置等を考慮しても、7月土砂投入の準備は整わない。

 内側には絶滅危惧種のサンゴ類も残っている。外周の仕切りが終ったからといって、内側に土砂を投入することはあり得ないのだ。

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