チョイさんの沖縄日記

辺野古や高江の問題等に関する日々の備忘録
 

「魂魄の塔」横での鉱山開発が始まる! 1月4日(水)現地集会に約150名が参加。今後の監視行動強化を確認

2023年01月04日 | 沖縄・南部土砂問題//遺骨問題 

 今日(1月4日・水)は、糸満市「魂魄の塔」前で、すぐ近くの熊野鉱山開発がいよいよ始まるというので、具志堅隆松さんらの呼びかけで「戦没者の尊厳を守る集会」が開催された。新年早々の集会だったが、南部各地区の島ぐるみ会議の皆さんをはじめ、県内全域から約150名もの方々が参加された。

 具志堅隆松さんの挨拶、私の経過報告の後、ご遺族の方々や南部地区の島ぐるみ会議の方々などの訴えが続いた。また、この集会のためにわざわざ駆けつけられた埼玉のTさんも、埼玉での取組を報告された。

 この問題の経過については、本ブログでも何度も説明しているので、右側のカテゴリー欄の「南部地区土砂問題」を参照されたい(直近の報告は、昨年12月29日のブログを参照)。

 今日の集会で私は概ね次のような話をした。

「県は、『戦没者の遺骨混りの土砂を使わないで』という県民の声に応えて一昨年5月、熊野鉱山の開発届に対して、自然公園法に基づく措置命令を出し、『掘採前の遺骨の確認、県との協議』等を指示した。しかし、業者はそれを不服として国の公害等調整委員会に審査を申立てた。昨年6月、公害等調整委員会は両者に『和解』案を提示、私たちは強く反対したが、県は受諾してしまった。

 この『和解』案は、業者は遺骨の確認もなしに掘採に入り、『工事の際に遺骨が発見されたときは、業者はその周辺半径5mの範囲で工事を2週間中止し、県のセンター等が調査、遺骨の収集を行う』というものにすぎない。特に南部の遺骨は細分化されたものが多く、業者が重機による掘採中に見つけることなど不可能に近い。また、措置命令に従わなかった場合は、知事は自然公園法に基づき中止命令を出すことができたが、今回の『和解』案には『拘束力』がなく、業者が掘採中に遺骨が見つかったにもかかわらず、県に報告しなくても何の罰則もない。

 また、今回、鉱山敷地外に『残土・石置場、鉱山道路、洗車場、駐車場、事務所』等が設けられることが明かになった。しかし県は、『審査中』を理由に、その内容を全く県民に説明していない。残土・石置場にも、どれほどの高さ・量が積まれるのかも明らかではない。

 今回の開発届は、『和解』案の内容に基づく鉱山の掘採に関する行為届出書と、敷地外の残土・石置場、鉱山道路等の土地の形状変更行為届出書の2つからなる。業者は昨年12月1日、糸満市を経由して県に開発届を提出した。

 県はこれらの開発届の内容を明らかにしなかったが、月末、糸満市の意見書(12月14日付)の内容が明かになった(糸満市は、「シーガーアブの崩落対策、粉じん対策等の意見を出している)。

 私たちは大急ぎで県に質問・要請書を提出した。そして御用納めの12月28日、やっと県・自然保護課長との面談の場がもたれた。私たちは、『多くの問題があるのだから性急に開発届を受理するのではなく、県民にきちんと説明すること』と申し入れたが、課長は、面談後、12月1日に溯って開発届を受理してしまった。そのため、自然公園法の規程により、受理から30日が経過した1月1日からの事業着手が可能になってしまったのである。

 しかし、自然公園法だけで現地の工事に入れるのではない。糸満市には風景づくり条例、開発行為の指導要綱等の定めがあるが、新しい開発届についてのこれらの手続きはまだ終わっていない。

 また、敷地外の残土・石置場、鉱山道路等造成のためには、知事の農地一時転用許可を得ることが必要となる。県の農政経済課は、『糸満市の風景づくり条例、開発行為の指導要綱等の手続きが済むまでは、農地一時転用の審査には入れない』と明言しており、業者は今すぐ、工事に着手することはできないのだ。

 そこで危惧されるのが、業者は農地一時転用許可を得る前に、『準備作業』と称して、『魂魄の塔』前の広場から里道を通って作業車両を入れるのではないかということである。しかし、この『魂魄の塔』前の広場は、県が、『魂魄の塔』や米須霊域の参拝者のために設けたもので、工事車両の通行は認められない。県の保護援護課長との話し合いでも、『業者がこの広場を通行しているのを見つければすぐに県に連絡する。その場合、県は業者を強く指導する』という確認をしている。

 しばらくは違法な工事車両が通らないか、監視を続けましょう。」

 

 集会後、関係者が集まり、定期的に現地を見回り、業者がこの広場から工事車両を入れないかどうかを監視しようということになった。 

 

           (約150名が集まった現地集会)

   (具志堅隆松さんの主催者挨拶)

                            (私も今までの経過を説明(Kさん撮影))

   (病気から快復された海勢頭豊さんの「月桃」の歌)

 

   (今のところ、工事着手の動きはない)

 

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