糸満市・魂魄の塔横で鉱山の開発が始まり、このままでは遺骨混りの土砂が辺野古埋立に使われるおそれがあるということが大きな問題となっている。
6日のブログにも書いたが、一昨日、年末に業者から自然公園法に基づく開発の届出が糸満市に提出されたことが明かになった。今後、糸満市は意見を添えて県に届出書を送る。今日の沖縄タイムスによれば、「県が受理の可否を決めるまで2ケ月程度を要する」というが、県が届出書を受理すれば、30日経過後から業者は土砂採取に着手できる。
今日(8日)、県庁に行き、所管の自然保護課長に事情を聴いた。報道でも県は、「形式上の問題がなければ受理する」としているようだが、今日も課長は、「自然公園法上は受理せざるを得ない」と繰り返した。
しかし、この県の見解は納得できない。自然公園法でも、届出をそのまま受理するとはされていない。
問題の箇所は、沖縄戦跡国定公園の普通地域内にある。自然公園法第33条2項は、「知事は国定公園について、当該公園の風景を保護するために必要があると認めるときは、普通地域内において---その風景を保護するために必要な限度において、当該行為を禁止し、若しくは制限し、又は必要な措置を執るべき旨を命じることができる」と定めている。
国道331号線の米須から魂魄の塔に向かうと、正面に平和創造の森公園の丘陵が続く。その丘陵の斜面が広く伐採され無惨な姿になってしまっているのだ。今後、土砂の採取が始まれば、景観はさらに損なわれる。
そもそも沖縄戦跡国定公園の趣旨は何だったか? 沖縄県のホームぺージでも「本島南部の戦跡を保護することにより、戦争の悲惨さ、平和の尊さを認識し、20万あまりの戦没者の霊を慰めるとともに、延長11kmにおよぶ雄大な海蝕崖景観の保護を目的に設けられた公園で、戦跡としての性格を有する国定公園としては我が国唯一のもの」とされている。
遺骨の問題はもちろんだが、国定公園制定の趣旨からも、そして、自然公園法第33条2項に基づく一帯の景観保護のためにも、この一帯での土砂採取を認めるべきではない。
斜面のすぐ上は、平和創造の森公園。東京の塔も至近距離にある。この一帯は、自然公園法の第2種特別地域で、開発行為には知事の許可が必要となる。斜面を掘削すれば、第2種特別地域の範囲にも影響することは必至である。
(東京の塔)
(有川中将自決の壕と慰霊碑すぐ脇まで伐採が進んでいる)
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1月7日(木)は、辺野古・本部塩川・安和・恩納村とまわった。
最初に行ったシュワブゲート前で指名を受けたので、辺野古をめぐる当面の課題について話をした。新基地建設反対名護共同センターさんのブログに私のスピーチが添付されている。
(今日も雨の中、安和桟橋敷地には、大量の土砂が搬入されている)
本部沖で停泊していた辺野古への土砂運搬船が流され、恩納村の海岸に漂着した。あの荒天の中、無人で停泊させていたというから呆れる。