チョイさんの沖縄日記

辺野古や高江の問題等に関する日々の備忘録
 

辺野古新基地建設に向けた建物解体工事におけるアスベスト問題について

2014年07月08日 | 沖縄日記・辺野古

         (7月1日、キャンプ・シュワブ内で解体工事が始まった。)

 7月1日、小野寺防衛大臣が記者会見を行い、「辺野古新基地建設に向けた既設の建物の解体工事に着手した。」と宣言した。ところが、この解体工事は、アスベストの問題を無視した違法工事である疑いが強い。建築材料として広く使われていたアスベストは、肺がんや中皮腫の原因となることから、解体工事等にあたっては厳重な規制がある。翌2日、沖縄県の環境保全課に行って確かめたところ、やはり大気汚染防止法に基づく「特定粉じん排出等作業届」は出されていなかった。

 環境保全課の担当者は、「防衛局は、これらの建物には届けが必要な飛散性(レベル1、レベル2)のアスベストは含まれていないと言っている。」と説明した。しかし、私は、4月末に、この解体工事の特記仕様書や設計図面等を防衛局への公文書公開請求で入手していた。それによると、解体予定の建物には、少なくともレベル2のアスベストがあると記載されている。防衛局は、こうした設計図面等を県の担当者に見せずに、「ない」と虚偽の説明していたのだ。

 県の問合せに対して、防衛局は、「1日に解体したのはブロック塀だけで、建築物は解体していない。今、分析調査をしているので、必要であれば県への届けをする。」と弁明しているようだ。しかし、この解体工事は、埋立工事の作業ヤードを作るために必要なもので、埋立工事の前倒しを狙う防衛局にとっては、一日も早く終えたい工事だ。もし、このアスベスト問題が明るみに出されなかったら、今頃は、どんどん解体工事を進めていたに違いない。(沖縄の米軍基地では、アスベスト処理が適切に行われず、死者まで出たこともある。)

 今は、解体のためのユンボ等の重機は動いていない。防衛大臣がわざわざ記者会見を行って工事着工を宣言したのに、ブロック塀をほんの少しだけ壊しただけで工事はストップしているのだからお笑いだ。ヘリ基地反対協は、海上から毎日、解体工事が再開されないかという監視を続けている。もし、県への届けも出されないまま解体工事が再開されれば、それは大気汚染防止法違反工事となる。懲役又は罰金という刑事罰が課せられる違法行為だ。

 問題は作業に従事する労働者たちの命と健康にかかわるだけではない。衣服にアスベストが付着したまま帰宅したため、家族が被害を受けることもある。基地の県内移設に反対する県民会議でも、このキャンプ・シュワブの解体工事におけるアスベスト問題に取り組むこととなった。9日には、沖縄防衛局への申入れ行動が予定されている。また、沖縄県に対しても、防衛局の言い分にまかせるのではなく、県として現地に立入調査を行うよう要求している。 

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