チョイさんの沖縄日記

辺野古や高江の問題等に関する日々の備忘録
 

沖縄県内全域からの土砂採取の問題点について県議会に陳情を提出 --- 今日(10月5日)の土木環境委員会を傍聴 /// 国道449号線周辺の粉塵・騒音の状況について必要な対策を検討と表明

2020年10月05日 | 沖縄日記・辺野古

 今日(10月5日・月)は、一日中、沖縄県議会土木環境委員会を傍聴した。沖縄平和市民連絡会が新しく提出した「辺野古新基地建設事業のために沖縄県内全域から埋立土砂を採取することに反対する陳情」や、6月県議会に提出して継続審議になっていた、「海砂採取の規制を求める陳情」、そして辺野古土砂全協が提出している「土砂条例の強化を求める陳情」等が審議されるためだ。

 「県内全域から埋立土砂を採取することに反対する陳情」は、末尾に全文添付したので、是非、見ていただきたい。今回の辺野古・設計変更申請では、埋立土砂が県内全域から採取される。現在でも、本部・名護に広がる琉球セメント安和鉱山の惨状には驚くが(下の写真参照)、県内全域からの土砂採取により各地の山は破壊され、ダンプ公害が全域に広がる。

                   (琉球セメント安和鉱山の惨状)

 今日の委員会での審議は、内容が深まらず、残念なものだった。

 下の陳情書を見てほしい。陳情事項2、3,4は、県内全域で土砂採取が始まることの問題点を具体的に指摘したものだったが、県当局の処理方針は、「設計変更申請の今後の内容審査にあたって、土砂等の採取及び運搬において、生活環境への悪影響等について十分配慮した対策がとられているか厳正に審査します」という内容に留まっている。変更申請書が提出されてもう5ケ月半にもなるが、今回の変更申請の内容が、土砂採取が県民の生活環境に深刻な影響を与えるものであることはすでに明らかになっている。今頃になって、まだこのような回答をしているのは納得できない。

 ただ、2点ほど、注目すべき内容があった。

 陳情事項1は、本部・名護に拡がる鉱山(採石場)から搬出される石材・土砂のダンプトラックの粉塵・騒音等の実態調査を実施することというものだったが、県当局は、「生活環境を保全する観点から国道449号周辺の粉塵や騒音の状況について、地域住民に確認の上、名護市や本部町と連携し、必要な対策を検討してまいります」という処理概要を示した。具体的にどのような対策を講じるのか、今後も要請を続けていきたい。

 また、陳情事項5は、南大東島、宮古島、石垣島等からも埋立土砂が持ち込まれるが、これらの島々は、県内といっても沖縄島と生態系が全くことなり、土砂持込による生態系の混乱が危惧されるので土砂条例に準じた扱いが必要というものだった。

 これに対して当局は、「ご提案の内容については、本条例の目的に鑑み、生物多様性保全の観点から、科学的知見や専門家の意見等を踏まえ、検討していきたい」という処理方針を示した。この点についても今後の対応を注目したい。

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(以下、沖縄平和市民連絡会の陳情書を掲載する)

 

沖縄県議会議長 赤嶺昇様

                        沖縄平和市民連絡会 

辺野古新基地建設事業のために沖縄県内全域から埋立土砂を採取することに反対する陳情

 現在、辺野古新基地建設事業の埋立土砂として、北部地区(本部・名護)の鉱山から大量の土砂が採取され、辺野古に海上搬送されている。

 今回、明らかになった沖縄防衛局の変更計画では、今後、埋立土砂の採取地は、北部地区だけではなく、国頭地区・宮城島地区・南部地区(糸満、八重瀬)、南大東島地区・宮古島地区・石垣島地区等、県内全域に拡大する。さらに海上搬送だけではなく、陸上搬送も併用される。

この問題に関し、下記のとおり陳情する。

1.名護市から美ら海水族館に続く国道449号線は、県内でも観光客が特に多い道路だが、広大な鉱山(採石場)が続き、土砂・石材を満載したダンプトラックが走りまわっている。道路運送車両法に違反した車両、積載オーバーの車両等も多く、粉塵・騒音被害等、屋部地域や近郊住民の生活環境に大きな影響を与えている。山が無惨に切り崩された光景に眉をひそめる観光客も多い。

  今後、辺野古新基地建設事業が進めば、さらに土砂・石材採取量が増えることが予想される。

 沖縄県としてこの一帯の鉱山の開発が住民の生活環境に与えている影響を調査すること。

2.南部地区(糸満・八重瀬)からは辺野古埋立に必要な土量の2倍近くもの大量の土砂調達が可能とされている。しかし、戦争当時、多くの県民が犠牲になった南部地区の土砂で、戦争のための軍事基地を造るのは県民感情が許さない。現に、ここ数年、南部地区の鉱山からは遺骨が見つかっている。沖縄平和祈念資料館やひめゆり平和祈念資料館の周辺を大型ダンプトラックが走り回るのも問題である。

 南部地区での辺野古埋立土砂採取を認めないこと。

3.南部地区からの土砂は、中城湾港と那覇新港から海上搬送するとされている。しかし、糸満・八重瀬から那覇新港に向かうためには、那覇市内を大量のダンプトラックが通過することとなる。このような計画は、那覇市内でのダンプ公害、交通渋滞等を引き起こすため、絶対に認めないこと。

4.国頭地区からの土砂の一部は奥港から海上搬送するとされている。奥港では、2017年当時、防衛局が辺野古への石材を海上搬送したが、区民あげての抗議行動の結果、当時の翁長知事が海上搬送の中止を求めたため、防衛局は奥港の使用を1日だけで諦めざるを得なくなった経過がある。

 奥港からの辺野古埋立のための土砂海上搬送は絶対に認めないこと。宮城島からも大型ダンプトラックが海中道路をとおって中城湾港まで走りまわることとなるので認めないこと。

5.今回、沖縄島だけはなく、南大東島、宮古島、石垣島等からも大量の土砂が辺野古に搬送される。しかし、県内といっても、沖縄島とこれらの島々とでは生態系が大きく異なり、土砂搬送による生態系の混乱が危惧される。

 これらの南大東島、宮古島、石垣島等からの土砂搬入に際しても土砂条例に準じた扱いを検討すること。

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