専門免許取得促す 文科省、法改正検討
毎日新聞記事より
障害がある児童生徒が通う特別支援学校の教員に教育職員免許法が保有を義務づけている専門免許の取得を促すため、文部科学省が同法の改正を検討している。法には専門免許がなくても教員免許があれば「当分の間」は特別支援学校の教員になれるとする付則が1949年の法施行当時からあり、条文は70年近くも有名無実と化していた。専門免許保有率は特別支援学校教員の7割にとどまり、文科省は2020年度までに保有率100%達成を目指し、その後に法改正する。専門免許は「特別支援学校教諭等免許状」(特支免)。特別支援教育にあたるため視覚や聴覚、知的など障害について学んだ人に交付される。付則が設けられた背景には戦後の教員不足があるとみられ、文科省は「厳密に義務付けると特別支援学校が運営できなかったのでは」と推測する。付則のため、特支免の保有率はなかなか上がらなかった。問題視する声は教育界にあったものの、法の見直しまで踏み込んだ議論には至らなかった。
しかしようやく昨年12月、中央教育審議会(中教審)が初めて特支免保有率の伸び悩みに言及し「付則の廃止も見据え、20年度までの間におおむね全ての特別支援学校の教員が所持する」ことを求めて答申した。
特別支援学校の教員は、大学在学中に特支免を取得するケースが多い。教員採用後に特支免を取得する場合は大学の認定課程や都道府県教育委員会などの認定講習で単位を取る必要がある。保有率は年々上昇しているものの、昨年度で74・3%にとどまっている。文科省特別支援教育課は「特支免は専門性の高い特別支援教育について知識と指導力を持っているという証明になり、保有率が100%になるよう、周知を進めたい」としている。【伊澤拓也】