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 ノルディックスキーのワールドカップ(W杯)ジャンプ男子は10日、ノルウェーのトロンヘイムで個人第16戦(HS140メートル、K点124メートル)が行われ、葛西紀明土屋ホーム)が127メートル、143メートルを飛び、266・8点で3位に入り、自身の最年長表彰台記録を43歳8カ月に更新した。

 葛西の表彰台は1月の札幌大会に続く2戦連続で、今季3度目。1回目は10位だったが、2回目に最長不倒のW杯ジャンプ台記録をマークした。

 ペテル・プレブツ(スロベニア)が285・5点で今季9勝目、W杯通算15勝目。伊東大貴(雪印メグミルク)が今季最高に並ぶ5位。竹内択北野建設)は23位。栃本翔平は31位、伊藤謙司郎(ともに雪印メグミルク)は43位、作山憲斗(北野建設)は44位で2回目に進めなかった。(時事)

■大ジャンプ「腰が痛くなった」

 会場が最高の盛り上がりを見せたのが、葛西の大ジャンプだった。2回目でヒルサイズを3メートル越え、ジャンプ台記録に並ぶ143メートル。1回目の10位から大逆転で3位に入り、W杯表彰台の最年長記録を更新した。派手にガッツポーズし、「10位からのごぼう抜き。最高な気分」。

 追い風が吹き続ける中、葛西が2回目を飛ぶ瞬間、有利な向かい風が吹いた。高い軌道に乗ってぐんぐんと飛距離を伸ばし、最後はひざを大きく曲げて着地。「風が当たってくれた。すごく高いところから落ちて、着地で腰が痛くなった」と苦笑いした。

 1月末に第1子の女の子が誕生し、モチベーションはさらに高まった。この日は名前を公表。「僕のノリを逆にして、璃乃ちゃん。ハワイ語で『輝く』という意味もあり、いいなと思った」と頰を緩めた。

 12日からは、得意のフライングヒルでW杯3連戦に挑む。「表彰台はうれしいが、やっぱり優勝したい。得意のフライングで狙いたい」。充実ぶりが際立つ43歳は、今季初勝利をまな娘へのプレゼントにするつもりだ。(時事)