西園寺由利の長唄って何だ!

長唄を知識として楽しんでもらいたい。
軽いエッセイを綴ります。

花見の図

2017-01-25 | 浮世絵
これは菱川師宣(元和4〜元禄7・1683〜1694)の浮世絵だ。
天和3(1683)年作で、タイトルはない。

師宣は最初の浮世絵師といわれているので、
吉原などは師宣以前の様子は知ることが出来ない。
しかしこの時代はどちらもまだまだ発展途上で素朴なものだ。


この絵は武士が花見をしている様子を描いたものだが、
連れているのは小姓、三味線を弾いているのは遊女ではないので、
武士を相手の踊子(芸者のルーツ)か。
急須のようなものは酒器のちろりで、盃が見える。

この頃は芝居で流行った長歌(長唄以前のもの)が
一般家庭にも伝播し、町娘などがこぞって習い始めた時期だ。