西園寺由利の長唄って何だ!

長唄を知識として楽しんでもらいたい。
軽いエッセイを綴ります。

十六利勘その5

2016-03-21 | 浮世絵
歌川国芳(寛政9~文久元・1798~1861年)の浮世絵
「妙でんす 十六利勘」(弘化2・1845年)をもう一つ。

タイトルは「奢羅損者(おごらそんじゃ)」、制作年は天保14(1843)年とある。
ごちそうを前に、そろばんを持ってぜいたくを戒める損者だ。
    

書き入れを見てみよう。
「みぶんふそうおうなことをば おもうべからず
 りゅうぐうの(竜宮)の乙ひめは べっこうのくしを めずらしがらず
 くろんぼは さんごじゅ(珊瑚珠)をみくだし
 さとうや(砂糖屋)のでっちは さつまいもに こころをかけず
 りょうりけや(料理屋)の ほとりのいぬは
 さんまのひもを みむきもせず 
 みなこれ しぜんのおごりなり
 とかく元日より 大みそかのことを かんじょうして かからねば 家はもちがたし
 かぎょう(家業)せいだして ずいぶんおごらぬように こころがけよと  
 一ねんのさんよう(計算)あうようにと 
 そろばんをもって おごらそんじゃと おしえたまう
 
 なんぼへいきでいても あまりおごりすぎると 
 家はひさしくたもたぬものなり
 このゆえに おごるへいき 久しからずとのたまう」

最後に親父ギャグのおちがきた!
おごる平家は久しからず。
 


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