西園寺由利の長唄って何だ!

長唄を知識として楽しんでもらいたい。
軽いエッセイを綴ります。

十六利勘その8

2016-04-04 | 浮世絵
歌川国芳(寛政9~文久元・1798~1861年)の浮世絵
「妙でんす 十六利勘」(弘化2・1845年)をもう一つ。
タイトルは「小利大損者(しょうりだいそんじゃ)」

お皿のさしみは、どうやらかつおのようだ。
徳利を手にしているのは、商家の女将か。
    

書き入れを見てみよう。
「しょうり(小利)をえんとて だいそんをする人あり
 これをば 一文おしみの 百ぞんじゃとも申すなり
 だぼはぜをば つって かっぱにひかれ
 たけがり(竹狩り)にゆきて うわばみ(大蛇)に であい 
 のりあいぶねで なまえい(生酔い)に こまり
 ももをぬすみにいって 井戸へおっこち
 へちまをとりにいって ふみぬきをし(足にとげがささり)
 竹のこをほりにいって とらに おっかけられ
 なすばたけへいって こいため(肥溜め)へ おち
 たちぎき(立ち聞き)をして いぬのくそを ふみ
 やすもので はなが おちたり
 ふるまいもの(もらいもの)で はらをくだし
 天王さまの さいせんを ひらおうとして ふみたおされ
 六十八文の 手ぬぐいをかって ほうかむりができず
 人のふところを あてにして いのこりにおかれ
 はりかえの からかさをかって えもり(雨漏り?)がして さされず
 うえ木のやすものは ね(値)がなし
 百八十のかつおで はちまきをするたぐい
 これみな しょうりは大そんじゃと しゃぼんをふいて
 心の大小をしめしたもう」

利勘さまがしゃぼんの箱を抱え、楽しそうにシャボン玉を飛ばしている。
「かつおで鉢巻き」の意味は不明だ。
 
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 十六利勘その7 | トップ | 十六利勘その9 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

浮世絵」カテゴリの最新記事