これは川鍋曉斎(かわなべ きょうさい・天保2〜明治22・1831〜1889年)
の浮世絵だ。
制作年は安政2(1855)年、タイトルは「老いなまず」とある。
安政の大地震で吉原が全壊した時の仮宅場所案内図のようだ。
地震直後に直ちに仮宅営業が始まっているのだから、すごい。
上の本は常磐津節の「老いなまず」と称するもので、
常磐寿無事太夫直伝、とあるのが面白い。
下には浅草の花川戸町・山谷町・今戸町や、深川の永代・仲町などの地名が書かれている。
常磐津の本には地震の様子が書かれているようだ。
「そもそもなまずのあれたること ばんしゃくにおされ○た 八方のわざわい
数千人のみどりをなして 古今のうれいをます
しゅんの時候の怒りの時 天にわかにかきくもり
大地しきりにゆりしかば 蔵と壁をふせがんと 小やぶのかげにより給うばかりなり
町町はいほくとなり ねだを折り 戸を重ね おのずのきばをふさぎて
そのはりをもたさせりしかは むざとさいごと入寂のお○り
無駄死給いしより なまずをあゆうと申すとかや
かようにすでかき 間違いに○を悔う民の愁いをば
君の情けでお救いの米のどん合 古壁のほこり絶えせぬ天変地獄
どうどうどうと御蔵の土に うたるるものこそせつなけれ」
の浮世絵だ。
制作年は安政2(1855)年、タイトルは「老いなまず」とある。
安政の大地震で吉原が全壊した時の仮宅場所案内図のようだ。
地震直後に直ちに仮宅営業が始まっているのだから、すごい。
上の本は常磐津節の「老いなまず」と称するもので、
常磐寿無事太夫直伝、とあるのが面白い。
下には浅草の花川戸町・山谷町・今戸町や、深川の永代・仲町などの地名が書かれている。
常磐津の本には地震の様子が書かれているようだ。
「そもそもなまずのあれたること ばんしゃくにおされ○た 八方のわざわい
数千人のみどりをなして 古今のうれいをます
しゅんの時候の怒りの時 天にわかにかきくもり
大地しきりにゆりしかば 蔵と壁をふせがんと 小やぶのかげにより給うばかりなり
町町はいほくとなり ねだを折り 戸を重ね おのずのきばをふさぎて
そのはりをもたさせりしかは むざとさいごと入寂のお○り
無駄死給いしより なまずをあゆうと申すとかや
かようにすでかき 間違いに○を悔う民の愁いをば
君の情けでお救いの米のどん合 古壁のほこり絶えせぬ天変地獄
どうどうどうと御蔵の土に うたるるものこそせつなけれ」