富士田吉次 その17「隈取安宅松」
同じ年(1769)の顔見世に、吉治が作ったのが「隈取安宅松」。
義経の奥州落ちを題材にしたもので、
弁慶が一行に先回り、安宅に新設された関所の様子を見に行く。
そして、松の木の下で遊ぶ里の子供たちに奥州への近道を教えてもらい、
大団扇で天狗風を起こして飛び去る、という内容。
この曲は吉次一人の作曲となっている。
作十郎は具合でも悪かったのだろうか、
あるいは来春の曲にかかりきりになっていたのだろうか。
吉次お得意の唄浄瑠璃仕立てで、上調子を付けた。
「里花浮空ダキ」(1765年市村座)で始めて上調子を入れて以来、
伝存の長唄曲としては2曲目となる上調子入りだ。
本来上調子は浄瑠璃のものだったのだから、またしても吉治の革命だ。
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tea break・海中百景
photo by 和尚
同じ年(1769)の顔見世に、吉治が作ったのが「隈取安宅松」。
義経の奥州落ちを題材にしたもので、
弁慶が一行に先回り、安宅に新設された関所の様子を見に行く。
そして、松の木の下で遊ぶ里の子供たちに奥州への近道を教えてもらい、
大団扇で天狗風を起こして飛び去る、という内容。
この曲は吉次一人の作曲となっている。
作十郎は具合でも悪かったのだろうか、
あるいは来春の曲にかかりきりになっていたのだろうか。
吉次お得意の唄浄瑠璃仕立てで、上調子を付けた。
「里花浮空ダキ」(1765年市村座)で始めて上調子を入れて以来、
伝存の長唄曲としては2曲目となる上調子入りだ。
本来上調子は浄瑠璃のものだったのだから、またしても吉治の革命だ。
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tea break・海中百景
photo by 和尚